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716.love myself

2023.01.21

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 面接をしていますとこちらが励まされたりハッとさせられることも多々あります。
 回復期の方のエネルギーを頂けるのがこの仕事の醍醐味と申せましょう。

 先日は、いつも自己犠牲をしていた方から、love myselfで行きます、と言われて、なかなか良い言葉だなぁと思いました。

 不思議なことに、love myselfを大切にしていくと、自分と関わってくれる職場の方やお客様にも優しくなるようです。
 そのように、愛が波及していくようなlove myselfってとっても素敵なんじゃないかなと思いました。みなさんは、どのようにご自身を大切になさっていますか。

715.ま、いっか

2023.01.20

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 鬱になる方の多くは、過剰適応だったり、自分自身への要求水準が高すぎたりします。ハードルが高いという問題をお持ちのようにお見受けしています。
 もちろん、高い要求水準を達成して、自己効力感が高まるのであれば素晴らしいのですが、高い要求水準と現在地に距離が開きすぎていると問題になります。そういう場合は、あまり自分を責めすぎず、ひとまずの成果について、ま、いっか、と一旦納得することも大切です。

 過剰に自分を責めても、気持ちが落ちるだけで知識や学力、技術力が上がるわけではありませんから、メンタル面は、ま、いっかと一旦済ませます。不足している分は、どのように埋め合わせていくのか、落ち着いて考えましょう。その方が鬱になりにくいのではないかと思います。

714.朝起きたら何かありがたいことを考える

2023.01.19

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 寒くなってきましたね。毎朝お布団から出るのが一苦労です。
 たまに怖い夢を見ることもあり、そんな日なんか、一日活動するのが嫌になります。
 でも、朝起きた時の気分が良くないって、あまり幸せなことじゃありません。

 痛みや苦痛なく目覚めたこと、そもそも、生きて目覚めたってことはありがたいことです。朝食の準備を進める家族のありがたさ、他の寝坊助達も、達者でいてくれることのありがたさ。
 素敵なスタッフに囲まれて仕事をしていること。

 色んなことにありがたいじゃないか、って思い直すと、朝の起動スイッチが入ってきます。

 朝起きたら、命を頂いていることに感謝、生きていることに感謝、という風にして、活を入れています。皆さんはどんな風に自分を朝起動していますか?

713.毒親との距離のとり方

2023.01.18

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 どこにでも、子育てが上手に出来ない親なんていくらでもいるものです。というかほとんどの人が上手く出来ないと思っておられるのではないでしょうか。私自身も親でもありますが、人に自慢できるような子育てが出来ているとは、恥ずかしながら申せません。

 親というのは難しいもので、自分に子が出来ると親は祖父母になるわけです。ヒト以外の大型類人猿では子育ては母親が行っているとも言われています。共同で子育てするのが人間の特徴なのですが、自分をマルトリートメントした毒親は孫にも悪さをすることもありますし、ベビーガードを除去したり、怪我をしかねない遊び方をしたり、注意を聞いてくれなかったり、となかなか困難なことがあります。

 そういう毒親がいた場合、どうするかと言うことになりますが。現在の新しい家族が関係良好なのであれば、両親と子供のユニットで幸せを作ることに集中していきます。安全義務に従ってくれない毒親は家に上げないようにせざるを得ないでしょう。関係を断ち切るというのはやり過ぎなので、会う時は必ず夫婦共にタッグを組んで子供の安全を確保していくように打ち合わせるなども大切です。
 写真などを送ってやるのは良いかもしれませんが、SNSに無断で顔を晒すようなことをする場合は、写真も送れないということになるかもしれません。

 冠婚葬祭の最低限と自分たちに被害の少ない最小限の付き合いに留め、後は、盆と正月のお付き合い等、被害を拡大させないことに努めます。被害が拡大すると毒親に対する不満や悪感情が悪化しますから、その予防措置と言うことです。被害を拡大させないように鉄壁にガードしながら、付き合える所で付き合うように折り合いを付ける、ということになりましょう。

