1154.散りゆく桜
2024.04.07
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
今年は、せっかく桜が咲いても雨が多くて、存分に花見に行こうにもなかなか行ききれないうちに桜が散りゆくように思います。
桜は満開になり、散ってしまう美しさがあります。
3月に亡くなった友人はこの桜も見られなかったのだなぁと、感傷に浸りながら、散りゆく桜を眺めています。
1153.高山の頂にして
2024.04.06
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高山の頂にして親と子の心相寄るはあはれなるかな 赤彦
島木赤彦の拾遺より。
赤彦が我が子と一緒に日本アルプスに登った際、その頂上で折悪しく雨に出合って、寒冷な高山の雨に濡れた身を、小舎の中へでも入って親子が直に体と体を触れあうことによって、初めてそこにこれまで感じなかった恩愛の上を、ほの温かい肉体の温かみを通して感じられたものを詠んだと思われます。
登山などの非日常の厳しい環境、器具がないからこそお互いがとても大切に思う距離感、体温などは、山では最も確実に暖の取れる手段であり、お互いの生命の証でもあります。何気ない日常を暮らしていても、お互いの生命力などを思い至って、家族や周りの人たちを大切にしていけたらと思います。
1152.赤ちゃんがゆっくり育つのは
2024.04.05
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
動物ドキュメンタリーなどを見ていると、馬の子などは、生まれてすぐに立って草原を走ります。そして、人間の赤ちゃんのように泣きません。泣いたら肉食獣に見つかって危険ですからね。哺乳類でも、産後すぐ立つものがいるのに対して、人間の赤ちゃんは立つまでに時間が掛かるようです。なぜなのでしょう?
人類は直立二足歩行を手に入れたことで骨盤の形が変わりました。産道が通りにくいため、小さく産むことになりました。
それがまず一点であり、その後、脳を優先して成長させる方略をとったために、頭でっかちとなり、また身体の成長より脳の成長が優先されることもあり、身体能力の成長は後回しとなりました。それでは手が掛かるため、集団の力を借りて共同育児をすることにしました。
保育園や幼稚園に子供を預けることに罪悪感を感じる方もおられるかもしれませんが、集団による共同育児は人類であるが故にそうなっているわけです。預けっぱなしで一切面倒を見ないというと問題がありますが、手が掛かる子を保育園等に預けて稼ぎ、帰宅後の家族団らんを大事にするのは、人類の成長戦略の理にかなっているのです。
ですので、若いお父さんお母さんは、子供を預けることには罪悪感を持たず、大変な時間を少し減らしたり、個人的な時間を持つようにしたりして良いのではないかと思います。そして、接していられる時間を大切にしてあげさえすれば、子供はよく育つと思われます。
1151.巣立ちと春
2024.04.04
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当院でも、3月でよく勤めて下さった心理スタッフが、産休代替終了となり、無事に巣立っていきました。
最後まで気持ちを切らさず、丁寧に患者さんの対応を心がけてくれ、とても感謝しています。
それぞれ、新しいところでしっかりした就職先を見つけており、当院で学んだことが次の職場でも生かしてもらえたらと願っています。
4月からは産休明けの既存のスタッフも復帰します。
人の入れ替えはあったものの、患者さんへの丁寧な対応はどのスタッフも心がけており、常に質の向上に努力しています。
4月からも当院をよろしくお願いいたします。
1150.餅まき
2024.04.03
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ウチの相方が、姪浜の方で耳鼻科を開業することになりました。
14日の10時~餅まきがあるようです。
私は駆けつけるかはちょっと分からないのですが小学校前であり、お子さんのいらっしゃることはのぞいてみていただいてはいかがでしょう。
まつばら耳鼻咽喉科https://matsubara-ent.clinic/
1146.遅い夕食の是非
2024.04.02
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
残業が遅くまであると必然的に帰宅も遅く、食事も遅くなりがちです。
ところが、睡眠薬の中には、デエビゴやクアゼパムのように食後3時間空ける必要があるもの、つまり空腹を前提に内服になっているものがあります。関係のないタイプのものもありますが、空腹時内服が重要な眠剤は、食物の中に薬が溶解してしまい、血中濃度が1/4程度しか上がってこなかったり、ピークへの到達が遅れたり、ピークの高さが元来の半分であったり、朝方に傾眠傾向を持ち越したりしてしまいます。
夕食が遅すぎると、カロリー摂取の面でも、脂肪になりやすいとか体重増加につながりやすいとかのデメリットもありますが、内服の面でも上記のような不都合があるわけです。
そういうこともあるので、薬の効きが悪かったり、持ち越したりされる方には夕食の時間帯が遅くなっていないかをお伺いさせて頂いております。
逆に夕食を摂ると眠くなってすぐ寝てしまう、という場合は今度は、もう眠いわけですから、食物の中に溶解してしまう薬物を内服されない方が望ましいと言うことになります。
夕食の時間帯が遅い方や、夕食を摂るとすぐに寝てしまう方は、内服の仕方に注意が必要ですのでお申し出いただければと思います。
