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393.古き良き店舗

2022.03.05

393.古き良き店舗

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。日々元気に営業しております。

 クリニック近くの橋を渡ると、古き良きお茶屋さんがあります。
 私の故郷三重県は静岡ほどではないものの、お茶の産地として上位に入ります。鈴鹿山麓に降った水と、茶の栽培に適した土地があり、全国区ではないかもしれませんが、良いお茶が採れます。また、おばあちゃんっ子でもあったので、食後にはいつも美味しいお茶を入れてもらっていました。祖母は随分前に亡くなりましたが良い思い出です。
 学生時代に、大学教授の家で家庭教師をしたことがあるのですが、半端なく良いお茶を出されて、奥様に、これ、学生に出すおちゃじゃないでしょう?!とびっくりして申し上げたこともあります。多少はお茶の良し悪しは判るようになったでしょうか。

 前回のブログにも書いたように、贈答用のお茶を、例のお茶屋さんに買いに行ってみたのですが、80代のお姉さんが、私の代で終わると思うと言いながらやっていました。

 先日別のお直し屋さんに行った時も、私が倒れたら跡取りはいないね、という直し屋さんがいらっしゃいました。

 今、昭和の高い技術や、静かに良い物を売っているお店などが少しずつ去ろうとしているのだな、とさみしくなりました。

 やっぱり量販店だけでなく、実際にそういうお店で良い物を購入して、応援していく必要があるのだろうな、と改めて思いました。

 古き良き店舗が少しでも長く存続して、出来れば継承されますように・・・。

392.話してみること

2022.03.04

392.話してみること

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。日々元気に営業しております。

 先日、どうしても必要があって、何名かの先生と電話連絡を取りました。

 コロナ禍では黙食などと言われており、しゃべることなども忌避されています。

 しかし不思議なもので、おしゃべりしていると、ある先生へ菓子折を持っていこうと思うが、というと、いやいや、血糖等厳格に管理しているから、お茶とかの方が良いですよ、等、ヒントがもらえます。会話によって双方の脳が活性化され、連想したことや思い出したこと、何気ないことが非常に有益だったりします。メールやSNSメッセンジャーでは伝わらない情報があると思いました。

 みなさまも、コロナ禍で今ひとつ調子が出ない時は、安心できる相手と話してみるのも良いかもしれませんね。

391.耳の日

2022.03.03

391.耳の日

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。日々元気に営業しております。

 去年の今頃は、さげもん、といって柳川のおひな様の話を書いたので、今日は耳のお話を書こうと思います。

 もちろん、私も医学の徒の端くれですので、医学の基本として、器質性疾患の除外があります。気のせいにするのは最後の最後というわけです。ですので、聞こえが悪い人、あらぬ声(音)が聞こえる人はまずは耳鼻科で聴力等の検査が必要です。心療内科に行った方が良いですよ、と言われて心療内科にいらしてから、心と耳の関連を考えます。

 耳介は軟骨で出来ているので、遺体が風化した後などは頭蓋骨が残っても耳は残りません。
 でも、耳って硬さがあります。

 揉んでみると時に痛いことがあります。

 あるボディーワークの先生によれば、耳の上の方が痛い人は上司の、真ん中辺が痛い人は同僚や友人の、下の方が痛い人は部下や後輩の言うことを聞かないんだそうです。まさか、硬くないだろうな・・・と思って今原稿を書きながらこわごわと自分の耳を触ってみましたが、幸い痛くないので、聞く耳は持っているようです。

 そんなの本当なのかな?と思われるかもしれませんが、聞きたくないことを言われている人達は意外に耳のあちこちを痛がられるようです。

 もっと周りの言うことに耳を傾けた方が良いのでは、という指摘を受けられた方は、こっそり耳をほぐしてみられてはいかがでしょう。最初は痛いですが、不思議なことに数分で痛くなくなりますし、柔らかくもなります。まあ、もし当たらなくとも、耳をほぐして特段害があることもないでしょうから、もしやと思われるお方は耳をほぐしてみられてはいかがでしょう。

390.処罰感情と鬱の治療

2022.03.02

390.処罰感情と鬱の治療

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。日々元気に営業しております。

 相手方の不正や悪意によって大きな損害を被った場合、当然、法に基づく適正な処罰や賠償・補償といったものが必要になることかと思います。私は法律家ではないので、刑法や民法に基づく、刑罰や賠償についてはここでは言及しません。