 細かい所はケースバイケースですので、思い当たることがある方はご相談頂ければと思います。

712.自分で決めること

2023.01.17

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 子は鎹(かすがい)などと申しますが、夫婦が上手く行かない時に、子供がいると、それで離婚を思いとどまることもありますし、耐えている内に双方成長してより良くなることもあるでしょう。逆に、なかなか上手く行かないけれども、子供のことを考えると今は離婚は難しいなど、子供がいることによって大人がその責任を感じて、なかなか自分だけの意見を押し通せないこともあります。

 夫婦は十人十色、百人百様ですから、一つとして同様の組み合わせはありません。近年はLGBTQもありますから、同性を含めたマイノリティのカップルに於いても、接近してからこじれた関係性というのは同様に難しいかもしれません。

 当院では、どのようなご相談でも基本的に承ることにしています。そういう中で重要なのは、人生における重要な決断を、誰かのせいにはしないということです。特に子供のせいにするのは推奨できません。子供のことを配慮したけれども自分が決めた、と思えることが大切です。逆に申しますと、どんな茨の道であろうと、自分で決めたのであれば歩けるのです。
 精神療法家は、代わりに人生を歩いて差し上げることは出来ません。あくまでもご自分の人生を歩まれるのはご自身です。私共は道に迷ったり崖に落ちたりしないよう足元を照らしたり、先の見通しを見えやすくするお手伝いをさせて頂いております。踏み外さないようには出来るだけの援助を致しますし、決断する前の悩んでいる状態についてもご相談を承ります。その上で、よく考えて頂いたら、道は自分で決めることが大事です。
 その悩みのプロセスや、考えの交通整理が必要であれば、どうぞご相談頂ければと思います。

711.道を反対側向いて歩いてみると

2023.01.16

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 余裕のある時は、火ばさみを持って主に202号線のクリニックの近所の路上ゴミなどを収集しています。
 道である以上、行きと帰りがあります。振り返ってクリニックに帰ろうとすると、さっき通った所、先ほどの自分の足元なんかにゴミを発見することがありますから不思議なものです。
 見方が180度変わると案外ゴミが落ちていたのは自分の足元だった、ということでしょうか。

 これは、人間関係でも近いことがあるかもしれません。
 
 相手の対応が不十分だと不平不満を持っていても、相手から見たら当方の理解が不十分だという風に見えることもあるかもしれません。

 ちょっとお掃除に出掛けるだけでも、見えないこと、気づかないことなんてあるものなんだなぁと独り感心しながら、皆様のいらっしゃる道が少しでも綺麗になるように、吸い殻等を拾い集めております。

 何か行き詰まっている時は、思い切って反対側から物をご覧になってみてはいかがでしょう。

710.伴侶性

2023.01.15

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 カウンセリングは受容・共感・傾聴などと言いますが、前稿でも書きました松原秀樹先生は伴侶性という言葉を使われました。
 あたかも伴侶であるかのようにしっかりと寄り添うということですね。

 行動療法の造詣も深かった秀樹先生は、生活の行動パターンに介入することもお上手でしたし、自律訓練法のエキスパートでもあったので、セルフコントロールとしての自律訓練に持ち込まれることもとてもお上手でした。
 私共セラピーのプロは、伴侶にこそなれませんが、あたかも伴侶のように、時には伴侶以上に、受益者の皆様の生活様式に伴侶性を持って助言や提案などを行っています。それは、必ずしも壊れつつある家族を修復するとも限らず、DVや虐待に遭っているなら離別や別れ、独立などをご提案することもありますし、過剰に攻撃的になってしまっている場合は折り合いを付けて頂いたり、健全にあきらめて頂いたりすることもあります。とにかく、受益者の方がしっかりと一歩進めるように、寄り添う精神で参ります。
 逆にプロの精神療法家ですと、夜中にLINEすることもなければ、食事に付き合う必要もありません。予約の時間帯に、規定のお支払いと共に綺麗に割り切りつつ、ご相談中に伴侶性を発揮していくことになり、また守秘義務のために他所で口外することもありませんから、安心して伴侶性にお任せ頂けるのではないかと思います。

