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1152.赤ちゃんがゆっくり育つのは

2024.04.05

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
 
 動物ドキュメンタリーなどを見ていると、馬の子などは、生まれてすぐに立って草原を走ります。そして、人間の赤ちゃんのように泣きません。泣いたら肉食獣に見つかって危険ですからね。哺乳類でも、産後すぐ立つものがいるのに対して、人間の赤ちゃんは立つまでに時間が掛かるようです。なぜなのでしょう?

 人類は直立二足歩行を手に入れたことで骨盤の形が変わりました。産道が通りにくいため、小さく産むことになりました。
 それがまず一点であり、その後、脳を優先して成長させる方略をとったために、頭でっかちとなり、また身体の成長より脳の成長が優先されることもあり、身体能力の成長は後回しとなりました。それでは手が掛かるため、集団の力を借りて共同育児をすることにしました。

 保育園や幼稚園に子供を預けることに罪悪感を感じる方もおられるかもしれませんが、集団による共同育児は人類であるが故にそうなっているわけです。預けっぱなしで一切面倒を見ないというと問題がありますが、手が掛かる子を保育園等に預けて稼ぎ、帰宅後の家族団らんを大事にするのは、人類の成長戦略の理にかなっているのです。

 ですので、若いお父さんお母さんは、子供を預けることには罪悪感を持たず、大変な時間を少し減らしたり、個人的な時間を持つようにしたりして良いのではないかと思います。そして、接していられる時間を大切にしてあげさえすれば、子供はよく育つと思われます。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分