 それでPTSDや鬱になったとして、では、治療の現場で何をやっていくかということになるわけですが・・・。

 相手を罰しないと先に進めない、という方の場合、医療やセラピーの世界でそれはどうにもなりません。

 相手方に何らかの処分を下すことが可能なのは裁判等になるからです。

 しかし、セラピーの基本として、相手が変わらないといけない、というスタンスで上手く行った試しはないのです。相手が悪くても、自分が変わるのが治療の基本です。

 飲酒運転に家族を轢かれたとしても、暴力団の誤射で大切な人を奪われたとしても、受け容れたり、乗り越えたりするのは、自らの変化になります。無理して「許す」まではしなくていいかもしれませんが。

 実際に自分がその立場になったら、非常に割り切れずに難しい気持ちになると思いますし、正直消化できる自信は私もありません。

 先日、他の専門家とも話し合ったのですが、やはり、処罰感情を持ったまま治療も進めたい、というのはその治療の進展に無理があるような印象をもちました。

 治療においては、そういう葛藤した気持ちでおられる人を受け留め、支えて参ります。そうしていく内に、少しずつ前に向いて歩み出すのに何かお役に立てれば・・・と思います。

389.弥生

2022.03.01

389.弥生

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 弥生、というのは三月の異称で、ふるくはイヤオヒ、と言い、草木がますますと生い茂る様を指すようです。
 弥生式土器の弥生は東京の本郷の地名で、ここから発見された土器を指標とする考古学的な時代すなわち、縄文時代と古墳時代の間を弥生時代と名付けたそうで、弥生時代の弥生は地名由来のようです。

 大辞林や広辞苑を引いてもそれ以上詳しい説明がなく、なぜ3月を弥生と呼ぶようになったのか、というチコちゃんに出そうな話は、私の検索範囲では見つけられませんでした。最初に申し上げた草木のますます生い茂る様を当てはめて弥生としたということかもしれません。

 3月というとまだ肌寒いですが、元々陰暦の3月を指しますし、旧暦の正月は節分が来るはずなので、体感的には4月を弥生と考えて良さそうです。それなら草木が生い茂ってくる様としても納得できそうです。

 3月となると、年度末となり、確定申告やら、年度の締め、異動や新天地への準備、人によっては卒業や入学準備など色んな変化の前触れとなる時期です。この時期になると、お仕事関係のご相談も多く頂戴致します。

 ご相談のみなさまに良き伴走者としてお力添えできるよう、日々務めて参ります。

388.9ヶ月

2022.02.28

388.9ヶ月

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。日々元気に営業しております。

 開業してちょうど9ヶ月です。
 不慣れなことも多く、手探りで一つ一つ改善している所です。

 9ヶ月の間に改善できてきたことは、

・コロナ感染や濃厚接触者の方への電話診療やお薬配達

導入できた検査

・Conners,CAARS等ADHDの検査
・AQ等、自閉症スペクトラムに対する検査
・IES-R(PTSD等心的外傷後ストレス障害の検査)

 などが安定して出来るようになりました。他院がどうされているのかは存じませんが、初回から鬱に対するSDSや不安に対するSTAI等、九大病院心療内科でも使用しているであろう検査や、更に踏み込んだものまで、数値化してフィードバックすることが出来ますので、ご自分の状態を客観的に教えてほしい、という方にはご好評を頂いています。
 通常のうつ病、適応障害、躁鬱病、パニック障害、不安神経症、発達障害、統合失調症等は普通に診療しています。

 その上で、

・IBS(過敏性腸症候群)の治療
・心因性発熱の治療
・PTSDに対する漢方薬
・パニック障害等に対する漢方薬や筋弛緩法、自律訓練法の指導

等は、一定の効果を上げているように感じています。

・公認心理師・相談員によるカウンセリングを別途受けることが出来るのも当院の特徴です。男の先生はちょっと苦手、という方や、診察時間では話足りない、とお感じの方にはカウンセリングも併用して頂いています。
 また、当院は、看護師が電話や受付から対応して、ご様子をお伺いしたり、予診を取ったり、適宜心理検査をお勧めしたりしています。採血や心電図にもすぐ対応しています。

 これからもスタッフ一同、地域医療のために微力を尽くして行けたらと思います。

387.防災と音楽

2022.02.27

387.防災と音楽

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 実は、オカリナ奏者としてプロ活動もしています。最近はコロナ禍もあり、また、医療関係の立場上、感染防御には他の演奏家や団体よりも、厳し目に行動する必要があると考えて、満足な演奏活動が出来ていません。
 さて、以前、共演させて頂いた岡垣町のフルート奏者、保田潤子さんという方がいます。
 保田さんは、小さな街にオーケストラを作ってしまうという、細身からは信じられないようなエネルギーの持ち主です。今度は、東日本大震災から10年ということで、福岡と東北を、防災と音楽でつなぐ活動をされます。
 ウィーンフィル&サントリー音楽復興祈念賞からも助成を認められ、行政、教育委員会、石巻観光協会や各種新聞社からも後援を受け、防災関連講演会と、岡垣ミューズオーケストラの弦楽トップを招いてのコンサートという企画になりました。

