1300.デュオたんと
2024.08.31
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
8月31日にはくまもとオカリナッセというオカリナのイベントに出演してまいりました。スペシャルゲストは、奈良県を中心に全国でご活躍のデュオたんとこと森下知子さんと大島忠則さんでした。
とてもお二人ともとても素晴らしい技術と音楽性を持っていて、大変勉強になりましたし、お二人のことがとても好きになりました。
今後もよりすぐれた奏者たちからの学びを深めたいと思います。
1299.雨の日は餃子を
2024.08.30
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
先日の雨の日、家族が餃子の皮を買ってきたので、久しぶりに手作り餃子を頂きました。研修医の頃、指導医の先生に、雨の日は子供と餃子を作るといいと聞いたのを思い出しました。
餃子は、キャベツやニラを刻んだり、にんにくを刻んだりおろしたり、ひき肉を混ぜたり、いろいろな工程がありますし、皮を閉じて餃子の形にする、所までに楽しみがあります。
餃子は日本の誇るB級グルメといってよいと思われます。原点は中華といいますが、もともとは食べ残しの処理法的な扱いだったそうで、美味しい御馳走という認識で食べるようにしたのは日本文化だったように記憶しています。
餃子を作るのは学びの多い作業です。欲張ってたくさん盛り過ぎると閉じることができません。平たい円状の皮の上に、いくばくかの具を載せる。それは、糊付けする余白をあらかじめ計算に入れておくこと、3次元としての立体認識、などがあるからです。欲張りすぎてもうまくいかないたとえにもなります。
そうこうしている内に、餃子は完成し、完食して終わりました。
みなさまも、雨の日は餃子大会、いかがでしょう。
1298.アルゼンチン
2024.08.29
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
最近のNHKラジオのスペイン語講座は、南米がテーマであり、アルゼンチン独特の言い回しや、チリへの旅が取り扱われています。
ラジオ講座とは別に、優秀者に選ばれればアルゼンチンに行ける企画、というのがあるらしい、と知り合いから聞いたのですが、歳を取ったのかあまり心が躍りませんでした。
何しろ、地球の裏側ですから飛行機も限られていますし、片道24時間程度っていうのはきつい旅です。クリニックを休診すれば、お客様にもスタッフにも迷惑をかけます。行先も自由ではなくて、ミッションをする必要もあり帰国後報告もする義務がある…。とか考えると気が重いから気が乗らないと思ってしまいました。
若い時のような躍動感で物事をとらえられないなぁと自分が老け込んだ気になりました。十分現実検討能力がついたとも言えますが。
皆さんは成長とともに価値観や落ち着きが変わったと感じることはありますか?
1297.台風
2024.08.28
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
台風10号の接近に伴い、29・30日を臨時休診とさせて頂きました。予約制をとっていることもあり、当日のスタッフの出勤や公共交通機関の運行、学校の休校措置等が読めないためでもありますがご理解いただければと思います。
1296.肯定的
2024.08.27
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
先日、仲間と一緒に恩師の業績を掘り下げる打合せをしていました。
その中で、師匠は常に患者さんに肯定的だった、という話が出た時に、我が身を振り返って反省しました。
どうしても、お酒を止めて頂きたいとか、こちらから医療上のお願いをしたい場合、病気の性質上、否認したり強がったりする人もおられるわけですが、止めてもらうのがベストなのは明白ながらそう一筋縄に行くはずはないからです。そういう時に、師匠のように常に温かい目線で患者さんを診ることが出来ていたか、というのは、常に振り返らざるを得ません。
以前よりは、様々なお悩みやご相談に、寛容に関与出来るようになったとは言え、まだまだ恩師のようには行かないなぁと我が身を振り返りつつ、師から頂いた温かさは、また現場の患者さんにお届け出来るよう、気を引き締め直して頑張りたいと思います。
1295.プラスティネーション
2024.08.26
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
私は医学部卒なので3年生の時に、献体頂いたご遺体を、同級生と解剖実習をさせて頂いた経験があります。
以前働いていた病院でも、身寄りのない精神病の方も、健康な判断力のある方が生前に、死後は大学病院に献体したい、と希望されたことがあり、そういった場合はそういうことを取り仕切る団体があり、そこに生前に登録をしておくと、病死された後に、献体として保管されるようになっているようです。そういう動きがあってご遺体が集められているのを医師になってから具体的に知った気がします。
