749.そこを何とか
2023.03.04
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
どなたの書いた本で読んだのか忘れてしまったのですが、「そこを何とか」と拝み倒すお願いは聞かない方が良いし、それを言う人とは付き合わない方が良い、と書いてあったと思います。
これはなるほどとも思いましたし、私も本当にそう思うので、以後自分でも心がけています。
そこを何とか、が出て来る時は、スケジュールや金額が既に目一杯だと言う定時を当方が行っている時です。それに対して交渉相手がどうにかなりませんか?とごり押ししている時にそこを何とかが発生する訳です。
既に無理だと言っているのに引き下がってくれないのでそもそも、相手に提示済みの条件を飲んでもらうか、こちらが無理をするかと言うことになります。
無理をするというのは具体的には、先約をお断りするなり、時間外に枠を設けて設定するなりの無理をすることになります。先約を断ったり移動するとその分、先約先からの信用を失います。例え快く応じてくれた時でも一つ借りを作る訳なので、次回、先約先からの無理を一つ聞くなりして、借りを返す必要が出てきてしまいます。その歪みの処理について、そこを何とか、とお願いする人が処理してくれる訳ではありません。
そこを何とか、というならば、規定の三倍を支払うなど特急料金を支払ってくれるなら時間外労働の可能と思われますが、得てしてそういう相手に限ってそういう配慮が行き届きません。そこを何とか、に応じて良いのは特急料金や特別料金があれば、それに見合う物だと判断できる時だけでしょう。
そこを何とか、をやるのが議員さんなり権力者だと事態は最悪です。不満を持っても聞くしかないし不満顔も出来ません。
そこを何とか、という人はその背後の数多の調整については知らぬ顔の半兵衛な訳です。そもそもそこを配慮できる人であればそこを何とかなんて言いません。
そこを何とか、と言ってくる相手は、その場で断るか、それを最後に縁を切って良いと思われます。
748.土を頂く
2023.03.03
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
晋の文公、重耳と言えば、傑出した覇者であることが知られています。この諡(おくりな)は、文が再考とされており、武が2番目くらいになります。ダメな王様だと霊王とか、ひどい諡を付けられますから。
しかしこの文公、君主になったのはなんと62歳という所謂定年後です。
長兄が自殺に追い込まれ、弟に先に就位され、と、それまで、君主の継承権があるというだけで、様々な国を流浪していた訳ですから、なかなか大した人なのでしょう。
その重耳が、ある時、ある国に入って食事を恵んでもらえないかと無心した所、土地の農民に器に盛った土を出されたそうです。
お腹のすいた時に土を喰わせようってくらい、土民にバカにされたわけですから、流石の名君、重耳も、この時ばかりはカッとしつつもこらえたそうです。所が後に大臣になる腹心がすごいリフレーミングをしました。
「主よ、これは、吉兆ですぞ」
農民に土盛りのご飯?を差し出されたことの何が吉兆だと言うのでしょう?
「この国に入って最初に出遭った農民が、この土地をくれたのです。この土地はいずれ主の物となりましょう」
62歳まで放浪に付き合う家臣も、なかなか出来た人なのです。そして、それが暗示だったのか、後に覇者となった時、その土地は文公の支配下になったのだそうです。
君主の継承権でもない限りなかなかこんな大逆転はないかもしれませんが、相手の悪意に見えたことも、その先の天命なのかもしれない、という風に見ていくと、不思議なことに、長大な時間の流れの中では吉兆と捉えることが出来るのかもしれません。
それを、悪意だけで傷ついたり、カッとして相手をやっつけたりせず、辛抱しながら、その底辺にわずかに光る天命を見いだせたならば、どんな逆境も力に変えられるのでしょう。その辛抱と徳の積み方こそが、文公を戦国春秋一の名君にした力だったのかもしれません。我々も怒ったり拗ねたりしそうな時、文公の何万分の一くらいは、こらえてみた方が良いのかもしれません。
747.メラビアンの法則
2023.03.02
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
メラビアンとは、米国の心理学者、アルバート・メラビアンです。好意・反感などの態度や感情のコミュニケーションを扱う実験から、人に好印象を与える会話のヒントとして広がった考え方です。
対人コミュニケーションには3つの要素があるそうです。すなわち、
・言語Verbal
・聴覚Vocal
・視覚Visual
です。
言語とは、話の内容や言葉の意味であり、聴覚は、声の大きさ・口調・話すスピードなどです。視覚というのは、見かけ、姿勢、表情や視線の動き、ジェスチャー等です。
相手の感情や態度を判断する情報は、言葉が7%、聴覚が38%、視覚情報が55%だったそうです。3つのVを取って、3Vの法則とも言うそうです。