 ちょっと応援して来ようと思います。当日になってしまいましたがご関心のある方は記事の問い合わせ先までどうぞ。

386.自らの決断を実行する

2022.02.26

386.自らの決断を実行する

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。日々元気に営業しております。

 様々なご相談を頂いていると、親による不適切な取り扱い(マル・トリートメント)や、ドメスティックバイオレンス(DV)、いじめ、パワーハラスメントなど、相手が結構ひどいものも多くあります。
 もちろん、無力な子供さんなどは、児童相談所等の保護が必要なこともあるのですが、逆にそういう影響が大きいとしても、成人してしまえば自分の人格形成は他者からみればご本人の責任と見做されます。

 心療内科医としては、それらの背景や思いも大切に聞かせて頂くのですが、今後を考えると、その行動は誰かにさせられたものではなく、自己決断で行ったと考えることが必要になってきます。自らの決断として実行するためには、

・そのことは自分にとって必要か
・そのことは自分にとって有益か
・そのことは自分がやりたい(やって楽しい)ことか
~苦しい練習でも素晴らしい結果を見据えているものは本稿ではやりたいこと、楽しいことに含むことにします~。

などについて検討し、必要で有益なことはやって良いと思われます。

 緊張のある家族や、過去の気持ちが精算できていない相手に、優しくしたり関わったりする時はどうしたら良いでしょう?

 未精算な気持ちがあったとしても、それを必要もしくはやりたいと思って自分の責任で行動することが大切ではないでしょうか。要するに、自己の行動を人のせいにしない、ということです。

 過去について様々な葛藤があったとしても、自らの決断を実行している、という風に生きていくと、少なくともその決断からは、地に足が着いた日々になっていくのではないかな・・・と思っています。

385.ティラミス

2022.02.25

385.ティラミス

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 みなさんは、ティラミス、と聞いて何を思い浮かべられますか?

 チーズの美味しいケーキでしょうか。
 美味しいものを食べると元気が出ますね。

 さて、このティラミス、またまたイタリア語です。
 tiramisúのsúは上へ、英語だとupでしょうか。miは私。tiraはtirareの活用で、súと合わせて「引き上げる」、といった意味になりますから、You raise me up.みたいな感じでしょうか。

 私を上に引き上げてくれるもの、ということで、気分の上がる美味しいケーキを指すようです。

 診療の時に泣いてしまう方や、普段頑張っておられる方に、自分へのご褒美として甘い物を推奨することがあります。頑張っている自分にご褒美があると良いな、という時に、ティラミスも検討に加えて頂いてはいかがでしょう。
 血糖値が落ち着いて、イライラが減ると、実際に周りに優しく出来るかもしれません。

384.加点法で考える

2022.02.24

384.加点法で考える

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。日々元気に営業しております。

 ご相談いただく方々が口にするのは、

・私はこれこれが出来ない。
・みんな出来ているのに。
・やれて当たり前。
・もっとがんばらないといけない。

 という言葉です。

 これらの特徴をまとめると、完璧さや他者との比較、そして、減点法でものを見ているということです。

 鬱の治療で最も避けるべきことは自殺。そして、次に、躁転、とするならば、生きてるだけでまるもうけ、とも言えます。

 赤ちゃんであれば、おぎゃあと泣いただけでも、元気があるとして加点されます(実際に生まれた時にアプガースコアという点数の加点に入っています)。ちゃんとおっぱいが吸えただけでもOK、おむつが取れたらなお、OK。

 どんどん加点されていくのに対し、大人になるとあれが出来ていない、これが出来ていない、という思考に陥りがちで、そうなると鬱の予備軍になってしまいます。

 そういうご相談の際、自分に対して、加点法で考えて見ては、というご提案をさせて頂いています。
 今日、心療内科に来ることが出来た自分、悩みを医師に相談できた自分に、加点してみてはいかがでしょう。

 この文章を読んで下さった方は何か参考にして下されば、それはそれでご自身に加点して良いのではないかと思います。

 減点法でご自身に厳しく考えてしまいがちな方、もし良かったら加点法で考えてみられてはいかがでしょうか。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分