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307.自動書字

2021.12.08

307.自動書字

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。素敵なスタッフが加わり、元気に営業しております。

 催眠の現象の一つに、「自動書字(書記とも)」というものがあります。体験者の方にトランス状態でペンなどを持ってもらい、無意識に自動的に字や絵を書いて(描いて)もらうものです。Automatismと言います。

 古くからあるテクニック・現象ですが、無意識の顕現化という意味では非常に大きな意味のあるものです。

 というのも伝統的な催眠において、腕浮揚・降下、閉瞼硬直など、体験者を催眠下で誘導通りに導く技術は沢山あっても、体験者の無意識を表に出させる方法というのは他になかなか見当たらないからです。
 非常に優れた催眠臨床家の一人、中島央先生はこのautomatismのことを重要視しており、エリクソンの言うクライエントに仕事をさせる、と言う所に、automatism的な動きとして提供しているようです。奥が深すぎてその技術を私が体得出来たわけではないのですが、クライエントが無意識的に主体となって動く方向がクライエントの向かっている方向なのではないかなと思いますし、たぶん無駄がないでしょう。

 催眠をやって長いのですがまだまだ人間心理の本質を十分把握したとは言えず、これからも研鑽を積もうと思っています。

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