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200.数学ガールのススメ

2021.08.26

200.数学ガールのススメ

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
 200投稿!キリ番です。・・・と言うわけではないのですが数学ネタになりました。
 様々なハラスメントや裏切りにまみれていると、厭世観というか、とてもこの世がいやになる瞬間があります。人間というのは不思議な生き物で、モーツァルトの音楽やミケランジェロの絵も生み出せば、環境を破壊したり核兵器も作ります。
 人間のだめなところを指摘しだしたら、これほど嫌なものはないかもしれません。しかし、同時にこれほど素晴らしいものを生み出せる知的生命体もないと思えます。
 音楽の他にもう一つ、純粋で美しく、大好きなものに、数学があります。数学は学問の女王と呼ばれています。今でもζ関数の行く末を気にしてみたり、数学読み物を好んで読みます。
 数学の世界は、個人の価値観や宗教観とは無関係で、論理のみに裏打ちされた美しい世界です。たまにはこのような感情を排除した、純なるものに触れてみたいものです。
 そんな折、数学に詳しい方に、「数学ガール(結城浩著)」をお勧めしてみました。読んでくれたら良いのですが。  敬虔なクリスチャンでもある著者は、数学の魅力を伝えるために読み物形式でこの本を書かれました。
 数学オリンピックなら金メダルクラスの、謎めいた切れ味ある美女、ミルカさん。ミルカさんほどの切れ味はないかもしれないが、数学の純粋性に惚れ込み自力で考察を深め、他者への説明も上手い名無しの主人公「僕」。
 そして、元気印で先輩である「僕」を慕う後輩テトラちゃん。計算力はまだまだかもしれないが、粘って一つ一つクリアーしていって数学の面白さに気づいていくもう一人のヒロインです。そして、1枚の紙で深い示唆をくれる数学教師村木先生。まだいますが大体この4人で進みます。1冊の本が一つのテーマで出来ており、ひょんなことからきっかけをつかんで、その分野を1冊で深めていく。そして、二人のヒロインの間に淡く揺れる恋心も少々(エロはなし)。数学の苦手な人は一つの小説として、数学のわかる人には、その深みにうならされるという二重構造になっておりおすすめの一品です。
 臨床雑感ですが開業して200人以上の方にお目にかかりました。この仕事していてびっくりしていてはいけないのですが、よくもまあこんなに悩める人がいらっしゃるものです。鬱っぽい話を聞いていると私も鬱をもらいそうになることもあるので、そういう時は数学ガールを紐解いてみたいと思います。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分