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654.The GREATS

2022.11.20

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 幸運にも切符を頂き、北九州市立美術館まで行ってきました。スコットランド国立美術館に所蔵されている世界的な名画が、今回九州唯一の展示でした。
 ちょっと行くのに時間も手間も掛かったのですが、切符が手元にあったこともあり無事に行ってきました。
 エル・グレコ、ベラスケス、ラファエロなど、教科書などでしか見られなかった絵画の本物を目と鼻の先で見ることが出来、貴重な体験でした。おっと、展示も今日までのはず。もしご覧になって間に合う方はいらしてみてはいかがでしょう。多くの感動に包まれること、間違いないかと思います。

 展示終了後に読んで頂いた方も、たまには美術館に足を向け、優れた芸術に触れてみませんか?

653.還暦

2022.11.19

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 60歳を還暦と言います。十干十二支があり、それらを組み合わせていくと、60通りになるわけですが、60で一周するためこれを還暦と言うようです。
 織田信長が人生五十年と敦盛を舞ったように、還暦に至らず亡くなる方も多かった訳ですが、今は医学や栄養学の進歩によって多くの方が長寿社会で生きることが出来ています。

 国は65歳定年とか、年金支給開始年齢を後ろ倒しにしたりとか、財政破綻を免れるように必死ですが、実際問題60を超えると元気な人とそうでない人と出てきます。元気でない人は、本当に還暦、ということで、一回一桁になったつもりで、甘えるべき所は甘え、頼るべき所は頼ってみても良いのかもしれません。

 高齢者病棟にいたこともあるのですが、やっぱり、怒りっぽい人より、かわいげのある人の方が、看護師や介護士も寄りつくし、スタッフが寄りつく人は異常にも早く気づかれやすく、結果として長寿になります。

 老いや病気で出来ないことが増えた時は、素直に若い人に甘えたり委ねることも、必要なことかもしれません。

652.仲間の力

2022.11.18

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 先日、歌唱グループ、LE VERVETSの公演を聞いてきました。
 このグループも、メンバーが欠けたり紆余曲折があり、なかなか山あり谷ありを乗り越えているのですが、昨年はテノール佐賀龍彦さんが脳動脈瘤の手術で脳梗塞を発症し、右半身が不随になりました。懸命のリハビリの末、先日のステージには復帰して、主としてナビゲーターをされていましたが、数曲一緒に歌われました。
 分かっているファン達は、彼のソロがあっただけで大拍手でした。
 メンバーの仲間も、ファンの人達も、彼を心配し、温かく応援していて、右も左も知らない人達の集まりなのに、とても温かい場になりました。もちろん、アーティストとしての歌としても上手に歌えていると思いましたし、音楽監督や振り付けが付いて、エンターテインメントとして魅せる本格派な歌手グループとなっているのも特筆すべきことでしょう。
 私ごときのオカリナと、一緒にはならないかもしれませんが、オカリナもノージャンルで曲を要求されることが多いため、クラシックにとどまらず、映画音楽、ミュージカル、第九など幅広く歌われるのは現代の速い流れの中でお客様を飽きさせないのは大事かもしれません。もちろん、実力の高い歌い手に本格的なコンサートを求めることも正当だと思うので、きっちりした演奏会を好まれるご意見を否定しませんが、多様な楽しみ方が認められている今、LE VERVETSのようなプロモーションもありなのかと思っています。

 いずれにせよ、病魔に倒れてリハビリを頑張っておられる佐賀さんご本人、それを支えるメンバーや関係者なども含めて応援していきたいと思いますし、今回はコンサートの場において、仲間の力を感じることが出来、とてもすがすがしい気持ちになれました。

651.解離性同一性障害を統合しないで診る

2022.11.17

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 先日、臨床催眠学会へ出席して参りました。
 臨床催眠学会では、解離性同一性障害、いわゆる多重人格の方を無理に統合せずに運用する方法について話しました。「みなさんシステム」と名付けてみました。
 家族療法の大家東豊先生(龍谷大学教授)から、これは立派な家族療法です、とお墨付きを頂きました。

