1177.アルマカフェコンサート20240429
2024.04.30
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
昨日昭和の日は、室見の和光音楽アカデミーにて、アルマカフェコンサートに出演して参りました。
カサドゥシュ作の、J.C.Bach風コンチェルトの第一楽章を、ピアニストの嶋田ヒロさんと共に演奏して参りました。
アルマカフェコンサートは長く続く年に3回行われるみんなのためのコンサートで、歌、アコーディオン、コントラバス、ピアノソロ、オカリナ、クラリネット、など、楽器を問わずに楽しめるオムニバスの演奏機会です。あまり大きな音の出る打楽器は和光音楽アカデミーの規定で不可なので、もし、出たい方があれば、同コンサートの規定をご覧頂ければと思います。
人前での演奏機会はとても貴重であり、また、常連と呼べる人とも仲良くなり、お互いの成長点について切磋琢磨し合える利点があります。
本番というものはやってみるとそれなりに反省はあるのですが5月11日のさわらオカリナフェスティバルに向けて、一つの準備は出来たかなと思っています。今後も音楽も頑張って参りたいと思っています。
1164.テレビやSNS
2024.04.17
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
改善傾向になってくると皆様、充実していると仰いながら、TVやSNSをしている暇がないと仰ることが多いような印象です。TVなども見たい試合や映画などがあれば別ですが、漫然と点けていても、人生にとって有益とは言いがたいのではないかと思います。勉強などやらなければならないことが一杯あると、それらのものは見ている暇がなくなるはずです。
ニュース番組は大体事件や事故を報告しており、ノーベル賞受賞や大谷選手のホームランなどポジティブなニュースは限られていることが多いです。SNSも他人のリア充ですから、状態が悪いとうらやんだりやっかんだりしてしまいます。状態が良ければ友人の充実を喜べる訳ですが。
必要最低限な世の中の流れには敏感であるべきかもしれませんが、よほど重要なことであれば報道されるでしょうから、テレビやSNSに必要以上にアクセスしすぎない、ということも心身の健康を保つのに大切なことかもしれません。
みなさんはテレビやSNSとどのような距離感でお過ごしですか。
1163.悪いことを考えてしまう
2024.04.16
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
悪いことを考えてしまう、というループに嵌まっている方に、「では、その悪いことが起こったらどうするつもりですか?」と問いかけてみると、案外、何も答えられなかったり、さほど有効でない対処法が出てきたりということがあります。
考えてしまう、という割には、意外に実際にどう対処するべきなのかという検討がなされていないことが判ります。
良くあるのはどうしようどうしようというループを回っているだけに過ぎず、何ら有効打を打ち出せていないということになるでしょう。頭脳ゲームでは、下手の考え休むに似たり等と言ったりします。
悪いことを考えてしまう場合は、
・ネガティヴなモードになってしまう
・効果的なコーピングを生み出せていない(生み出せたならばそこで悪い考えを終えられる)
・悪い気分が継続する、さらに不安を生む
など、良い効果がありません。
ですので、ベランダに出て風に当たる、ちょっと買い物に行く、シャワーを浴びる、などとにかく場面を切り替えた上で、悪いことを考えてしまうループは割と物理的な環境調整で遮断してしまい、平常運転に舵を戻すことがお勧めです。
1162.餅まき
2024.04.15
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
姪浜の方で、相棒も開業することになり上棟式が行われ、餅まきがありました。
餅まきには、駐車場に入りきれないほどの人たちにご来場頂き、大盛況でした。
当院は既に出来ていたテナントに入居したので餅まきなどはなかったのですが・・・。
ともに地域医療への貢献を心がけて参ります。どうぞよろしくお願いいたします。
1161.40代以降は、生理的に中途覚醒が起こる
2024.04.14
