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818.自分の穴を埋めていく

2023.05.11

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 先日、当院内にも永らく掲示していました、東京オカリナカルテットの六本松公演を拝聴して参りました。
 大師匠である大沢聡氏が率い、現在師事している弓場さつき氏が1stです。2ndが国際コンクール世界一の椎名春奈氏、3rdが大沢氏の右腕でもあり、ソリストとしても活躍中の柿内美緒氏。
 どんだけすごいメンバーで来るんだ・・・。

 前半クラシック、後半はポップス等で、内容については圧巻でした。

 オカリナで日本一から世界一のタイトルを取られた椎名さんと話す機会があったのですが、まあ、大沢師匠の演奏を聴いていると、私自身の感覚では、将棋で言えば藤井聡太竜王、野球で言えば大谷翔平選手のようなもので、眺めていても憧れていても一向に追いつける気がしないと言いますか、まあ、自分と比較してしまうと凹む要素しかないわけです。
 おまけに、松原などはこれから年齢的にも指回りが速くなるよりは怪しくなってくる頃です。そういうことを嘆いていても、妨げにしかならないのですが、よく考えてみれば基本的な所に穴があるわけです。

 椎名さんの演奏がどこが反省点なのか、上手に思えて私からは穴がないようにしか聞こえなかったのですが、トッププロはさすがで穴がなさそうな彼女も、勝ち将棋の藤井竜王のように謙虚にご自身の反省点を述べておられました(注:知らない人のために。藤井聡太竜王は圧勝した将棋も、次善手を指したことを反省し「最善を指せなかったのでまだまだ自分は甘いです」といった趣旨の感想を述べることが多い)。

 結局、色々嘆く前に、お互い穴をきっちり埋めて行こうじゃないかということになりました。

 演奏でも競技でも、ある程度分かってくると、師との差は実際には縮まっているはずなのに体感的に広がっているように錯覚することがあります。
 10mの距離が1mに縮まったはずなのですが、残り1mでやらなければならないことが、進んできた9mよりも密度が濃くてやるべきことが多かったり、ハイレベルな結果を求められたりするため、そう感じるのでしょう。ハイレベルな結果につなげるためにはやるべき仕事量が増えてしまうため、それをきちんと認識出来ることが差が縮まっているのに差が広がっているように錯覚するという現象の正体です。まあ、そう感じられるのは自分の認識の能力が上がっていると言うことなのですが。

 憧れの大目標を仰いで圧倒されて萎縮するよりも、とにかく目の前の自分の粗さを改善することの方が有益です。ネガティブになりがちな時は良く休み、充実した気力と体力で、自分の課題を少しずつ克服しましょう。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分