献体される場合は、逆に、火葬などは、解剖実習等を終えた後の処理として大学等が責任を持って行うことになるため、特に経済的に葬儀の費用にも困る方にはある意味、しかるべきところが適切に処理してくれる上に、学問にも寄与できるというシステムになっており、死後のご自分のご遺体に特段のこだわりがない人には有用な制度かもしれません。
プラスティネーションというのはご遺体から水分・脂肪分・油分を抜いて、固定する方法で、ドイツ・ハイデルベルク大学のグンター・フォン・ハーゲンスにより、1978年に生み出されました。ハーゲンスは特許を取得し、プラスティネーション協会を取り仕切っているようです。親の出自は本人とは関係ないとは言え、ハーゲンスの親はナチスに傾倒して、警察に所属してユダヤ人の移送やユルゲン・シュトロープ指揮下ワルシャワ・ゲットー蜂起鎮圧戦に参加していたと言います。
日本でも1990年代に人体の不思議展という展示が行われたのですが、紆余曲折があり、その後はハーゲンスとは別の団体との契約で展示が継続されました。Wikiによればその後プラスティネーションを模倣した中国の団体が後を引き継いで展示はある程度行われたようですが、プラスティネーションは非常に高価であることや、また、ご遺体の生前の善意の意思表明が不明瞭という問題を指摘する声が上がったようです。というのも、死亡後かなり素早く固定する必要があるようで、日本のようにご遺体の尊厳を法制化した死体解剖保存法などがあると、大学の解剖や法医の教官でもない限り、そんなに簡単に保存や加工は出来ませんし、自然死をした日本のご遺体が、「素早く」大学の解剖学教官のもとに到着する可能性はかなり珍しいと思われるからです。
特に、ご遺体は中国で拷問死した人達ではないのか、という疑念は晴れたとは言えないようです。
京都府保険医協会の告発により、その後、現在までこの類の展示はありません。
細胞や組織を、そのままの状態で固定する技術や、固定したことにより様々なスライスを知ることが出来ることは学術的な興味を満たす意味はあるのだと思います。ただ、最近書いているような、物事の「オープン性」に欠けるものであれば、やはりご遺体の尊厳に対して後ろ暗い扱い方をしたのではないか、という疑念が生じてしまいますし、高額の標本を用いて、「金儲け」をしていると批判に、何らかの回答を与える必要もあるでしょう。
コンプライアンスがだんだん厳しくなってきている現在の世の中で、様々ななされるべき配慮が検証されていけば良いのかなと思います。また、プラスティネーションも十分な量が出来ていれば~展示をしたわけですから十分量はあるはず~で今度はそれをコンピューターCG化するなどにより、今後はそういったきわどいことをしなくても、学びにつなげることは出来ていくでしょうから、そろそろ、こういったことは厳しく検証され、下火になっていくのかもしれません。
1294.他者とつながる者が生き残る時代
2024.08.25
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
デジタルコモンズのこの時代、色々な知的財産が共有されることも珍しくなくなりました。
以前書いたウィキノミクスもしかり。
マスコラボレーションの今は、他者とつながる者が生き残る時代と言われています。他の人とのつながり、協働が自分の知的財産や体験をより豊かにして行くといわれています。コラボレーションによって推進されるのは、経済的な価値が高い者だけではなく、病気の治療や気候の予測、惑星や恒星の探索など公共性の高いことなどもはいっている。例を挙げると、オルソン研究室では、スーパーコンピューターを用いてエイズ治療薬の評価を行っていると言います。FightAIDS@homeというプロジェクトでは、ネットでつないだコンピューターの余剰能力を連動して使用しています。
こうして、知識や能力や創造力がかつてないほど分散され、価値創造が早く、また流動的となる世界になろうとしています。
私たちも、こういった時代の変化に敏感となり、常に先端の知識にアップデートできるように心がけることが必要かもしれません。
1293.MITプログラム
2024.08.24
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
マサチューセッツ工科大学(MIT)は米国でも屈指の有名な大学であり、高度な教育を施していることで知られています。
恥ずかしながら知らなかったのですが、MITは、、その教育プログラムをホームページで公開しており、動物学から航空学まで受けたい授業は宿題も含めてダウンロード出来てしまうようです。まあ、当然英語の授業になるわけですが。
試しに催眠(hypnosis)を入れてみたのですが、あまりこれといった講義は見つけられなかったので、MITにも得手不得手っていうのはあるのでしょう。
それにしても講義内容も宿題も公開してしまうって何て太っ腹!
