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205.時には山に登ってみては

2021.08.31

205.時には山に登ってみては

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
 先日、「私は視野が狭くなりがち」という人が、知人から少し高い所から物を見るようにアドバイスされたそうです。
 そこで思い出したのは、米国の精神科医で催眠療法家のミルトン・エリクソンでした。
 エリクソンの診療所の裏にはスクォーピークという小高い丘があり、ハイキング気分で登れると言います。エリクソンファンとして、私も一度はスクォーピークに登りたいと思っています。エリクソンは患者に、よくスクォーピークに登りなさいという課題を与えていました。私はちょうどそれを思い出し、前述の方にその話をしました。
 自分の視野が狭くなっているかも、と思われた方は、時には高い所に登ってみられてはいかがでしょう。
 視野が広がるかもしれません。

204.対応カードが広がりました

2021.08.30

204.対応カードが広がりました

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
 さて、先週より、VISA,Master以外の写真のカードのお支払いにも対応出来るようになりました。
 元々非接触の会計システムなのですが、カードですとお釣りも受け取らずに帰れます。感染防御の観点からもご安心頂けるのではないでしょうか。
 診断書などが必要になって持ち合わせが足りなくなる方など、ご利用頂いてはいかがでしょう。
 当院では、お客様のご利用がしやすいように心がけて参ります。
 これからも当院をどうぞよろしくお願いいたします。

203.人生、皆、わが師

2021.08.29

203.人生、皆、わが師

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
 よく、対象となる相手を非難する気持ちが捨てられず、鬱っぽくなる人とのやりとりの中で、どういう心がけをするとよいかと聞かれることがあります。すぐには難しいのですが、「人生、皆、わが師」の精神ではどうか、と提案させて頂いています。
 どこかで聞いた台詞だったなと思い、きちんと調べてみますと、本当は、
「我以外皆我師(われいがいみなわがし)」 だそうです。
 これは、剣の奥義習得を目指した宮本武蔵を描いた際に、作家・吉川英治が書いたと言われています。
 何と、仏教や中国古典の中に原典があるわけではなく近代の日本人作家だったんですね。野球の野村克也監督も好んで使った言葉と言われています。
 イライラさせてくるあの人も、自分の未熟さを照らしてくれる光と思えるか、と言うことですが、私自身そう考えてばかりだと無理がある時もあるのですが、心が落ち着いて余裕がある時は、出来る限りそう考えられたら良いのかなと思っています。

202.隣の花が赤いのは

2021.08.28

202.隣の花が赤いのは

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
 鬱になりやすい方は、概ね自己評価が低いように思います。その特徴として、すぐに他人と自分を比べてしまうのがあります。もちろん、客観的な立ち位置を知ることは重要です。優れた人の実力を認めたり賞賛することも良いことです。
 その上で、自分は自分で頑張ろうと思えれば良いのですが・・・。
 残念なことに、他者を賞賛した後で、「しかるに自分は至らない」という論理に陥りがちのように思います。
 これを、隣の花が赤いのは鬱の入り口、かもしれません、と申します。
 世界一にならない限り、自分を認められない人は、たとえ世界一になっても、歴代のレジェンドと比べてしまったり、他分野の優秀者と比べてしまったりして、終わりがありません。謙虚さと向上心につながるのなら良いのですが、鬱の入り口になっている場合は、少し立ち止まっていただけないものでしょうか。
 ナンバーワンでなくオンリーワンというのは有名なアイドルグループの歌だったと思いますが、ご自身がご自身であること自体尊重されるオンリーワンなのだ、というのをもう一度思い出して頂ければと思います。その上で、ご相談の必要な方は、しっかりお話を伺わせて頂こうと思います。