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
当院にお越しの方は、そもそもストレスを抱えておられる方が殆どですから、訴えの中に不眠が含まれることも珍しくありません。
睡眠構築~メジャースリープを調べると、20代は深く眠り中途覚醒がないのに対し、40代に入ると、深く眠ることは可能でありながら数回の中途覚醒が脳波上は起こっています。脳波上は覚醒になったからと言ってもいちいち目をぱちくり開けて起き出すかと言うとそうでもなくて、慣性でそのまま寝続けることの方が殆どですが、1~2回は起床してトイレに行ったりすることもあるようです。
女性の場合は妊娠希望などだと睡眠薬は控えるべき所もありますが、男性や、挙児希望のない女性など問題がないのであれば多少睡眠薬を使用してでも良好な睡眠リズムを得ることは重要なのかもしれません。
1160.ポリヴェーガル理論が分かる本
2024.04.13
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
大分方面で臨床心理士として活躍を続けておられる、吉里恒昭さんは若かりし頃九大心療内科のセミナーでお会いし、その後意気投合して、私どもが主催する研修会に勉強に来て頂いたり、意欲的にたくさんのことを学んでこられた素晴らしい心理士さんです。ちゃんと研究もしていて医学博士も取得されています。
そんな彼が、八谷隆之さんとDMWという会社を立ち上げて、現場に届く支援活動をしながら、最近流行っているポリヴェーガル理論についての本を書かれています。ポリヴェーガル理論は、今まで迷走神経が、交感神経と副交感神経の2種類だった、という考えから、副交感神経であるところの迷走神経を、腹側と背側に分け、さらにそれをわかりやすくデフォルメして、赤・青・緑の3態の状態に落とし込んで説明しているものです。
ポリヴェーガル理論についての言語という意味で、彼らはポリ語と称しています。
九州大学でも一度、吉里恒昭さん&八谷隆之さんで、ポリ語に関する研修を行って頂いたことがあります。
そんな彼も著書が3冊目。3冊目の本は、なんと謹呈して下さいました。
わかりやすい本なので皆様にもお勧めさせて頂きたいと思います。
やる気がある状態、鬱っぽく静かな状態、中立で心穏やかな状態の3つをいかに自分に最適化して己をコントロールしていくか、そういうノウハウが得られればと思います。
本のリンクはこちら
1159.小林愛実さんリサイタルへ
2024.04.12
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
先日、ショパンコンクールで4位入賞された、小林愛実さんの福岡リサイタルへ行って参りました。
CDも購入して、間近でサインも頂きました。
アンコールも3回ほど弾いて下さって、滅多にしないというMCも聞けましたし、サイン会もあり、大サービスでした。
このレベルになると息をするように流れるような旋律が指先からこぼれてくる感じで、繊細微妙な表現が自由自在で非常に高いクオリティだったと言えます。何でも15歳でデビューコンサートをしたのがアクロス福岡だったんだそうで、若い頃から天才少女の名を欲しいままにしてきた人はレベルが違うなぁと感激して参りました。
私もささやかながら音楽活動をしている身・・・。
比肩するには全く及ばないのですが、良い刺激を受けました。常に目標は高く持ちながら、背筋を伸ばして臨みたいと改めて思いました。
1158.CHIME
2024.04.11
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
当事者が希望する人生に向けてのプロセスを示す「リカバリー」の概念は、1980年代から当事者たちから始まったと言います。リカバリーは現在次の三つに分けて理解されているようです。
1.パーソナル・リカバリー
2.臨床的リカバリー
3.社会的リカバリー
パーソナル・リカバリーとは、他者との関わりや将来像を含めて、本来のリカバリーの概念を引き継ぐものとされ、臨床的リカバリーは、症状の改善や認知・社会機能の工場など臨床家主導で目指すものといわれます。
社会的リカバリーは、衣食住、就労を表すようです。
Leamyらは、パーソナル・リカバリーを5つの要素からなると論じています。