だからといって見かけだけ良ければ良いかと言うことはなく、これらの全てを用いて良質なコミュニケーションを取ることが望ましいと言われています。
治療的面接においても、これらのことも意識しながら、よりみなさまのお役に立てるよう、務めて参ります。
746.受験は総合力
2023.03.01
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
受験生の親御さん、という方のご相談も承っています。
先日、国立大学の前期二次試験が終わりました。
以前から時々受験生の親が出来ることは家庭円満にすること、美味しいご飯を食べさせること、学費を出すことくらいしかないとは書いていますが、改めて受験は総合力だなと思います。
親が良い学歴を付けることに反対したり、東京の大学に行くことを経済的にも渋ったり、色んな事情で夢が叶わない人がいます。また、自分が勉強しようとしても家庭が不和だとなかなか集中できません。ある学部でないと認めないとか、親の望まない進路には月謝を出さないとか、親の権力を振りかざして進路を強制する親もいます。
家庭の和も、経済も、食事のバランスも、また、そういう環境で耐えていける精神力も、全ての総合力なのだろうなと思います。環境を整えても、本人の能力や努力が足りなければ難しいですし、能力勝手も環境・体力・精神面の未熟さなどから力が発揮できないこともあります。
劣悪な環境から一流大学へ行った人もいますし、環境を整えても努力が及ばなかった人もいるでしょう。
結局は自分が頑張るしかありませんし、応援する側は環境調整くらいしか出来ません。
それらも含めて総合力なんだろうなぁと思いました。
そして、3月上旬の合格発表まで、後期の勉強などをしながら準備をする。受かってると思っても、コツコツ後期の準備もしておくような姿勢を持つような人が結局通っていくようです。
とりあえず、今年の受験を乗り越えられたご本人やご家族にねぎらいの気持ちをお届けしたいと思います。
745.佐々木雄二先生
2023.02.28
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
心療内科に於いては自律訓練法は非常に重要な技法です。
日本でも自律訓練学会があり、正規の自律訓練法を修得し普及できるようにしています。
その自律訓練学会で長らく指導をされてこられた、名誉理事長、佐々木雄二先生が22日にお亡くなりになったそうです。
池見酉次郎教授の7人の侍と言われた初期の弟子であり、筑波大学の心理学系、駒澤大学の心理学系で長く教鞭を執られ、現在の坂入洋右理事長を始めとして優秀な研究者や臨床家を輩出した名伯楽でもあります。
国際サイコセラピー会議の主催もなさったのも大きな仕事でした。
いつも温厚で優しい先生だった印象がありますが、最近は闘病されていたのかあまり学会でお姿を拝見出来ませんでした。
心療内科の第一世代はもう亡く、第二世代の先生方もぼちぼち世を去られ始めています。
少々寂しいことではありますが、教えて頂いたことをまた現場で還元出来るよう、気持ちを新たに臨床に臨みたいと思っています。
744.善意で解釈する
2023.02.27
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
ちょっと注意喚起したはずが、受け手が責められたと感じてしまい、そんなつもりはなかったのだけれど、ということは良くある話かもしれません。
ちょっとのはずが客観的には手厳しかったのかもしれませんし、本当にちょっとだったのだが受け手が過敏だったのかもしれません。ケースバイケースとも言えるのですが、鬱や適応障害でご相談に来られる方の多くは、そのような注意喚起を厳し目に解釈してしまう傾向が強いように思います。
書類の訂正が細かい場合も、自分に気づかない所を指摘してくれたり、最終的には公的な所に通しやすくなっているのかもしれません。自分の気づかない点を指摘してくれるのはある意味サポートを得られているとも考えられるでしょう。指摘された、ということに過敏に反応せず、成長ポイントだと受け止めてありがたいと思っていくだけで受け取り方は随分変わります。
相手からのアプローチを善意で解釈するように癖を付けておくと、鬱にはなりにくいかもしれません。
743.朝寝を避ける
2023.02.26
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。日々元気に営業しております。
眠れないとか昼夜逆転を訴えられる方のお話を詳しく伺ってみますと、時に朝寝や二度寝をしてしまうという話に行き当たることがあります。
ありがちなのは主婦の方などが、夫や子供を会社や学校へ送り出し、洗濯物を干し終わった辺りでやれやれと9時頃から再度床に潜ってしまうケースです。午前中、眠いからと言ってまるっと寝てしまうと、これで一気に睡眠リズムが狂ってしまうと言われています。
寝不足の時でも定刻に起きて、出来る限り普通に過ごし、その夜早めに休む方がお勧めです。
どうしても眠ければ、シエスタと言って昼寝になる訳ですが、これも2-30分以内にするようにというのが睡眠の医学では通説となっています。
