838.梅雨入り
2023.05.31
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
九州地方も梅雨入りしたようです。
ジメジメと雨が降るだけで気が滅入るなんてこともありますし、最近は線状降水帯とかゲリラ豪雨とかで、想定外に大きな被害に遭うこともありますから、備えも必要です。自宅のハザードマップを確認したり、避難所の学校や公民館などを認識したり、お水などの備蓄を置いておくことも大切です。
それはそうと、雨でも受診などの用事があるとどうしても出掛けなければならないこともあります。そういう時に気持ちが折れないように、撥水性の合羽を買っておいたり、長靴などを用意しておいたり、鞄を保護するカバーを備えておくのも良いことかもしれません。濡れた時用に、乾いたタオルを2-3枚用意するのも良いでしょう。
沢山濡れないようにとか、濡れた時に大丈夫なようにとか備えておくのは心理学的も、不慮のイベントに対する普段からの防衛や準備状態を象徴しています。用意周到なだけで打ち勝つチャンスは多いものです。
諺にも備えあれば憂いなしと申しますし、普段から、出来る備えは出来るだけやっておくことが鬱になりにくいポイントかと思っています。
837.父親学級
2023.05.30
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当院の近所には、東野産婦人科さんといって、福岡市でも有数の評判の良い産婦人科があります。院長の東野純彦先生は3万件に及ぶお産に立ち会った経験を元に、「幸せになる覚悟」「知っておくべき産後の妻のこと」という著書を世に出されました。
毎年20万件にも上る離婚は、結婚3年以内が多く、特に2年目が最も危機的なのだそうです。
男女の決定的な違いを知識として知り、お産前後に女性がどのような苦労しているかを夫が理解することは夫婦にとってとても大切で有益なことです。最近は両親学級や父親学級などが開催されています。
夫が、妻の妊娠期間中などに積極的に夫や父親としての役割を学ぼうとしたカップルは、この危機を乗り越えて長く続くようです。多忙なご主人を父親学級に連れて行って、妊婦体験や湯浴みの学習をさせたおうちでは、幸せに暮らしている方もあるようです。
これからのカップルは両親学級や父親学級の活用をご検討頂いてはいかがでしょう。
836.良くなろうとしすぎると
2023.05.29
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鬱、とは、辛い、という体験の残響効果、という説があります。トランス療法で有名な中島央先生の研修で教えて頂きました。
残響効果なので、鬱に入ってからは、実態はないわけです。
その状態に入ってから、これからどうしよう、将来が不安だ、とか、治るために努力しなければ、お酒は飲まず早寝早起きをしよう、と頑張る人がいます。
もちろん、禁酒や規則正しい生活リズムは好ましいものであり、推奨されています。
しかし、あまりにもそれに囚われて、四六時中、生活リズムを頑張りすぎたり、どうしようどうしよう、と考え続けていますと、実はその空回りが残響効果を続けさせる原因となり、延々と鬱から脱出出来ないことになります。
意外と、考えないことにした、悩まないことにした、ということになればすみやかにすっきりしてこられる方もおられます。
楽しく筋トレしたり自炊出来るようになればしめたものですが、それにこだわりすぎたり囚われたまま空回りをしていると、鬱から脱出しにくくなります。そういう時は一端あれこれ大脳で考えるのをストップすると無意識が正しい方向性に動き出すようです。
一端、考えすぎるのを止めて、ぼーっとしていると、良くなってくることもあるようです。少しお試し頂いてはいかがでしょう。
835.交叉耐性
2023.05.28
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みなさんは交差耐性という言葉をお聞きになったことはありますか。
日本救急医学会のHPによりますと、
ーある薬物に対して耐性が形成された時に,その薬物と類似の構造や作用を有する他の薬物に対しても耐性が生じることを,とくに「交叉耐性」という。ー
と書かれています。
こう書かれていると大変難しいような印象もありますが、良くあるのは睡眠薬や抗不安薬として用いられているベンゾジアゼピン系の薬物とアルコールの交叉耐性です。
逆に、アルコール依存に陥った方は、ベンゾジアゼピンを適量用いて漸減していくことで離脱が可能となることも知られています。これの原理は、厚労省によりますと、ベンゾジアゼピンはアルコールと同じく脳内のGABA受容体に作用部位を持ち、アルコールとの交叉耐性を用いて離脱症状を軽減する、ということのようです。
離脱症状の軽減にも使えますが混ぜて飲んだら溶媒として機能して、悪酔いする恐れもあります。
