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835.交叉耐性

2023.05.28

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 みなさんは交差耐性という言葉をお聞きになったことはありますか。
 日本救急医学会のHPによりますと、

ーある薬物に対して耐性が形成された時に,その薬物と類似の構造や作用を有する他の薬物に対しても耐性が生じることを,とくに「交叉耐性」という。ー

 と書かれています。

 こう書かれていると大変難しいような印象もありますが、良くあるのは睡眠薬や抗不安薬として用いられているベンゾジアゼピン系の薬物とアルコールの交叉耐性です。

 逆に、アルコール依存に陥った方は、ベンゾジアゼピンを適量用いて漸減していくことで離脱が可能となることも知られています。これの原理は、厚労省によりますと、ベンゾジアゼピンはアルコールと同じく脳内のGABA受容体に作用部位を持ち、アルコールとの交叉耐性を用いて離脱症状を軽減する、ということのようです。

 離脱症状の軽減にも使えますが混ぜて飲んだら溶媒として機能して、悪酔いする恐れもあります。

 お薬を処方されている場合は飲酒を控え、出来る限り指示通り内服して頂ければと思います。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分