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1027.身体の錯覚

2023.12.06

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 先頃、明治大学で行われた第69回催眠医学心理学会では、特別講演に、名古屋市立大学の小鷹研理先生の講演を聞いて参りました。
 耳たぶを引っ張りながら仏陀の耳のように錯覚させたり、スライムを使って手が伸びてしまう様を体験させたり、色んなことが可能なようで、既にNHKなどでも取り上げられて広く認知されているようです。
 手の錯覚体験はデモに参加したのですが、あまり感じられませんでした。オカリナをやるからか、手の指とか位置感覚がある程度成立してしまっているためか、視覚にあまり騙されないでいました。後で先生ご自身に伺った所ピアニストなど指を綿密に使っている人は錯覚が起きにくいなどのデータは既にあるようで、楽器をしていることを告白したら、なるほど、と、私がそれほど手で錯覚が起きなかったことについて、先生も納得されていました。
 VR時代にこのような錯覚を利用して、世界を広げて遊ぶことも出来そうですし、コンピューターと絡むと沢山の可能性がありそうな分野だと思いました。
 催眠との絡みで言えば被暗示性の高い人はやっぱりとても楽しめそうな感じでした。

 子供の科学9月号を始め、色んな著書も出ていますので、ご興味のある方はぜひお手に執ってみて下さればと思います。

1026.ロナルド・レーガン

2023.12.05

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 ロナルド・レーガンは、空母の名前にもなっている、米国第40代大統領です。
 政治的な業績については本稿で取り上げるのは控えます。

 医療との関連で言えば、彼は、晩年、アルツハイマー病に罹患し、それを俳優・元大統領という知名度にもかかわらず勇気を持って公表したことが挙げられます。背も高い、イケメン俳優から大統領にまでのし上がったレーガンでしたが、晩年は受け答えが悪くなり、認知症が進みました。アルツハイマー病は一般的には女性の方が多いとされていますが、男性も罹患します。1906年にドイツの医師、アロイス・アルツハイマーが発見したと言われており、今でも認知症の6~7割を占めます。原因となり得る遺伝子がいくつか報告されていますが、複数の原因があると言われています。

 レーガンは、晩年、ニクソンの葬儀に出た以外、公の場に姿を見せず、プライベートな時間を過ごしつつ、ひっそりと世を去りました。
 しかし、彼ほど有名な人が勇気を持ってアルツハイマー病を公表したのは大きなことであり、その後長谷川式スケールの長谷川和夫医師もご自身が認知症になられた際に公表するなどし、最晩年まで医療の啓発に貢献しました。

 レーガン元大統領や長谷川医師らが啓発してくれたおかげで、認知症への認知度は進んでおり、今では、多くの人が差別せず、優しく対応するよう心がけています。まだ、失われた能力を回復させるまでの薬は発見されていませんが、進行を緩めるなど医療界も少しでも悪化を防ぐよう努力しています。

 記憶が怪しいかなと、とご自身やご家族に思い当たった方は、ご相談頂ければと思います。
 当院ですと、1Fに脳外科のMRIもあり、VSRADと言って海馬の体積を測定も可能であり、1棟で脳と心の用事が済むところもご来院頂けるメリットかと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

1025.催眠医学心理学会に参加して参りました。

2023.12.04

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 明治大学で行われた、第69回催眠医学心理学会に参加して参りました。

 基本的にジャネのテーマだったようです。解離の再発見と言うことで近年ジャネの再評価が高まっているように思います。確かにフロイトほど有名ではないかもしれません。

 ただ、トラウマ等の文脈におけるジャネの再評価は、正直な感想としては、うーんどうなんだろうと思っていて、個人的にはプレゼンターの方々とは少し見解が違うのだろうなと思って帰ってきました。
 むしろ、トラウマインフォームドケアに代表される力の入ったトラウマケアは、体験者を伝統催眠に入れて治療している姿勢ととても似ている印象を持ちました。簡単に申せば治療構造の硬さでしょうか。

 もう少し、その人がそんな目に遭っても生きてきた事実とか、それなりにやっているリソースなどに焦点を当てても良いような気もするのですが。ジャネが生きていたらどのようにコメントするのだろうと想像します。

 滅多に会えない旧友にも会え、それなりの収穫はありました。また頑張ります。

1024.浪費

2023.12.03

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 双極性障害を診断する時は軽躁エピソードというものがあり、それらに従って問診を進めていきます。