201.自宅入院

2021.08.27

201.自宅入院

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
 しょっちゅう休業診断書をお書き申し上げています。パソコンの自動変換が文言を覚えてしまいました。
 別にご相談の言いなりに書いているわけではなく、心理検査を行って該当する場合に書いているわけですが、該当者が続出しているということです。  で、お休み下さい、と言った後によく聞かれるのは、家でどう過ごしたら良いでしょうか。ということです。
 私が勝手に作った造語なのですが、「自宅入院」という言葉があります。自宅で入院患者のように過ごして欲しいという意味です。ご飯が作れなくてもOK。手伝いしなくてもOK。無理に勉強しなくてもOK。そんな感じの意味です。
 鬱っぽくなると、家に居るなら家事をしなければ、とか、家に居るから自炊をしなければ、と思ってしまう人が居るようですがこれをやると却って疲れてしまいます。
 一方で、一日中寝ていたら良いかというとそうでもないと思います。昼夜逆転は好ましくありません。
 朝起きて、パジャマから服に着替えましょう。朝寝も睡眠リズムを崩すのでよくありません。日中は体を縦にしておいた方が良いです(それも無理ならしばらく臥床が続いても仕方ないですが、臥床した自分を責めないようにして下さい)。
 精神科や心療内科病棟の入院に準じて過ごします。人の作ったご飯食べて良いです。朝はラジオ体操したければしてもいい。日中は、作業療法士さんの活動に合わせたような、漢字クイズや数独とかで良いので疲れすぎない程度の活動をします。マンガが読める人はそれでもいいです。試験勉強はまだしません。
 お昼も大体昼頃に食べます。午後も卓球とかちょっと活動をします。ゲームも悪くないですが疲れすぎない程度にします。
 夜も人の作ったご飯で良いので食べて、お風呂と歯磨きもします。そして、一日の終わりに、無事に終わったことをねぎらいながら寝る。悪いことしなかった自分を認めてよしよししながら寝ることです。もし上手いこといかなかったことがあっても、あまりくよくよしないでよく寝て明日考えたら良いです。そうやって規則的に睡眠をたくさん取るようにします。お酒は飲みません(入院に準じます)。
 薬は看護師さんが飲ませてくれるかのようにきちんと飲みましょう。
 休まれる時は、「自宅入院」体制でお願い致します。

200.数学ガールのススメ

2021.08.26

200.数学ガールのススメ

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
 200投稿!キリ番です。・・・と言うわけではないのですが数学ネタになりました。
 様々なハラスメントや裏切りにまみれていると、厭世観というか、とてもこの世がいやになる瞬間があります。人間というのは不思議な生き物で、モーツァルトの音楽やミケランジェロの絵も生み出せば、環境を破壊したり核兵器も作ります。
 人間のだめなところを指摘しだしたら、これほど嫌なものはないかもしれません。しかし、同時にこれほど素晴らしいものを生み出せる知的生命体もないと思えます。
 音楽の他にもう一つ、純粋で美しく、大好きなものに、数学があります。数学は学問の女王と呼ばれています。今でもζ関数の行く末を気にしてみたり、数学読み物を好んで読みます。
 数学の世界は、個人の価値観や宗教観とは無関係で、論理のみに裏打ちされた美しい世界です。たまにはこのような感情を排除した、純なるものに触れてみたいものです。
 そんな折、数学に詳しい方に、「数学ガール(結城浩著)」をお勧めしてみました。読んでくれたら良いのですが。  敬虔なクリスチャンでもある著者は、数学の魅力を伝えるために読み物形式でこの本を書かれました。
 数学オリンピックなら金メダルクラスの、謎めいた切れ味ある美女、ミルカさん。ミルカさんほどの切れ味はないかもしれないが、数学の純粋性に惚れ込み自力で考察を深め、他者への説明も上手い名無しの主人公「僕」。
 そして、元気印で先輩である「僕」を慕う後輩テトラちゃん。計算力はまだまだかもしれないが、粘って一つ一つクリアーしていって数学の面白さに気づいていくもう一人のヒロインです。そして、1枚の紙で深い示唆をくれる数学教師村木先生。まだいますが大体この4人で進みます。1冊の本が一つのテーマで出来ており、ひょんなことからきっかけをつかんで、その分野を1冊で深めていく。そして、二人のヒロインの間に淡く揺れる恋心も少々(エロはなし)。数学の苦手な人は一つの小説として、数学のわかる人には、その深みにうならされるという二重構造になっておりおすすめの一品です。
 臨床雑感ですが開業して200人以上の方にお目にかかりました。この仕事していてびっくりしていてはいけないのですが、よくもまあこんなに悩める人がいらっしゃるものです。鬱っぽい話を聞いていると私も鬱をもらいそうになることもあるので、そういう時は数学ガールを紐解いてみたいと思います。

199.あなたは大切だ

2021.08.25

199.あなたは大切だ

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
 臨床家同士で話すことは時々あります。
 ある心理士さんが、来談者の方に、「相手にあなたを大切に思っている」と伝えたか?と尋ねてみた、と言うお話を伺いました。
 受け取り手の方も鬱に入っていると、どうせ便利だからでしょう?私の代わりなんていくらでも居るでしょう?なんて反応もする可能性はあるのですが、それでも、ド直球であなたを大切に思っている、って伝えたかは大事なんだとのこと。なるほどなと思いました。
 大切なら大切でまず思いを伝える。そして、ディティールが改善できるところは出来るところから歩み寄っていく。思いと実行を一致させた上で着実に伝える努力をする。そんなことも大切なのかな、と思いました。

