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632.躾ける力

2022.10.29

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 旅行でロンドンに行ったことがあります。
 クイーンズパークを散歩したと思うのですが、まず驚いたのは犬の多いこと。
 次に驚いたのは、犬の躾が良いこと。
 吠える犬、ふざけて迷惑を掛ける犬、いませんでした。

 本当か。と目を疑ったのですが本当でした。

 これがイギリス人の犬の躾の力なのかと思いました。

 最近は日本すごい、的なYouTubeも増えていて、確かに、ゴミ拾いをするとか、規律を守るとか日本人の素晴らしさももちろん誇らしく思って良いと思うのですが、他の文化の人達のすごさも見習うべき所は見習いたいものです。

 大英帝国が世界を席巻していた時代があり、やっぱり躾の力はすごいのだなと思いました。

 イギリス人といえば、美味しいご飯が作れるか怪しい(フィッシュアンドチップス)という話がある一方で、テニス、サッカー、ラグビー等、野球や柔道以外の多くのスポーツがイギリスでルールブックを作られている気がします。これに関しては私の勉強不足もあるかもしれないので正確かは分かりませんが。
 ルールブックを作ることは逆に言えば、ルールに書いてなければやってもいいという、狼藉可能な心性で、日本の言ってなくても神様(仏様、お天道様、お月様、お星様)が見てるから悪いことはしない、という心性と割と逆です。流石海賊行為を公認してのし上がっていった国家はたくましさが違います。

 植民地になった国の人を動物扱いするつもりは、私自身はありませんが、前近代の西洋人に於いては、非西洋人は犬猫と同じと思っていたとしても否定は出来ないでしょう(実際に奴隷にしたこともあり)。そういう差別的観点は関心はしませんが、現実問題として当時の西洋人の「常識」だったという前提からいうと、「躾ける力」というのは重要なものです。
 エリザベス女王の死去に伴い、英国連邦がクローズアップされましたが、今なお独立した国家のいくつかは、民主的ではあるけれども、象徴的に大英帝国の王を王としているようです。そういう風に控えめな支配も行って、反抗させないのもイギリス人の力なのかもしれません。

 躾ける力を、不当な支配に使うことが、本当に良いことかは再考しなければなりませんが、一方で、叩いて止めさせるなど、普段、稚拙な子育てから脱却し切れていないのが我々の現実です。

 他の国の人を奴隷にして躾ける、なんてことは現代許されざることです。しかし、一方で、ペットに社会性や規範遵守の力を付けさせることの出来る方法論には、我々も暴力や虐待のない子育てを目指すという意味では、良い所を学べる可能性はあると思うのです。

 大英帝国の黒歴史はさておき、より良い躾ける力が付くならば、他文化をはじめ色んな勉強が必要なのかなと思いました。

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