 ちょっとまだ、公刊出来る論文には出来ていませんが、いずれ文章にして世に提案してみたいと思っています。

650.黙祷

2022.11.16

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 先日九大心療内科の同門会に出席して参りました。
 昨年度は4名先輩が亡くなったそうで、黙祷して参りました。存じ上げている方も、初めて耳にする方もあったのですが、明確に視覚化出来た業績以外にも先輩達の積み重ねてこられた歩みの上に、私共の学びがあったのだと思います。

 黙祷は宗派を問わず、言葉を発しないことで哀悼の気持ちを表現する方法のようです。

 人が世を去ることはとても寂しいことですが、また新たな風が吹くのも大切なこと。

 これまでの先輩方の業績に敬意を表しつつ、またしっかりと自分自身の学びを深めていこうと思いました。

649.サリドマイド

2022.11.15

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 妊娠中でも、有益性投与ということで、危険性よりも内服した方が有益な場合、医師は薬を処方する場合があります。

 そんな折、若い人やスタッフと話していても、サリドマイドという言葉自体が全く知られていないことを知りました。
 妊婦の睡眠薬として半世紀以上前に処方されていた薬で、サリドマイドやサリドマイド誘導体の化合物名は、それぞれレナリドミド及びポマリドミドと言います。毒かと言えばお薬であり、今でも多発性骨髄腫やハンセン氏病の一部などには有効な薬として厳格な管理下で使用されているのです。旧西ドイツで開発され1957年に発売、日本でも1958年に発売され、サリドマイド禍が起き、1962年には発売中止になっています。催奇形性があり、日本では309人(ドイツでは3000人)が被害を受けたと言われています。四肢形成が不十分になって手がない子供や奇形の子供が多く生まれました。

 被害者のドキュメンタリーは、「典子は、今」(第4回ジョン・ミュアー医学教育映画祭グランプリ)という映画にもなったと言います。

 現在、催奇形性のある薬は、基本的には投与されないようになっています。

 もちろん、お薬は、むやみに偏見を持ったり服用をためらわず、医師の勧めがあればなるべく内服されることが望ましいと思いますし、やたらめったら添付文書を読み込んで稀少な副作用にビクビクして飲めないというのもいかがなものかとも思います。しかし、お薬を内服される場合、やっぱり少しはご自身のお体への影響も考えながら口にして頂ければと思いました。

 サリドマイド禍についてはWikiや書籍がありますので、こういう時代があった、ということも、ご存じでない方があれば御承知頂ければと思います。

648.対面で会う良さ

2022.11.14

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 先日学会に参加してきたのですが、直に現地にいると思いも掛けない人と御縁が出来ることがあります。
 研修のワークでは、仲間内も増えたので、出来るだけ初顔合わせの方と組めるようにしました。経験者として初心者のケアをする必要性もあったのですが。
 組んだグループの方達と、それじゃあちょっと行きますか、と台湾料理を食べに行き、午前中の研修についても議論を交わしました。オンラインでは、もちろん、自宅にいながらにして、移動距離なしで高度な知見を聞けるという利点もあるのですが、直に相手にお目にかかって議論したり刺激し合うことってとても大切なんじゃないかなと思いました。

 今回は催眠療法の学会だったにもかかわらず、私自身が家族療法的な話をしましたし、家族療法系の専門家達と交流を深めることが出来ました。

 対面ならではの良さなんだろうなと思いました。

 今後も、直接会える機会が増えていくと良いなと思います。

647.ホスピタリティ

2022.11.13

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 久々に対面の学会に出席してきました。
 龍谷大学で開催されたのですが、主催者側の先生方には非常に良くして頂きました。
 シンポジストとして登壇したのですが、打ち合わせもスムーズでしたし、心地よく過ごせたと思います。