ocw.mit.eduにアクセスすれば
「MITのオープンコースウェアへようこそ。ここでは、世界中の教育者、学生、自ら学ぼうという意欲のある人に向け、教育資源を無償で公開しています。このオープンソースウェアは、知識と教育の発展に努力し、21世紀の世界に貢献するというMITのミッションをサポートするものです」という歓迎を受けます。
オープン性というのは、様々な観点からの検証も可能な上、教育資源の無償化により世界中の知的探求者の学習に資するものです。
私もちょろっと拝見しただけなのですが、もし良ければMITプログラムにアクセスして頂ければと思います。
1292.ウィキノミクス
2024.08.23
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
組織があり、上下があり、意思伝達が上意下達(じょういかたつ)で伝わる従来型の仕組みに対し、ウェブを通じた無数の人による協働(コラボレーション)によって成り立つ世界をウィキノミクスというそうです。
ウィキノミクスとはWikiとeconomicsからなるかばん語です。かばん語とは、それぞれの一部を組み合わせて新しい単語を作る様です。
その成り立ち上、ウィキノミクスは、マスコラボレーション、ピアプロダクションと同義です。
ウィキノミクスの基本原理としては、
1)オープン性
2)ピアリング
3)共有
4)グローバルな行動
の4点が挙げられています。
違う観点の人が多数集まり、それぞれの視点を提供しつつ、フラットに物事を改善していく作業となります。
そうはいっても例えばLinuxなどは同じようでも最終的にはどうするかという点は管理する人がいるようですが。
以前、緩和ケアの精神腫瘍医の勉強会に出た時も複数の医師らによる頭脳集団がより良きテキストを作っていこうという様はとても洗練されたものであった覚えがあります。
みなさまも、何か行き詰まって新しい観点が必要な時、ウィキノミクスのように知恵を出し合うようなことが有益なことがあるかもしれません。
1291.ロブ・マキューエン
2024.08.22
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
ロブ・マキューエンは、カナダの金鉱産業、ゴールドコープ社のCEOを務めた人物です。現在は会長兼オーナーのようです。
同社はトロントに本社を置く、小さな金鉱会社で、債務・ストライキ等で産出を諦めざるを得ないほどの窮状にあえいでいました。かなりの金鉱床を発見しなければ、レッドレイク鉱山は閉山に追い込まれ、同社も倒産することが判っていました。彼は跡取り息子でもない上に、鉱業関係の経験すらなく、買収合戦に参加して同社の株式の過半数を手にしたに過ぎないビジネスマンでした。
誰もが彼がこの会社を救えるはずがないと批判しましたが、彼はそれを無視してこらえていました。
1999年、マサチューセッツ工科大学で開催された若手社長向けのカンファレンスで、たまたまLinuxの話を聞いたのでした。
会社に戻ると彼は1948年依頼の地質データを全部電子ファイルにして公開し、200トン近い金が何処に埋もれているか世界に問いかけることにしました。
自社の鉱山データなどは隠蔽秘匿が常識の中、鉱業の素人だからこそ、Linuxにヒントを得て、世界に公開しました。
2000年3月、総額57万5000ドルの賞金を掛けて、ゴールドコープチャレンジを開始しました。
このニュースはあっという間に広まり、15カ国、1000人以上が地質データと格闘しました。
数週間で世界中から提案が寄せられましたが、地質学者以外の提案もありました。
大学院生、数学者、コンサルタント、軍の士官、など予想外の人物からも提案があり、分野としては、数学、先端物理、人工知能、CG、それらの組み合わせなどが使用されていたと言います。鉱脈の可能性が示唆された場所は110カ所あり、その半分はゴールドコープが気づいていないものでアリ、その80%で実際に大量の金が発見されたと言います。
ゴールドコープチャレンジで発見された金は250tにもおよび、このコラボレーションにより探査期間を2~3年短縮できたと言います。
この業績によりゴールドコープ社は衰退していたオンタリオ州北部の鉱山を業界トップクラスにおしあげ、1億ドルの不振企業を90億ドルの巨人にしました。
マキューエンは、業界慣行に逆らって、企業財産であるデータを公開し、鈍重な探査プロセスを分散型金発見エンジンに変化させました。
このような素人だからこそ出来る慣行の打破であったり、オープンソース化して集合知を得る方法はウィキノミクスと呼ばれ、その後のイノベーションやビジネスに大きな影響を与えました。