709.受益者

2023.01.14

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 師匠の一人に、故松原秀樹先生がいます。日赤広島看護大学の教授をされた先生で、自律訓練法の自律訓練学会を立ち上げた一人でもあります。福岡臨床心理研究会でも講師をお務め頂きました。その時、教えて頂いたのは、受益者尊重。

 これは、対象となる方を、患者でも、来談者でもなく、受益者と呼んでいる所に、秀樹先生の臨床家としての覚悟が見て取れます。プロとしてお目に掛かる以上、何らかの利益を提供せずには帰せないというわけです。簡単な言葉に言い換えますと、秀樹先生は、相談に来られた方に必ず「お土産」を差し上げるように心がけていたと言います。別に菓子折を上げるわけではないのですが、治療指針の光になる物、自分を肯定してもらうことなど、受益者の方が相談して良かったと思えるものを何か提供する、というのがお土産、という言葉の意図になります。この研修は私にとって一つの大きな収穫になっており、受診して頂いた方には必ず何か来て良かったというものを提供できるように心がけています。
 秀樹先生の教えが、少しでも受益者様の皆様のもとに届きますように。

708.治療意欲がありさえすれば

2023.01.13

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 時々、難しい人格障害だと思うが、というご相談を頂きます。

 当院は、入院施設や依存症の互助団体は保持していませんので、そういう物が必要な方となると継続的に診療させて頂くのは構造上難しいのですが、1回診察をして道筋を付けたりすることもしています。基本的に治療意欲をお持ちであれば、昔反社会におられて「お務め」に行かれていた方も、人格障害であっても基本的に拝見しています。ただ、お酒を止めて頂く必要があっても止められないとか、スタッフに威圧的であるとか、治療的介入にも反論的な姿勢で来院されてしまうとかがあると、継続するのは難しいことになりますが、治りたい、治したいという御意志があれば基本的には承っています。

 衆生済度という言葉がありまして、迷える人は全て救いたいというのが阿弥陀如来の本願と聞きます。
 私はそこまで信心深くはありませんし、阿弥陀様ほどの力もないのですが、当院の門を叩いてくれた方には、基本、衆生済度の姿勢でいたいと思っています。提供できるのは医療ですが、治療意欲がありさえすれば、どんな方でも一度拝見させて頂こうと考えています。

707.道を清める

2023.01.12

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 最近、時間と気力と体力に余裕があれば、出来るだけ、近所のゴミ拾いをしています。
 やってみると、10分少々で終わるので、職員全員に音頭を取るほどでもないのかなと思い、粛々と独りでしています。568稿、火ばさみの所でも書いたのですが、火ばさみと携帯ゴミ箱を持ってうろうろしています。歳を取ったということなのかもしれませんが、別に自分が清掃したということを誇ることもないですし、単に道が汚いと悲しくなるし、綺麗だと嬉しくなる、ということです。

 天才バカボンのキャラクターにレレレのおじさんという人がいて、いつも道を掃き掃除しています。「お出かけですか?レレレのレー」というのが決め台詞なのですが、このレレレのおじさん、モデルは、仏教の周利槃特(シュリハンドク)ではないかと言われています。これと言った神通力のない周利槃特は、迷いを釈尊に相談した所、ひたすら道を掃き清める課題を与えられたと言います。私も、当院のロゴにありますように煩悩の多い人間ですから、いくら掃き清めても煩悩が消えることはないのですが、煩悩は消せなくても、落ちている吸い殻を清めることは物理的に出来ますし、物理的に清掃できただけでも少し気持ちが綺麗になります。

 今年も初仕事の前に、朝から近所一帯のゴミ掃除をして参りました。

 周利槃特ほどになれるかも分かりませんが、道を清めて、皆様をお待ちしたいと思います。もしも道に色々な物が落ちていた時は、追いついていないと思うので申し訳ありません。毎日出来るわけではなく、義務化してしまうとしんどい気がするので、出来るだけやろう、と緩く考えています。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分