お薬を処方されている場合は飲酒を控え、出来る限り指示通り内服して頂ければと思います。
834.ションベンが出ない
2023.05.27
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男性って、特に、コンサート会場やドライブインなどでは小用を足す便器って沢山並んでいて、まかり間違ってもそこで大をする人はいませんし、チャックを開けてホースを取り出せば用が足せるので、女性に比べて比較的短時間で機能的に小用を済ませることが出来ます。
そういう意味では、女性は、大きい方も小さい方も、女性の用事も全て個室で行うわけで、プライバシーは確保されているもののそれなりに時間や手間が掛かります。
虐待されていたり、親が強い圧力を掛けて養育した環境で育った男の子は、上記の小便器が沢山並んでいる環境では、一番奥で用を足したりします。後ろを通られたくないんです。
なぜ言い切れるかと言えば、私自身がそうだったからです。
父はとても力が強く、弁も立ちました。野球やゴルフでスイングすれば、場外というかかなりのヤードを飛ばしていたようですし、絶対音感を持ち、ヴァイオリンを弾き、僧侶の傍ら家庭教師業もしていましたが、文系だったくせに理系の数学まで教えていましたし英語にも堪能だったと思います。経済学や政治、法律、漢字や諺の教養もあり、叶わないと思っていました。
怒れば、今や通告案件級に寿司桶は宙を舞いましたし、ガラス戸も庭を舞っていましたから、破壊力は抜群だったと思います。
今では父も亡くなり、その怖かった呪いも解けましたから、良い面も悪い面も、似てしまった面も引き継いだ面も、反面教師にした面も冷静に分析しています。
まあ、亡父の思いではそれくらいで良いのですが、そういう私は30代くらいまで、集団トイレで後ろにおじさんが通るとションベンが出なくなる子でした。嫌なんですよね、目上の人や自分より怖い人が後ろにいると、オシッコ出なくなるんです。
これをどうやって自分が克服したかと言えば、正直あまり覚えていないのですが、三重県から九州に渡ってきて、実家と物理的な距離を取ったことで、脅威と距離が取れたこともありますし、また、九州で研修会や研究会の仲間を作り、心療内科の久保千春元総長や須藤信行教授を始めとした、素晴らしい人間関係に恵まれたことも挙げられます。自分は自分で道を作ってきたのだから、そんなに人を恐れなくてももう大丈夫だよ、って自分に言えるようになったことで、いつの間にか、後ろに何人いようが平気でションベンが出るようになったんだと思います。
男性の小用は、機能上、小用もしますが、射精をする器官も兼ねていますから、どうしても、自信や恐れなどの直結しています。萎縮していれば、男性としても萎縮してしまうし、普段の用事である小用も満足に足しにくくなります。逆に言えば、小用が上手く足せない場合は、サバイバーであったり、自信を上手く持てていないなどの問題が潜在していることを考慮する必要があるでしょう。
でも、どんな方でも、まず自分の居場所を安心安全の場所にしつらえ、少しずつ自分の実績を積み重ねていくことで、後ろに何人人がいても気にしないでオシッコ出来るように、なるはずだ、と思って、弱った方々の援助を心がけています。
833.時には子供のように
2023.05.26
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
先日、師匠の大沢聡氏と弓場さつき氏がメンバーを務める、東京オカリナカルテットが何と六本松に来ました。当然、聞きに行ったわけですが、当院でもポスター掲示していたので、チケットを購入して参加された患者さんや知り合いの方も多かったようです。
光栄なことに、コントラバスオカリナを買うとしたら松原さんだね、と師匠にトーク中に唯一名前に触れて頂きました(数年前のアザレアホールでも似たようなことがあったような・・・)。
カルテットは、他に2ndに国際オカリナコンクール優勝の椎名春奈さん、3rdは大沢聡師匠の右腕として活躍する柿内美緒さんで構成され極めてレベルの高い演奏を披露して頂きました。
演奏会後は、各出演者と嬉々としてツーショット写真を撮影させて頂いたのですが、それをご覧になっていた方がおられて、松原先生子供みたいに喜んでいましたねと言われました。はい、そうです。
でも、いい歳をしても、やっぱり最高峰のアーティストと至近距離に身を置けることってとてもミーハーですけど嬉しいです。今回は特に以前触れましたマスタークラスレッスンで大沢聡師匠にご覧頂いたこと、そのレッスンを椎名氏、柿内氏にも目撃して頂いたことで、現在の松原の立ち位置も同門の師や姉弟子達に認知してもらいました。もちろん、そこまでに育てて頂いたのは毎月鍛えて下さる弓場さつき師匠のおかげに他なりません。ファンの一人というより、同門の末席辺りの視野に入れてもらえての写真が嬉しかったのもあり欣喜雀躍して騒いでおりました。
