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1075.胎児のポーズ

2024.01.23

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 なかなか寝付けないことってありませんか?

 私の場合あまり良くないことですがお酒に頼ってしまうことは正直あります。けれども、飲酒は、睡眠ステージの3~4段階を消失させますし、3~4段階は嫌なことを消化するのに必要な睡眠相であり、飲酒行動はあまり褒められたものとは言えません。

 そういう時に睡眠薬、というのが並のクリニックの対応ではあろうと思いますし、それは正しいです。

 ただ、他の方法もないわけではありません。

 抑肝散や抑肝散加陳皮半夏などは、漢方でありながら不眠の治療薬として承認されていますし、ベンゾジアゼピン系を投与しにくい児童・生徒のみなさんにもこの辺りの薬で対応させて頂くことは良くあることです。

 睡眠薬も、漢方薬も出来れば飲みたくない方には、胎児のポーズなどいかがでしょう。

 至急に鎮座していた頃のように膝を折り曲げて丸くなり、横臥位で横になり、なるべく自分を安心させながら深く呼吸をするのです。すると胎児のポーズが効果的なのか分かりませんが、案外よく眠れることがあります。

 横になって伸びていても、なかなか寝付けない方には、一度、胎児のポーズでお休みになることもご検討頂ければと思っております。

1074.アシスタント

2024.01.22

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 前任病院時代から、書類作成は1~2を争うスピードでしたし、残務書類がないのが私のプライドでもあります。前の病院の偉い先生は、天井に届くほど書類をためてしまう方もおられました。
 精神科臨床に於いては、精神障害の診断書、年金の診断書、休業診断書、復職診断書、訪問看護指示書、生保の書類、傷病手当主治医意見書、エトセトラ、エトセトラ。
 精神科に於いては書いても書いても書類の山。

 かつて将棋の強い棋士が、辿り来て未だ山麓、と名言を残したことがありますが、目を離すといつの間にか書類が数倍に増えるという日常であり、メンタルクリニックの臨床は本当に大変です。
 
 そんな中でも、当院では、お預かりしてから1週間以内に書き上げる、と皆様にお約束しており、遅れたことは一度もありません。

 私自身も努力を重ねていますが、それを支えてくれているのは優秀な看護師や心理士のスタッフ達です。書類と言っても、御本人の御氏名、生年月日、ご住所など、誰が書いても良い箇所もあります。そういう部分はスタッフが、非常に熱心に私を助けてくれていますし、私が書けたつもりでいた不備のある書類も、院内でチェックしてくれて完成することも多々あります。

 そうやって、当院では寄り添う精神に優れた看護師や心理士が、書類作成の面でも優秀なアシスタントとして私を支えてくれています。皆様にご提供申し上げる書類は、院長以下スタッフ全員の努力で、1週間以内のお返しを成立させています。優しそうな看護師さん、心理士さん達も、患者さんが少ない時や、目立たない陰の仕事でも、とても沢山仕事をしてくれており、皆様の回復を支えようと、実臨床のみならずバックヤードでもアシスタントをしてくれています。私自身、患者さんによりそう精神と、きちんと書類を捌いていく精神を両立させてくれているこのスタッフ達がお気に入りであり、今後も、彼女たちの努力を目に見える形で、皆様に完成された書類としてお渡しするよう務めております。

1073.正義感でご飯は食べられません

2024.01.21

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 電車やバスの待ち列に横入りする輩には腹が立ちますよね。
 義侠心のある人はそういうルール違反を犯す人に注意したりします。

 それはそれで正しい行動であろうし、誰かがたしなめるべきかもしれません。私はそういった行動が間違っているとは思いませんし、可能であれば空気のように周りにいた人も、望ましい行動があれば、ギャラリーとしても応援して上げて欲しいとも思います。

 ただ、注意した人本人の損益を考えますと、だいたい損です。

 私自身、父から、「義を見てせざるは勇なきなり」とか、「正しいことを言って上げられるのが真の愛情だ」なんて教育を受けてきたせいか、そういう所で言いに行きがちなキャラクターに育ちました。でもそれって、無益有害といいますか、あまり良いことないんです。

