1121.棚卸しのような
2024.03.08
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
2~3月は実はエアコンが安い月として知られています。
初夏になると非常に高くなる上に、工事の依頼も頻発して、職人さんに来て頂くのも一苦労となるのです。
ということもあり、20年ぶりに2部屋エアコンを交換することにしました。
我が家は中古購入したため、エアコン関係は既に売主さんの遺産が残っていたのですが、それでも20年も住むと古くなってきます。さあ、他人が家に入るとなると、片付けなきゃいけなくなるから大変です。誇りまるけの家のあちこちにダスキンをかけたり掃除機を掛けたり。
20年近く前に出ていたワークショップの写真だとか、初めて解離性障害を師匠にスーパーヴィジョンしてもらった時の記録だとか、懐かしい物も出てきました。不思議なもので、物をあちらからこちらに移動させるだけでも要らないものが間引きされて捨てられます。
ようやくある程度きれいになり、エアコン工事も終えることができました。
皆さんもたまには、棚卸しのようにしてお掃除してご覧になってはいかがでしょう。
1120.ブラームス
2024.03.07
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
クラシックの作曲家にブラームスという人がいます。
ドイツ・オーストリア系のなかでは、モーツァルト、ベートーヴェンの次の世代に来るわけなのですが、その間にはじつはシューマンという作曲家もおり、ブラームスはシューマンの弟子のようなポジションでしょうか。
シューマン夫妻と家族ぐるみの交流を持ってかわいがられていたブラームスですが楽聖ベートーヴェンの陰にはおびえていたようで、交響曲第1番の作成に20年も掛かりました。モーツァルトが旅先で交響曲リンツを4日で書き上げた(今でもギネス記録らしい)のは極端な例かもしれませんが、いかに慎重になっていたかわかるでしょう。その甲斐あってか、この第1番は今でもブラームスの中で最も演奏される曲ですし、指揮者のビューローから、「これはベートーヴェンの第10番だ」という最高な評価を受けています。
第一楽章の深刻で深淵な悩みの中から、第4楽章の光に達する流れは、歓喜の歌第九から確かにバトンタッチされたかのような曲です。
先日、尊敬してやまない人が亡くなりました。
全く追いつけず、全く理解し得たと言えないまま、亡くなりました。
私のような凡人は、ブラームスのような歴史的天才に例えては失礼かもしれませんが、偉大な先人の才能をわかるが故に自分の至らなさに苦悩する彼の姿はちょっぴりですが理解できる気もします。
そして、ブラームスはベートーヴェンのまねをしたわけではなく、師匠のシューマンから学んだこと、自分のオリジナルなどを加えてその後のたくさんの作品を生み出していきました。
先人からいかに学んでも、同じにはなれません。引き継げる精神を引き継ぎ、自分なりに咀嚼し消化したものを世に出していくしかないのでしょう。
1119.訪問看護ステーションはるうた様にお越しいただきました
2024.03.06
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
人のご縁とは不思議なものです。
講演会のご案内をきっかけに、昔の知り合いを通じてつながりました。
副所長の中村謙吾さんは、優秀な男性看護師です。福間病院で看護助手をしながら学校に通っていて、国家試験合格後も病棟で患者さんに寄り添う看護を実践されてきました。看護を志す学生だった方が立派に訪問看護ステーションの副所長にまでなられて、時間の流れを感じます。
中村さんのご縁で、スタッフ6名でご訪問頂き、当院のシステムをご説明させて頂きました。24時間電話の対応はされているのと、精神科に特化した訪問看護なので、今後連携してお世話になることもあるかもしれません。
はるうた様とのご縁が一層深まって皆さんへのよりよい医療を提供できるように心がけて参ります。
1118.求める者は
2024.03.05
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
イタリア語のことわざより。
求める者は見いだす。
Chi cerca trova.