入眠困難などで不眠がちの方は、お薬を増やす前に、朝寝などがないか、チェックして頂ければと思います。
742.食事を大切に
2023.02.25
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
面接道場などと言って心理面接技術の向上を志す臨床心理士さん達を時々指導させて頂いています。
メンバーの内、おめでたいご結婚という話がいくつか出たので、これまでの付き合いの長さに応じて、色んな調理器具をお贈りしてみました。
調理道具というのは不思議なもので、利便性を知らないと全く必要性を感じないのに、こんなに便利、こんなに素晴らしいと知ってしまうと、どうして今まで使わなかったのかともったいなく思ってしまいます。
圧力鍋や低温調理器、マイコン付のコンロ、万能なホットプレートなど、色んなものがあります。私の知らない物もきっと出てきているに違いありません。
いずれにしても、新しい生活を送るのに、食事は最も基本となる物。食事を美味しく、効率よく、バランス良く摂っていくことは家庭円満の基礎となりましょう。特に放置しておいて調理が進む道具などは、料理に対する面倒くささを改善してくれます。
食事のバランスなどを考えたい時、調理器具の充実などに目を向けるのも一つの手かもしれません。
741.50歳を過ぎても
2023.02.24
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
年齢を重ねると、だんだん柔軟性を欠いて、細かいことを面倒がってしまう場合があります。
また将棋のネタで申し訳ありませんが、棋士でありながら観戦記者でもあった河口俊彦さんは大山名人をこう評します。
「少なくとも名人でいる間は、大山は悪役だった。棋士の大半が好感を持っていなかった。しかし、五十歳を過ぎ、会長になってから人間が少し変わった。ファンに誠意を持って接し、サービスの限りを尽くした。晩年はファンからの大山の悪口を聞いたことがない。」河口俊彦。
今も、普及に尽力した人に与えられる賞は、「大山康晴賞」と言うそうです。これはアマチュア棋戦で優勝したとか、強さを表す指標ではなく普及への貢献で表彰されるものだそうです。
喫煙者だったのに健康に悪いと言われたらその日にパタリとタバコを止めた、というエピソードでも知られる大山名人ですが、五十歳を過ぎてからファンサービスを高く意識して人柄も変えていったようです。
人間いくつになってもその気になれば変化するものなのだなぁと感心しました。
自分が変化しにくいことを年齢のせいにせぬよう、私自身も自らを戒めて行きたいと思いました。
740.巨匠の復活
2023.02.23
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
今、将棋の王将戦が熱いです。
タイトルを獲得できれば通算100期という前人未踏のタイトル数になる羽生九段。
片や、迎え撃つのは棋王を取れば6冠になろうかという歴代最強の名も高い、藤井竜王(5冠)。
将棋の世界はどういうわけか24年前後の周期で、「時代を作る」大棋士が出てきました。
大山康晴名人(十五世)、中原名人(十六世)、羽生九段(十九世名人有資格者)・・・。
この3名が24年周期くらいの差なのですが、大山ー中原のタイトルマッチは何度かあります。それは、大山十五世名人が69歳で癌で亡くなるまで、実力でA級に在位したまま、というあり得ない活躍期間の棋士だったことも一因です。他方、中原名人は脳梗塞に倒れ、引退が早かったため、中原ー羽生戦は、対局そのものはあったのですが、タイトルマッチで対峙することはありませんでした。
中原~羽生間に谷川十七世名人と、羽生~藤井間に渡辺明初代永世竜王がいて、この2名も大棋士ではあるのですが、無敵になっていた期間がないと言われています。個人によって見方は変わるのですが、タイトル数等では、大山・中原・羽生、そして藤井という風に見做されています。
その藤井聡太竜王と羽生九段は32歳の年齢差があります。
スポーツではおよそあり得ない年齢差対決になる訳ですが、羽生九段は王将リーグ全勝優勝という偉業で挑戦してきました。
しかしAI超えとすら言われる藤井さんにどこまで勝てるかは正直未知数というのが下馬評だったと思いますが、4局指して現在2-2のタイ。これは藤井聡太五冠がタイトルマッチをしていて、五分の星というのはこれまで、叡王戦で豊島叡王から3-2で奪取した時しかなく、非常に珍しいことになっています。
元奨励会員YouTuberのアユム氏によると、奥様の激励によって、羽生九段の意識が変わったのではないかという説明がありました。実際に、発言内容も、諦めムードから踏み込んだ内容に変わってきたと言います。
意識を高め直して、研究してきたことにより、最近の羽生さんの将棋は、カミソリのような切れ味が復活してきている印象です。
歴史を作るようなプロでも、意識を高め直すとまた変わるのかもしれません。
いずれにしても羽生九段の復活はファンにとっても喜ばしいこと。王将戦の行方がどうなるかは分かりませんが、質の高い勝負をファンとして楽しみたいと思っています。