 注意を受けた悪漢からは反発されたり、恨まれますし、運が悪いと暴力を受けるリスクもあります。例え暴力がなかったとしても変な理屈で言い返されて議論になるのも、深い感情という意味でも損だし、時間を取られます。
 例えば、10分後に自分が責任者の会合があるとしましょう。その時に、悪漢を注意するでしょうか。もちろん、緊急的な場面であればそれもありかもしれませんが、他人であったものが当事者になるほどの労力にリターンはほとんどないと言えるでしょう。刃傷沙汰がなかったとしても、言い返されたり不快になったら、次の会合のメンツに悪影響を及ぼしかねません。
 責任者になるということは、次の会合をスムーズに進める責任もあるわけですから、殴られたボクサーみたいな顔で会合には行けません。

 他人に正義感を表明しても良いことはあまりありません。

 その時は、お月謝精神で、お月謝をくれない人にはアドバイスはして上げない、と考えてスルーするのが時間も労力も無駄が省けます。正義感は腹の足しにならないということです。

 萎縮的に生きて、不条理なものをスルーして良いとまでは言いませんが、介入するには時間も労力も掛かるため、一々黄門様のように助さん格さんの助けが得られるわけでもありませんし、葵のご紋と前の副将軍・・・で万事解決するわけでもありません。むしろそういう解決はレアだからドラマになる訳です。

 目の前の事象に正義感を振りかざして嫌な思いをした経験のある方は、少し費用対効果も見直して頂いてはいかがでしょう。

1072.赤鬼

2024.01.20

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 かつて日本代表を率い、激情を伴う指導は「赤鬼」と称された、フィリップ・トルシエ監督も今や68歳。イケオジな姿を見せてくれましたが、現在はベトナム代表として活躍しています。
 日本を熟知した同監督は、Aマッチ10連勝の日本を相手に、新興国のベトナム監督として、10回中、9回は負けるかもしれないが、勝てる1回が今日かもしれない。その努力をする、というコメントだったと思います。
 そして、何と2-1と日本をリードし、結果逆転して4-2で日本が順当勝ちしたものの、ドイツが4-1でホームで日本に負けたことを踏まえて、ベトナムのファンの間では、ドイツより1点多く取ったから、ベトナムの方がドイツより強くね?みたいな変な喜び方をしている論調もあるようですし、トルシエ監督の戦術をしならかった新戦力の中心である久保建英選手も、トルシエ監督の魔術を見たと絶賛していたようです。まあ、今回は日本代表は、三笘も久保も、富安も上田もいませんでしたから、1軍だったかと言えばそうではなく、ドイツより上、という論法はベトナム国内では受けるかもしれませんが、日本代表もフルメンバーとは言えなかった可能性があります。

 浅学非才の我が身から言えば、「ジャイアントキリング」とか「10回に1回の勝利を今日に」という考え方はとても励みになるものです。実際に日本をヒヤヒヤさせて、久保建英選手の投入を余儀なくさせたわけですから、トルシエ監督の戦略は優れていたと賞賛されるべきでしょう。

 赤鬼率いるベトナム代表がどこまで進出するのか楽しみにしつつ、日本代表の優勝を心から応援しております。

1071.代診

2024.01.19

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 引っ越しされるので紹介しようと思って、他院の診療形態を検索してみたことがあります。
 土曜日もやっているという親切なスタンスの上、アルバイトの医師を複数名雇っている所がありました。
 なるほど!そうやれば自分が休めるのか!と思いました。

 別にそういう診療スタンスを批判するわけではありませんし、開業して一国一城の主になるって言うのは、自分の生活の質を高めること、要するに医師でも従業員として雇えば自分は事業主として、家庭を顧みる時間を捻出したり出来ますし、それはそれで、家庭を大切にしたり、趣味に没頭したりする余裕を生むわけですからきっと良いことなのでしょう。