辛抱強く求めていれば、望んでいることが必ずかなうと言うこと。
優秀な人とはいるもので、少し年上の人だったのですが、20年も付き合っていると、その人の当時の年齢を自分が軽く超えてしまっているのに気づきます。それでも当時のその人に追いつけていないとなると、自分の鈍足を呪わしく思いますし、本物と、後追いする者の差違とはこんなに違うのかと思います。
きっと藤井聡太八冠に対峙する、A級をはじめとする多くの棋士たちがそんな気分を味わうのでしょう。
しかし、今年は銀河戦では古豪丸山九段が、藤井八冠を破って優勝しました(それでも当たり前のように決勝戦にいる藤井八冠はおそろしいものがありますが)。
どんなに相手が圧倒的でも自分ではありませんから、自分の能力を発揮するためには、しっかり準備をして自分なりに一生懸命する、厳しいけれどもそれしかないのでしょう。
1117.死にさえしなければ
2024.03.04
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
A tutto c’è rimeio, fuorchè alla morte.
イタリア語のことわざより。
直訳は死のを除けば、すべてのものには治療法がある、という意味になります。
まあ、実際には、がんだとか肝硬変だとか、色々大変な状況があるわけですが。
しかし、実際に大事な人に死なれてみると、本当に、死んでしまってはどうしようもない、と思うのです。
パニックとか過呼吸の時にはこのまま死ぬのではないかって思って焦ることもあるようですが、命まで取られることはありませんから、死ぬわけじゃないからなんとかなる、と思えればピンチを脱することができるかもしれません。
1116.焦らずたゆまず
2024.03.03
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
3月はイタリア語検定の季節です。
今季も受験を考えているわけですが、準2級ともなると、先人の正答率1.9%なんていう問題も出ており、難度が高いです。
実際に私自身の現在の学力では文法の得点率が4~6割と言った所ですが、回答を読めばなぜそれが正解かは理解できますので、トレーニング不足と言えます。期日までに全過去問3周修了は難しそうなので、今回は過去問集め土地から試し受験になりそうです。
しかし良いこともあります。辞書を片手に引き引きしていないと全く歯が立たなかった問題たちが、辞書なしでもだいたい何を問うている問題なのかは理解できるようになりましたし、回答スピードも上がりました。分からない問題はいくら考えても分からない(知らない語彙などはどうしようもない)ため、それらを見切るという意味でも速くなったのは良いことです。
結果につながらないけれども地力が地味に上がっている時期というのは焦ったり、落ち込んだりしやすいわけですが、学生さんのように勉強だけしていれば良いわけではなく、業務と家事をやった上で社会人の時間を捻出しての勉強なわけですから、ぼちぼち地力が着いてくるだけでも良いことだと切り替えるようにしています。
準2級を目指しているのですが3級合格までの7回ほど受験して、切り立つ崖のように難しいと感じていたのですが、全文暗誦というのをやり出したら、さすがに語学、2-3冊終えた所で、フレーズがまとまって頭に入るようになってきました。
準2級に関しても最初は切り立つ崖、ほぼ垂直に見えたのですが、今は命綱があれば登れるんじゃないかなくらいには思えています。その内、きつい坂道、何とかなる坂道に変わってくる物なのでしょう。
勉強をして失う物は何もありませんから、焦らずたゆまず、コツコツと続けて行ければと思います。
1115.学習性無力感
2024.03.02
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
学習性無力感とは、1967年にマーチン・セリグマンが発表したものです。
具体的には、不可避な高ストレス下に晒された結果、不快な状況から脱却出来なくなる状態です。抵抗すれば良かったのに、なぜ逃げなかったのか、なぜ訴えなかったのか、と、一見思ってしまうような状況であっても、不可避だったがゆえに嫌なことの受け入れを続けてしまったケースなどはこれに当たります。
動物実験でも証明されており、生物には起こりうることと言えます。したがって、これを気のせいとか、メンタルが弱いから、とか適切な行動が出来なかった自分が悪いと責めるわけには参りません。