1.万能感・誇大感
2.睡眠欲求の減少、不眠不休
3.多弁
4.観念奔逸
5.注意転導性
6.目標指向性の活動の増大
7.困った結果につながる可能性が高い活動への熱中(浪費、性的無分別、馬鹿げた投資等)

 この内の3つ、気分が易怒性のみの場合は4つを満たしている場合軽躁エピソード有り、と判断します。

 浪費のエピソードでは、何十万も使ってしまったり、若い頃拝見していた貴婦人は1000万とか貸したけど戻ってきませんでしたと余裕の笑顔で笑い飛ばしていましたが、とんでもない額を使ってしまう、なんてことがあります。
 わざわざ聞いてみると、そんな使い方!?と驚くような用途でお金を溶かしている方もおられ、リチウムやバルプロ酸などを適宜使用しながら、慎重に治療して参ります。

 後輩等に奢ってしまう、無駄なグッズを買ってしまう、借金してまで何かを購入する、収入以上に使う、等々、浪費があると軽躁状態の可能性がありますから、心当たりのある方はご相談頂ければと思います。

1023.寛容になる練習

2023.12.02

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
 
 落ち込みと共に、イライラや憤慨と言った内容でもご相談を頂くことがあります。

 世の中は、だいたい大きな衝突というものは非寛容な態度による所が大きいと思われます。もちろん戦争や紛争をしている所は、攻撃した方も反撃した方もそれなりの理由があるでしょうから、各論についてはとやかく申し上げることは控えます。

 譲れない一線の所は、双方仕方ないとは言え、子供の執拗な要求などには大人が怒り出してしまうこともあるようです。しかし、一度感情的になって怒りをぶつけてしまうと、受け取った側は、怒られた、攻撃されたというのが主たる印象になって尾を引くことになりがちです。

 何でも甘くすれば良いというわけではありませんが、子育てなどは忍耐や寛容さの良い訓練ではないかと思います。

 子供に振り回されている時は、寛容になる練習と考えれば、是々非々を示しつつも感情的になる所から少し距離を置いて、それこそ大人な対応が出来るかもしれません。

1022.3度目の師走

2023.12.01

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
 
 開業して3度目の師走を迎えることになりました。
 ブログも1000回を越えてくるとネタを探すのにしょっちゅうあちこちキョロキョロしております。

 最近の近況で申し上げますと、コロナ禍が明けたことにより、リアルに学会や懇親会が開催されるようになったことによって、広島やら東京やら現地に赴くことが増えました。それがちょっと身体的な負担になっている気がします。
 昔は週末ごとにあちこちに行くのが趣味みたいなものでしたが、月曜日から通常診療が続くとなると、土日に疲労回復出来ないのは痛手となります。そういうことで頭の中が忙しいのかダブルブッキングをしてしまうことなどが増えているように思います。

 ちょっと落ち着かなければと考え、なるべく寝るとか、空き時間にトランスに入ってぼーっとするなど心がけています。

 みなさんは、忙しない師走、どのように落ち着かせる工夫をなさっていますか。

1021.2年半

2023.11.30

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 R3年6月1日に開業してから丁度2年半が経過致しました。
 まだまだ地域の心療内科としては立ち上がったばかりではあるのですが、ここまでやってこられたのも、皆様のおかげと感謝しております。IDも1200例弱発生し、年間480名ほど新患を拝見していることになるので、よく頑張ってきたのかなとも思います。

 現在は、南方は春日大野城に止まらず、八女市、宮崎市から。東は糟屋郡。北の方は岡垣・古賀・新宮。西は西区や糸島まで割と広範囲からお出で頂く印象です。七隈線が開通して、博多駅から11分と至便になったこともありますが、毎日新患枠を設けて、新患をお待たせしないで拝見する努力を続けています。これは非常に助かったと言われることも多いため、引き続き努力を重ねて参ります。

 IBS,解離系の方、心的外傷(トラウマ)の方も割と来られます。
 中高生のご相談もしばしばです。時に小学生もいらっしゃいます。近隣に、発達障害を診てくれるクリニックはありますが、思春期の心のケアについて全般に診察している所は少な目のようです。これらの対象の方々にも、今後も対応出来るよう務めて参ります。