 個人的には、全くそういう発想はなかったので新鮮でした。当院の待合室は何と狭くて5席+1(補助椅子)くらいしかなく、家族総出でお越しになったりした時に数名お待ちの患者さんがおられますと溢れます。それでもお待たせしないようにしているつもりなのですが。

 従業員医師を雇う発想と、私の発想とどう違うかと言えば、松原の場合は、催眠療法やブリーフセラピーなどが技術としてあり、病歴を単に聴取するだけでなく、変化への一歩を提供していくと言うことにあります。難治性の方は2年以上通って下さる方も時にはおられますが、ほとんどの方は2回目以降は初回より良いですと仰います。これって、とても幸せなことだと思っていますし、逆に、アルバイトの医師にお願いしてこの質を担保出来るものでもありません。

 自分を唯一無二の存在と思ったこともないしそんな才能もありません。むしろ、診療技術も、訓練で伸びるものだと思っており、これまで若手医師や心理士のスーパーヴィジョンを継続してきました。そこで分かったのは、元々優秀だったかどうかはあまり関係なくて、技術は教えれば使えると言うことです。私はモーツァルトのような特異的な才能はありませんが、受験勉強のような積み上げていけば誰でも到達出来る技術を診療に於いてある程度の水準で提供していますし、それは弟子の医師は心理士さんたちが、本人達の持つ才能やセンスとは別に、確実に伸びていく様を拝見しておりますと、伝えられる技術ってあるのだろうなと思います。

 代診を立てる先生を非難することはありませんし、自分もいつそうなるか分かりませんが、少なくとも、今の所、元気な内は、自分のベストをしっかり提供させて頂くスタンスで、毎日の診療に臨ませて頂こうと思っています。

1070.お金と自分の価値

2024.01.18

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 寺の子だからか、貧乏性だからか、分かりませんが、私はあまりお金儲けが上手ではありません。
 大きな利潤を得ることは悪いことなのではないかと、潜在的に思っているようです。

 しかし、例えばユニクロではありませんが、安くてセンスの良い服があれば、それは買うわけで、その結果ファーストリテイリングが大もうけするのは必然のことかもしれません。
 それが悪かと言えばそうではなく、公示した価格で売ってその業績な訳ですから、市民から評価されているということであり、それを経済の言葉で市場価値というのでしょう。

 市場価値を認めない、というと、一見仙人のようでかっこよさそうな気もしますが、一部、レアで理解が難しい芸術等の範囲を除けば、どんな高尚なものも市場価値で決まると言えましょう。高尚な価値の分かる学者でないならば、良いと思えば良い、悪いと思えば悪いという単純な価値観で良いし、価値がわかりにくいけど本当は価値があるものについて、民衆の理解が足りない時は、それを補充して啓発活動するのは学者の務めというものです。

 親切心で人にボランティア的に親切心を提供しようとした時に、ある親友から、それは良くないことだと窘められました。それは自分の安売りになるし、それが拡散すると自分が安い人だという「狎れ」が横行してしまうからだと。
 そういうことを嫌うのではなく、私も後50年は生きませんから、残りの人生も有限で、貴重な時間を割くことに対して、対価を求めるのが筋だというのです。お金をもらってどうかという話ではなく、何かを教えたり提供するにはそれまでしてきた修行、その日にプレゼンする準備、など時間と労力が発生するわけであり、それにリスペクトを払えない生徒には教えなくて良いということになります。なるほどなと思いました。私はすぐに自分を安売りしてしまう傾向にあり、反省すると同時に、苦言を呈する友達が、白髪頭の歳にもいることを感謝したいと思いました。

 守銭奴になるつもりはありませんが、時間も労力も限られており、尊重してくれる人に全力を尽くし、価値を認めてくれない人とのお付き合いは控える、という風にすると、少し生きやすくなるのではないかと思います。