1145.うち皮膚科様へ行って参りました。
2024.04.01
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
西新のNTT跡が建て変わり、整形外科・婦人科・皮膚科とくら寿司などが入ったようです。
開業広告にお菓子のシェルレーヌをくれるなんて書いてあるので、おやつにつられて見学に行ってきました。
シェルレーヌと言えば、我が故郷、三重県の誇る焼き菓子です。貝殻の形をしたマドレーヌみたいなものなのでシェルレーヌと言うんだと思います。実家に帰った時に母が用意してくれていたりします。
経歴を拝見すると院長の内小保理先生は三重大学のご卒業とのことで、突撃して伺ってみたところ、後輩であったことが分かりました。
直接の面識はなかったのですが、サークルの後輩など共通の知り合いがいたことが分かりました。
福岡にもちょいちょい三重大学卒の医師も働いており、同門として応援していきたいと思います。
1144.ネモフィラ
2024.03.31
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
海の中道海浜公園には青いお花のネモフィラが咲いているとのことで、少し行って参りました。
花言葉は「どこでも成功」「可憐」「あなたを許す」です。 まさに「可憐」で可愛らしいイメージのネモフィラですが、厳しい環境でもぐんぐん育っていく丈夫な一面もあり、そんな特徴から「どこでも成功」という花言葉がつけられたそうです。
やっぱり、成功していくためには人を許すところからとか、可愛げも必要よね、などといろんなことを連想してしまいます。
季候も良く、桜も咲き始めでしたので、お茶の振る舞いも頂いて帰って参りました。
元気な親子は自転車のレンタルも受けていたようです。
もし良かったら海の中道まで足を伸ばして頂いてはいかがでしょう。
1143.採集活動
2024.03.30
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
人間の採集活動は、常に仲間の食欲が反映されているという点で類人猿のそれとは異なると言われています。具体的には以下の4点が挙げられます。
1.自分の必要以上の食物を採集し、
2.それを仲間の元へ持って帰り、
3.仲間と分配し、
4.一緒にそれを食べる
人間はこのそれぞれの過程で、自分の食欲を抑制しなければなりません。当たり前のようでも、この抑制は人間以外の霊長類には至難の業なのだそうです。これが可能になるためには、採食活動を社会活動として評価し直す必要があります。このような採集活動は、仲間への期待と信頼なしには行い得ないわけです。
そう思えば、配送業などは人類でないと出来ない社会的な作業と言うことになります。本当の猫やペリカンには宅配は出来ないと言うことなのでしょう。
ネット通販で色々便利に届けてくれる宅配業の方にも、人類だからこそ出来る抑制を発揮していると思い直し、もう少しリスペクトの気持ちを高く持ってみたいと思います。
1142.戦争は本能ではない
2024.03.29
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
第二次大戦の暗黒が終わった時、勝った方も負けた方も、殺傷の多さという暗さに苛まれました。
そこに光を投じたのが戦争本能説といいます。
戦いは昔から人間とともにあり、究極の平和解決の手段とする説です。この説は戦争を肯定するような考えに導き、犠牲者の痛みを思う気持ちを軽減させました。
しかし、霊長類学者の山極寿一先生によれば、それは間違っているのだと言います。
700万年前に人類は、チンパンジーとの共通の祖先と分かれました。以後、人類の祖先はゴリラ並みの小さな脳で植物性の食物を採集していたと言います。脳が大きくなり始めるのは200万年前で、狩猟具としての槍が出てくるのが50万年前と言います。現代人、ホモサピエンスは20万年前からの出現で、それまでは集団猟で大型の獲物を捕らえることは出来なかったようです。つまり、狩猟は人類進化を牽引したエンジンではないというのです。
集団間の戦いの証拠が出現するのは約1万年前の農耕の出現以降であり、日本では弥生時代からと言います。そんな短い期間に戦争本能などという性質が遺伝的に定着するわけがないから、戦争本能説は根本的に間違っているというわけです。
人間の戦いはつい最近まで類人猿と同様に性的なトラブルに発端することが多く、未然の抑止や第三者による調停が可能だったと山極先生は考察しておいでです。
ネイチャーという有名な雑誌に投稿された人類学者ゴメスの論文によりますと、前哺乳類の80%の科を対象として、種内暴力により死亡した割合を系統比較したところ、哺乳類全体では0.3%であり、霊長類とネズミやウサギの共通祖先になると1.1%、霊長類とツパイの共通祖先になると2.3%に上昇します。跳ね上がる理由は霊長類が集団で連合を組んで暮らし始めたためと言います。
類人猿の共通祖先では1.8%、ホモサピエンスの祖先も2.0%と他の霊長類と変わらないのに、新石器時代になると急上昇し、特に3000年前の鉄器時代以降は15~30%にも上ると言います。
この結果は、人間の暴力や戦争が新石器時代以降の文明によって極端に増加したことを示していると言います。つまり、人間は暴力を用いて平和や秩序を作る動物ではないわけで、私たちは戦争本能説を唱える政治家にそれを利用されないよう、目を光らせている必要があります。
この興味深い記事は、「ゴリラに学ぶ男らしさ」(山極寿一著:ちくま文庫)の一部から抜粋して紹介させて頂きました。