 認知症に関しては、1Fに脳外科(六本松通りクリニック:院長・前田充秀先生)様があることもあり、空いていればその日にMRIで海馬の堆積を体積を量るVSRADを受けることが出来ます。脳と心で上手く連携出来ていると思っています。心療内科疾患と勘違いされやすい下垂体・副腎系の内分泌疾患についても、下垂体を含めた脳MRIなどを同院でお願い出来るため、1棟で脳と心の用事が済んでしまう(おまけに3階にはやっきょくもあります)のも利用しやすい所ではないでしょうか。

 これからも更に地域の皆様に愛されるクリニックを目指して職員一同、務めて参ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

1020.悪夢

2023.11.29

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 ストレスが掛かると悪夢を見ることがあります。整理夢と言って、そうしながらも考えが整理出来る場合は良いのですが、児童生徒時代の嫌な思い出まで復活してくるとちょっと問題です。

 精神科や心療内科では、よく眠ることが治療の第一ということもあり、依存性の少ない薬を考慮しながら少量の睡眠薬もお勧めすることがあります。スボレキサントやレンボレキサントなど、オレキシン系の新しい睡眠薬はベンゾジアゼピン系と異なり、依存性もほとんどないため、良い薬として推奨されています。
 これらの薬は悪夢を改善するという謳い文句もあるのですが、どういう原理か分かりませんが、反作用として、悪夢を増悪させることもあるようです。内科系心療内科の先生に、患者さんが悪夢をご覧になる確率を聞いたら、1~2割と仰っていましたが、先日当院のデータをまとめた所、25~28%の方が中断しており、悪夢があったのは、中断者の1~2割でした。

 こういう場合は、エスゾピクロン、ゾルピデムやブロチゾラムと言った異なる薬に変更すると悪夢は見なくなったりしますから、薬をもらったのに夢見が悪い、と感じられた方は早めに再度のご相談を頂ければ、出来る限りすみやかに対応させて頂きます。

1019.イメージと腹痛

2023.11.28

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 九州大学病院の心療内科は、私が心療内科医としてのスタートを切らせて頂いた大事な所です。

 芸術療法の先生からイメージと腹痛について教えて頂くことがありました。
 イメージを描画で表す実習をしていた医学生さんがお腹(大腸)がイガイガ・ビリビリしている状態を絵に表現したらお腹が痛くなってきたなんてことがあったそうです。そこで安直に痛み止めを使わないのが心療内科らしい所で、絵を描いていてお腹が痛くなったのなら、お腹が楽になる絵を描いてみましょう、例えば南の島だとか、なんて教示で、南の島のビーチでゆったりしているイメージを描画した所、件の医学生の腹痛は治まってしまったそうです。不思議なこともあるものです。
 もちろん全ての例がこうだとは限りませんが、このように、イメージと腹痛が密接に関連しているケースも少なくはないようです。

 仕事や受験、人間関係、色んなストレスがあるわけですが、受験など時期的なものはみんなストレスに感じていますから、中にはそれがストレスになっていると気づかないケースもあるようです。

 自律訓練法などは習得すると1分半から2分くらいでも十分効果がありますから、ゲームなどしているよりはよほど良い急速になります。腹部温感というイメージの訓練も入っているので、過敏性腸症候群(IBS)の方の、体調維持にも良い適用があるのではないかと思っています。

1018.評価語を避ける

2023.11.27

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 もちろん、何か成果が出た場合、その善悪や効果の有無について、正当な評価を下すことは必要なことだと思います。
 ただ、セラピーの間は、私の場合は、あまりその良否などを尋ねることは控えるようにしています。

 価値観は他人同士で異なるものですし、親切さやマナーについても、信ずる宗教、受けてきた教育、お国柄等の文化、地域性などによって様々です。ですので医師やセラピストの側からあまり、それは良い、これは良くないとか評価するのは避けています。もちろん、例外はあり、アルコール依存の方がお酒を飲まれた時などはちゃんとご注意を申し上げております。

 ですので、良いとか悪いとか言及せずに、ご自身でやってみてどうだったのかとか、やれている自分をどう思うのかとかに関してご本人の実感を伺ってそれを大切にするようにしています。ご本人が良いと思っているのであれば、そこで良い、と言う判断を下して、どのように良いと思うのか、どんな点が良いのか等、詳しく伺うことになります。

 友人などとフラットにお付き合いしていく時も、こちらから評価語を出さずに、この人はそう思っているんだ、という風に受け止めておくと良いかもしれません。前提として、その人にはその人の価値観で判断する自由があるわけですから、それを念頭に置いて、当方の価値観との合う合わないを表明するのを一旦保留しておくと、摩擦が少ないかもしれません。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分