198.子供さんの夜泣きへのささやかな工夫

2021.08.24

198.子供さんの夜泣きへのささやかな工夫

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
 私が大切にしている身体技法に、増田明氏が開発したと言われる「ボディートーク」という健康法があります。非常に興味深いもので、心身相関のヒントがたくさん詰まっています。
 小さなお子さんが夜泣きをするご相談を受けたことがあります。
 夜に泣く、のは、空腹、おしめ、寝苦しい(暑い寒い)などがありますが、どれでもない時は体に不具合が出ている可能性があります。不具合と言っても、小児科で検査しなければいけないような疾患と言うより、不安や緊張のアンバランスでしょう。
 もちろん、医学者として、身体所見や画像診断は重要で、そちらが優先されることは論を待ちません。
 それらが該当しないのであれば、緊張などはMRIを撮っても異常として写りません。
 そういう子供さんって、「言いたいことが言えない」などの何らかのストレスを抱えていることが多く、ボディートークで「言いたいことが言えない」のは胸椎4番、泣くことの切なさなどは胸椎3番に現れると申します。
 夜泣きの度に夜間救急に連れて行く親もいないと思います。
 夜泣きの場合、寝る前などに、胸椎3-4番付近に、「息吹き(いきぶき)」をすると良いかもしれません。
 頭を前にガクンとすると、首の付け根に出てくるのが頸椎7番になります。そこから背骨を数えて、3つめと4つめが胸椎3-4番です。
 ここに両手の人差し指と親指で、三角形を作って、子の背に当て、ぷーっと温かい息をパジャマなどの布に吹き込みます。たぶんくすぐったがります。数回やってほぐれたらおしまいです。。
 ここに温かさが加わってほぐれると、切なさや言いたいことが言えないストレスがほぐれるので、理屈上は夜泣きは減るんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。

197.私、先生を卒業しようと思います

2021.08.23

197.私、先生を卒業しようと思います

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
 先日ある方に言われました。
 随分と良くなられたようでした。また困ったら来るから、と言い残し、笑顔で去って行かれる時、心療内科のお仕事をしていて良かったなと思える時です。
 自分なりの方法で工夫して援助していた方でした。
 その方の未来に幸あれ、と願います。
 ハラスメントやトラウマ、虐待、いつも大変な話を伺う訳なのですが、巣立って行かれる瞬間に立ち会えると、この仕事をして良かったなと全ての疲れが軽くなります。そしてそれをモチベーションとして、また現場で頑張ろうと思うのです。

196.他者の存在

2021.08.22

196.他者の存在

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
 オカリナを思う存分吹きたいと思うこの頃ですが、20日から再度緊急事態宣言が発出されてしまい、飲みに行くこともままなりません。前回、仲間と飲みに行ったのはいつだったろう(遠い目・・・)。
 思えば、勤務医時代、昼休みに中庭で毎日のようにオカリナを練習していました。練習です。あくまでも。コンサートではありません。
 デイケアや外来の患者さんが示し合わせてそれを聴きに集まって下さるようになり、調子に乗るとリクエストコーナーを開催したり、でも、結構難しいのをリクエストされて、宿題にさせてもらったり、していました。
 精神障害をお持ちの方でも、というか、そういう方こそ、純粋な一面を持っておられます。彼ら彼女たちが私に純粋に接してくれるのは、むしろ私の方が癒やされていた気がします。
 リクエストに応えてぶっつけ本番で演歌をやっても、リクエストしてくれた方はとても喜んでくれていました。  そう、音楽活動には、それを聴いてくれる他者の存在が不可欠です。
 もうその頃に戻ることはありませんが、音楽を奏でる時、聴き手の存在というのは本当に貴重なのだと思いました。
 他者の存在とは、もちろん、過干渉だったり圧迫的な場合は困るのですが、支持的な他者の存在は本当に自分の助けになります。それらの支えとなる他者を大切にするためにも、感染拡大を防ぐために、集まるのを控えなければならないという、なんとも難しい時代になっています。
 そんなこんな考えながら、いつも、他者の存在に敬意を払いながら、臨床の現場に立とうと心がけています。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分