子供ぽいんだろうなとは思うのですが、いい大人になって憧れの人と嬉々として会えるというのも、子供心を残した大人として、大切なことではないかと思うのです。冷静な理性、親切で温かい心、謙虚な社会性を持てるように努力しながらも、それでも、百歳になってもいつまでも、子供心やそういった感性を残したまま成長したいなと思っています。
832.人は間違いながら覚える
2023.05.25
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イタリア語の諺より。
Sbagliando si impara.(ズバリャンド、スィ、インパーラ)というのですが、意訳して失敗は成功のもととも訳されています。
鬱や適応障害でご相談にいらっしゃる方は、割と自分を責めてしまいがちな方が多いようにお見受け致します。
しかし、諺にも申しますように、人は間違いながら覚えるもの。
そして、間違えたのがいけないのではなく、「このやり方では上手く行かない」ということを学んで経験を積んだわけです。
もちろん、マニュアルを覚えていないとか、集中していないとかケアレスなものは改善する必要があり、集中力低下が拾うや睡眠不足によるものであれば出来る限り良質な睡眠を取ることをお勧めします。それでも集中できないときに、不当に扱われているとか、評価が低いとか、目標を持てない、など環境が悪い場合は、退職や転職も良いかもしれません。
重要なことは修正点がどこか早期に把握し、前の失敗はあまり引きずらないで次に集中することです。
色々コンディションを整えるのに難しさを感じられる場合、カウンセリングなり、抗うつ薬、睡眠薬なり差し上げて支援していくことになります。
ご自身が間違いなどに対してどのように感じているのか、判断が付きづらい時もご相談頂ければと思います。
831.庭瀬亜香先生にお越し頂きました。
2023.05.24
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
前勤務先での同僚、先日、庭瀬亜香先生に当院にお越し頂きました。
在職中は心療内科医同士として、大変お世話になりましたし、開業の先輩として色々ノウハウを教えて頂きました。医師会の入会に際してもサインを頂くなど、当院開業に当たり大きなお力添えを頂きました。
今後の庭瀬先生のご活躍を心より願っております。
830.静観
2023.05.23
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教えたように出来ていない後進とか、頑張っているけれど完璧でない部下とか、子供などが何かを始めると、上手く出来ているか気になって、ついつい口を出したり手を出したり、世話をしたくなることがあります。もちろん、それが奏効して上手く行くこともあるのかもしれませんが、一端教えた以上は、一度静観して本人にトライアンドエラーの体験をさせることも重要でしょう。
世話を焼きたい気持ちをぐっと我慢して、やらせてみることが有益かもしれません。
とても器の大きい師匠の一人に、何年も経ってから、生意気盛りに付き合って下さって、そうやって育てて下さったのですね、と伝えたら、にやりと笑って、やっと分かった?と返されたことがあります。ああ、この人には一生叶わないな、と心服した瞬間でした。
そこまで大きな器で相手を待つのはとても大きな器量人なのでしょうが、ワンテンポ、一呼吸でも静観出来ることが、相手を信頼したり伸び伸びやらせるきっかけになることもあります。
一端バトンを渡したら静観してみるのも吉かもしれません。
829.後からアドバイス
2023.05.22
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
悩み事を友達に相談したりすると、こうしておけば良かったんじゃないかと済んだことに今更アドバイスをくれる人がいます。後からアドバイスくれるやつです。
でもこれって、その事象は過去のこととして済んでしまっているわけですから今言われても結局助言というより非難にちかいですよね。
いじめに対して、嫌と言えば良かったのではとか、逃げれば良かったのではとか、先生に相談すれば良かったのではとか。被害に対しても同様です。
その時に自分が弱かったり無力だったり、相手が圧倒的だったり、相談相手も不親切だったり、周りは皆敵方だったり、色んな諸事情で、後から何とでも言えるとしてもその行動しか採れなかったという事実があるわけです。
ですので、後からアドバイス、というものは有害無益なことが多いと思われます。
反省会の時にどうしても助言を欲しいと強く求められた時だけ、慎重に諸事情を聴取しながら少しだけアドバイスすることはなくもないのですが、むしろ共感したり、支えたりして、聞き手は話し手に寄り添うことの方が良いのではないかと思います。また、後からアドバイスを繰り出してくる素人の家族や友人には、あまり相談しない方が良いかもしれません。
お困りの時は専門家をご利用頂ければと思います。