 逆に私共もホスピタリティを常々意識して置くことが重要かなとも思わされました。

 ゲストを尊重する、他の聴衆を尊重する、色んな方法があると思いますが、高いホスピタリティの精神を持って、普段から人にお目に掛かるように出来たら、と思っています。みなさんはご自分のホスピタリティはどんなことに気をつけておられますか。

646.アレキサンドライト

2022.11.12

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 みなさまは、アレキサンドライトはご存じでしょうか。
 昼の太陽光下では青緑、夜の人工照明下では赤へと色変化をおこす他の宝石には見られない性質があります。つまり、蛍光灯下と太陽光下で色合いが異なるものです。
 イタリア旅行の際に、ベネチアでアレキサンドライト入りのワイングラスを購入してきました。当時は、太陽光と蛍光灯下で色が変わる彼不思議ですね、といわれて惚れ込んで買ってしまったのですが、理系の友人に、蛍光の色合いが異なるのはアレキサンドライトだ、と指摘され、本稿に至ります。まさに、25年ぶりの正鵠といったところでしょうか。

 自然光の下では、紫色になり、蛍光灯の下では、青くなるという、誠に不思議な性質なのですが、これに赤ワインを注ぎながら頂くのも乙なものかと思います。

 NHKの五歳児に言わせれば、私自身、その原理も知らずに四半世紀「ぼうっと生きてきた」訳なのですが、分かってくるとそれはそれで知的好奇心を刺激されるものです。珍しいとして当時のロシア皇帝ニコライ1世に献上されたといいます。巷説では、このロシア帝国皇帝に献上された日である4月29日が、皇太子アレクサンドル2世の12歳の誕生日だったため、 この非常に珍しい宝石にアレキサンドライトという名前がつけられたとされているようです。

 ロシアは今戦禍にあります。その政治的な状況についてはこれまでもこれからも論評しないつもりですが、いずれの立場の人であれ、相互に尊敬と相手への尊重を持ちながら、交流できればと切に願うばかりです。

 私自身は、セラピーや音楽と言った、中立かつ、人間尊重的な立場から、すべての人を尊重し、また、芸術や音楽の喜びを共有する仲間でいたいと願っています。

645.一緒の土俵に立つ良し悪し

2022.11.11

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 何かを依頼してきているはずなのに、いざソリューションを提供すると、あれこれ言って抵抗し出す人がいます。
 あれ?そちら様の依頼で話が始まったのでは?と疑念がよぎる瞬間です。ささやかな疑問ならまだしも、問い詰められたり、依頼してきた方が非協力となったりすると、援助の提供側は混乱することがあります。
 ひねくれた子供や部下を持った場合、治療抵抗性の患者さんの一部などにそういう難しい反応を見ることがあります。

 そういう場合、

 さっき言ったことと違うじゃないかとか、
 依頼してきているなら協力してくれないかな、とか、

 ムッとして怒りをぶつけてしまうともういけません。恥ずかしながら、私も時にこういう罠に陥ることがあります。まだまだ修行が必要だなぁと反省することしきりです。

 土俵に乗ったはずなのに、逃げちゃう人には、本来逃げる自由もあるはずです。
 時間が空費されて、徒労感はあるものの、衝突しないで先送りした方が良いでしょう。非協力な姿勢を表明した方がいたら、それはそれでその人の選択なのですから。ソリューションに乗らない場合は、乗らなかった結果というのをその人が受け入れていけば良いだけのことなので、提供側が、乗った方が良いのに、といくら思っても、あまり強要しない方が良いようです。

 今日は言っても無駄か、と思った時は、熱くならずにテンションを下げ、ま、それも何とかなるか、と思い直して、次回に期待しましょう。子供の喧嘩のようになりそうな時は、一緒の土俵に立とうとせず、一旦先に降りるのも、一つの知恵ではないかと思います。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分