1.Connectedness つながり
2.Hope ando optimism about the future 未来への希望と楽観
3.Identity 自分らしさ
4.Meaning in life 生きることの意味
5.Empowerment エンパワーメント
1.Connectednessは、他者からのサポート、ピアサポート、サポートグループなどで、コミュニティの一員であることや人間関係を指します。
2.Hope ando optimism about the future 未来への希望と楽観、は、リカバリーの可能性への確信を持つことや、変化への動機を持ち、希望に満ちた人間関係を構築すること、前向きな思考と成功の価値観を持ったり、夢や願望を持ったりすること。
3.Identity 自分らしさ、は、アイデンティティの肯定的な感覚の再構築・再定義を行い、スティグマの克服を行うものです。
4.Meaning in life 生きることの意味は、生活の質を高め、有意義な人生と社会的な役割を持つこと、精神疾患を経験した意味を理解し、自分の人生を再構築していき、有意義な人生と社会的目標を持ちながら、魂の充実という意味でのスピリチュアリティを持つこと。
5.Empowerment エンパワーメント、は、強みに焦点を当て、個人の責任において、人生のコントロールをして行くこと、と言えるようです。
回復の過程に、医師や看護師・心理師などのサポートが必要でしたら、お気軽にご相談頂ければと思います。
1157.薬物と新生児不適応症候群・糖尿病
2024.04.10
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
新生児不適応症候群とは、妊娠中に妊婦が服用した薬剤が胎盤を通って胎児に移行し、出生時の新生児に様々な症状を起こすものを言います。具体的な症状としては、振戦、嗜眠、筋緊張の低下や亢進、痙攣、易刺激性、呼吸異常、嘔吐下痢、哺乳不良などがあります。
新生児不適応症候群は単剤より多剤を用いた場合に多いと報告されています。そもそも、精神科治療でも単剤の方が望ましいと言われていますが、妊娠期に向精神薬を用いる場合、さらに慎重にこの原則にならうべきと考えられています。
また、糖尿病については、オランザピン・クエチアピンで妊娠糖尿病の増加が言われています。
ベンゾジアゼピン系は抗不安薬・睡眠薬のかなりの割合を占めますが、流産の危険性が増えることが指摘されています。
他方で、薬剤の危険性を考える場合、「薬を使用しないことによる危険性」も検討する必要がある。
統合失調症や双極性障害、内因性うつ病に関しては、妊娠期においても原則は「治療を継続する」べきとされています。治療の中断により、統合失調症や双極性障害は高確率で再発し、再発することで育児が困難になることもあります。
双極性障害ではバルプロ酸・カルバマゼピン・炭酸リチウムは避ける必要があるため、ラモトリギンなど比較的安全な薬をしようするか、病状に応じて他の抗精神病薬を用いることもあります。
当院では、これらのエビデンスに基づいて、皆様から伺ったニーズに寄り添いながら薬物療法も検討して参りたいと思います。
1156.妊娠期の薬物療法
2024.04.09
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
一般的に妊娠期に最も懸念されるリスクは、薬物による催奇形性と思われます。催奇形性のある薬として知られているのは、バルプロ酸、カルバマゼピン、炭酸リチウムです。これらは、てんかんや気分障害の方には重要なお薬として知られています。
先天異常の一般的な発生率は3%とされ、先天異常のリスクが増える割合は、バルプロ酸で3倍、カルバマゼピンが1.3倍、炭酸リチウムが2倍と言われています。
そのため、これらのお薬は第1三半期(妊娠12週まで)には使用しない方が良いと言われています。
また、バルプロ酸は出生後の児の認知機能の低下や自閉スペクトラム症、ADHDと関連することも指摘されています。
これらのリスクから、妊娠可能性のある女性にはバルプロ酸は安易には処方しない姿勢が重要です。
他方、使用しないことによるリスクもあるため、原則的に治療を継続することが重要視される場合もあります。
他の異常も含めて次項に続けて取り上げていければと思います。