1069.不摂生

2024.01.17

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 私が恩師と呼びたいと思っている人には、元九大総長(心療内科教授)の久保千春先生、故松原秀樹先生、そしてオカリナの大沢聡先生を始めとして、数え切れないほどの人がいます(列挙すると文章にならないので3名にしますが、名前のない方も尊敬していますのであまりそこは拘泥しないで進めさせて頂きます)。

 ある業界にはモーツァルトのような天才もおられまして、まあモーツァルトよりは長生きしているのでそれは良いのですが、不摂生が過ぎていつも心配する羽目に陥っています。私も患者さんにお酒を控えて下さいとお願いしておきながらも割と晩酌が好きなものですから、節制の出来た人間とも言えないのですが、偉大な才能を持つ人が度々倒れるのは困ったものです。

 手をこまねいて傍観しているわけでもなく、マネージャーのようにお助けしたり手配したりもしているわけですが・・・。

 しかしまあ、業界の中でモーツァルトのような方がもし今後、曲を書かないかもしれない時に、自分がベートーヴェンのように継承出来るわけもなく、浅学非才の我が身を悔やむことになります。そうはいっても等身大のことしか出来ませんので、あまり気に病まずに、出来ることを提供するという風にして行くしかないでしょう。いつの日も、もう少し勉強しておけば良かったと思うのは、いい歳になっても変わらないものですね。

 何を言っているのかよく分からないブログになっているかもしれませんが、今日は独り言的な感じなので・・・。

 皆様も、不摂生かもしれないと思い当たられたら、少し、健康な生活をお心がけ頂けますと幸いです。

1068.キング牧師

2024.01.16

1068.キング牧師

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 1月15日はマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の誕生日だったそうです。
 キング牧師と言えば、非暴力による人種差別との戦いで有名です。アフリカ系アメリカ人の差別が改善されたのは彼の功績が大きいと言えるでしょう。今は、性的マイノリティも含めて、人種だけでなく、国籍・民族・性的嗜好などもそれらを根拠に差別することはいけないこととされ、完全に差別がなくなったわけではないと思いますが、キング牧師の活動の頃よりは改善してきたんではないかと思います。

 演説、「私には夢がある I have a dream.」は非常に力強く通る声でなされます。英語の教材として聞いた覚えがあります。まだご存じない方は一度お聞き頂いても良いかもしれません。

 偏見や差別は、自分の文化的背景からうっかりやってしまうこともあり、常に意識して注意し続ける必要があるでしょう。

 キング牧師の誕生日を契機に、平等で公平な世の中について思いを馳せてご覧になってはいかがでしょう。

1067.鏡開き

2024.01.15

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 1月11日は鏡開きでしたね。
 我が家でも鏡餅を開いてぜんざいにして頂きました。

 家族のおかげか、七草粥も頂きましたし、割と季節のルーティンをこなせている気がします。
 鏡餅と言っても、今は真空パックのコンパクトな物を、切り分けるわけですが・・・。

 餅の上に干支の動物がミニチュアで載っている物が多く、鏡開きをするとそのキャラクターの子が一年マスコットとしてリビングに鎮座しています。今年は辰年にて白龍でした。ジブリの映画、「千と千尋の神隠し」のハクも白い竜だったように思います。

 みなさんは鏡開きはなさいましたか。

1066.共通テストの季節

2024.01.14

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 家庭では、しばらく諸事情で受験生の世話をしていたので、この季節になると試験の心配をしつつ、家では荒れないようにひっそり暮らすように心がけていました。ようやくそのストレスからも解放されて、久しぶりに落ち着いた正月、落ち着いた1月を暮らせているような気がします。

 スーパーでも絵馬の形のパンが売っていたりして、キットカット(きっと勝つに掛けているらしい)やカール(うカールということらしい)が売れたりもしているようです。絵馬パンは185円だそうです。1発合格ということのようです。2回目以降の人は食べられないのかしら。

 受験生の皆様も、それを応援する周りの方にもリスペクトを持ちつつ、少しゆっくりとした週末を過ごすことにしています。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分