拉致監禁、家庭内虐待、いじめ、会社でのハラスメントなどでも同様なことが起こると言われています。
対処としては少しずつ小さな成功を積み重ねていくことが最も良いようです。
そもそも、このブログに辿り着いた行動自体が、読者の方の適切な行動の1つと数えられるでしょうし、受診に至ったならもう一つの成功体験と言えるでしょう。そのように、専門家の門を叩いたこと自体、大きな一歩を踏み出したと言えるわけですから、出来るだけお力になれるよう、心理士、看護師と共に努めて参ります。
皆様も、自分や自分の周りの人が学習性無力感に陥っているのではないかと思われた時は、一度ご相談頂ければと思います。
1114.帰る場所
2024.03.01
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
だいたい心療内科医・精神科医・臨床心理士になる人っていうのは、自分自身にも何かしら葛藤や課題を抱えていたりして、専門性を学びながら自分の課題を克服していく人も少なくありません。友人の中にも、専門家なのに自分のこととなるとなかなか難しいなんて人は沢山います。
その中で最近思うのは、帰る場所があること、帰る場所が安定していることって大切なんじゃないかなってことです。
親や配偶者から暴力や暴言に晒されたり、あるいは、期待なんだけれど重荷なほどのものを持たれていたり、過度に厳しい環境だったりすると、それは安心安全の場所とは言えないかもしれません。
同居の家族とはあまり軋轢や緊張関係がなく、温かく接し合えることが必要でしょう。
なにげのないただいま、お帰り、おやすみ、おはよう、という言葉に、ささやかな気遣いと、それに応えるありがとう、そういうことに満ちている場所が帰る場所であれば帰りたいでしょうし、そうでなければ帰っても安心出来ないことになります。
家庭を守るというのは、お金を入れて、家族を食べさせていくだけでなく、そういった愛情や配慮の行き届いた環境にすべく、日々行動をして行く必要があるのかもしれません。帰る場所の温かさって大事だよなぁと最近しみじみ感じたので、ブログのテーマにしてみました。
みなさんはどんな工夫をなさっていますか?
1113.ニンニク
2024.02.29
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
外来診療という客商売をする身でありながら、ではあるのですが、我が家では割とニンニクを食べているような気がします。しかし、アリインという強い成分がアリシンに変化するとか、アリチアミンになるとビタミンB1の吸収率が上がるとは言われるものの、明確な栄養学的な優位性はあまりはっきりしていないようです。
Wikiによれば、アリシンには強力な抗酸化作用があり、大腸癌、直腸癌の予防の観点からはリスク低下がほぼ確実とされているようです。我が家も父が大腸癌で亡くなっていますから、遺伝的なリスクがあるものを低下できるのはいいのかもしれません。
2月29日を「ニンニクの日」とするイベントも鹿児島県などでは行われるようですし、今年はちょうどうるう年ですね。
エビデンスを調べれば何か役に立つことが書けるかと思ったのですが、それほど決定的なものはありませんでした。しかし、何となく食べている方が調子が良いような個人の実感はあるので、適宜健康管理には気を付けていきたいと思います。
1112.福間でも名人
2024.02.28
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
最近結婚された福間香奈さんが女流名人を奪還され、結婚後の初タイトルを祝われています。旧姓は里見で、出雲の稲妻という異名を取る、歴代最強であろう女流棋士です。福間というのは夫の姓に合わせたようですが、前職が福間病院という所もあり、福間というと、どちらかというと土地や駅の名前の印象が強かったのですが、女流棋士の名前として私になじむにはもう少し時間が掛かりそうです。
良く努力をされて女流名人を奪還されたことは心からお祝いしたいと思います。
柔道の谷亮子選手の、田村でも金、谷でも金、にあやかってか、福間でも女流名人というキャッチコピーで頑張ったようです。
一流の人はプライベートな環境の変化もプラスの力に変えていく力があるのでしょう。
福間香奈さんの今後の活躍を応援したいと思います。