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332.原因追及と解決志向

2022.01.02

332.原因追及と解決志向

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。素敵なスタッフが加わり、元気に営業しております。

 上司など管理者に多いのは、何か不具合があった時に原因を究明する方です。
 もちろん、原因が明確化されたり、再発防止策に役に立つのであれば、こういう姿勢は重要なことです。

 医学において最良の治療は、可能であれば原因療法です。

 例えば、心筋梗塞の急性期に血栓の詰まっている血管を同定して速やかに血栓を溶解させるのは、原因療法の最たる物です。とても根本的であり効果的です。

 しかし、心筋梗塞や脳梗塞も手遅れになって不可逆的な変化が起きてしまうとリハビリなど別の治療が必要となり、原因は分からないよりは良いけれど追求しても仕方がない時期が来ます。

 山火事の原因はタバコの不始末でした、と分かったとして、はげ山に必要なのは犯人追及よりも植林になるでしょう。

 速やかに解決した方が良い場合は、原因の詮索に労力を払うよりも、出来るだけ解決やリカバリーに注力した方が良いことがあります。

 このように本当に大事なことは、常に原因を追及するばかりでも、常に解決を志向するのでもなく、時期や状態に応じて適切な対処法を見いだすことではないかと思います。

 悩みの問題は相手があることも多く、相手を変えられないことがほとんどです。

 ご相談の内容に応じて解決志向も取り入れながら、一緒に治療を考えさせて頂いております。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分