1359.バタフライハグ
2026.03.23
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。
六本松地区で開業しております、まつばら心療内科の松原慎と申します。
トラウマを治療するには、EMDRなどの左右交互刺激を用いた方法が有効とされています。私も若い頃、何十万円もかけてPartⅠ、Ⅱの講座を受講し修了しています。
EMDRは学会もあるため用語の説明は省略しますが、左右交互刺激を用いて心的外傷を治療していく有効な方法です。
その中に、バタフライハグというものがあります。
両腕を胸の前でクロスさせ、反対側の肩に手のひらを当てます。
そして、ゆっくりと左右交互に、蝶の羽が羽ばたくように両肩(前胸部)を軽く叩いていきます。とてもソフトなタッチで行うのがポイントです。
これを「大丈夫、大丈夫」と心の中で繰り返しながら、30回程度の交互刺激を数セット行います。すると、トラウマに対する恐怖感が和らぐことがあります。
先日も、とても怖い体験をされたお子さんとお母さんがおいでになりましたが、バタフライハグを行うことで、初回診療後から回復の経過を示され、比較的早期に改善が見られました。
もちろん、抗不安薬や漢方を使用することもありますが、しっかりとした心理療法がベースにあることで、ケースによっては短時間で回復される方もいらっしゃいます。
私はこのように、可能な限り持っている技術を提供し、全人的な治療に当たれるよう心がけております。
1358.尾骨
2026.03.22
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。
六本松地区で開業しております、まつばら心療内科の松原慎と申します。
私は、心療内科医としてボディートークという身体技法を大切に使用しています。
大阪を中心に主に西日本で指導をされている、音楽家・ボディーワーカーの増田明先生(同協会会長)と、副会長の城石明喜子先生に師事しています。
その中に、尾骨の扱い方というものがあります。
尾骨は仙骨の下にある骨で、一般には尾てい骨(尾骶骨)とも呼ばれますが、解剖学的には尾骨です。本稿では正式名称である尾骨で通させていただきます。
一般に、犬など尾のある動物は、機嫌が良ければ尻尾が立ち、しょんぼりすれば尻尾を巻くなど、感情の発露として分かりやすく現れます。
心療内科に来られる方の中には、DVや被害などにより怖い思いをされた方も少なくありません。先日も暴力被害を受けた方がいらっしゃいましたが、家族や看護師の陪席など安心できる環境を整えた上で、尾骨を診察しました。
そのような場合、尾骨には圧痛が強くなっていることが多く見られます。
人間には犬のような長い尻尾はありませんが、退化した形で尾骨が残っています。言い換えれば、人間も怖い思いをすると「尻尾を巻く」ような状態になるのです。
そこで、尾骨周囲を丁寧にほぐしていきます。単にやさしく触れるだけでなく、「怖かったですね。でももう大丈夫ですよ」と心に寄り添いながら、体にも丁寧に働きかけていきます。その結果として、恐怖で固まっていた全身の緊張が緩んでいくことがあります。
もちろん、EMDRなどの左右交互刺激による治療や、バタフライハグなども有効です。これらを併用することもありますが、今回のようにボディートークによる体へのアプローチは即効性を感じる場面も少なくありません。
必要に応じて抗うつ薬や漢方なども併用しますが、まずは全人的に、心にも体にも寄り添う診察があってこそ、その後の治療がより一層、活きてくるのではないかと考えています。
1357.在宅PSGに対応しました!
2026.03.21
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。
六本松地区で開業しております、まつばら心療内科の松原慎と申します。
これまでにも何度か、睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療の重要性について、当ブログでも触れさせていただいてまいりました。
SASの検査には、
・簡易ポリソムノグラフィー(簡易PSG)
・在宅フルポリソムノグラフィー(在宅PSG)
の両方があります。
SASの
疑いのある方は、まず簡易PSGを検査させていただきます。
鼻元と指先のプローブを使用するだけで簡単に出来る検査です。ご自宅で自分の枕で眠れますし、お薬もいつも通り内服していただいて構いません。お酒は控えていただきます。
検査キットは宅配され、無料返送キット付です。
そこで、無呼吸低呼吸指数(Apnea hypopnea index:AHI)を評価します。
AHIは、1時間あたり何回無呼吸や低呼吸が起こるかを示す指標で、5以上で睡眠時無呼吸症候群とされます。
例えばAHIが30ですと、1時間に30回の呼吸停止があることになります。言い換えれば、約2分に1回、息が止まってしまっている状態です。
簡易PSGでもAHIが40以上となりますと、CPAP療法の適用となることが多く、CPAPという、呼吸が止まるとセンサーがキャッチして、自動的に空気を気道に送り込んでくれる機械を使用して治療を行います。
数回の使用でも抑うつ症状が改善した方も経験しておりますので、お勧めの治療法です。
AHIが40以下の場合でも、在宅PSGでAHI:15以上ですとCPAP治療の適用になる場合がありますので、次の段階として在宅PSGを検査します。
3割負担で12,000円程度ですが、呼吸器科の病院などに入院すると場合によっては10万円ほどかかることもあると聞いていますので、それよりは受けやすい検査です。
これまでは福岡病院など大きな病院でフルPSGという上級検査をお願いしておりましたが、今後は在宅PSGを活用していただくことで、ご自宅で精密検査が可能となります。
頭や顎、胸などセンサーが多いのですが、装着動画などもあり、比較的負担少なく検査を受けていただけます。
このように当院でも、うつや無呼吸に対して全人的に対応できるよう力を入れておりますので、どうぞ今後もお気軽にお問い合わせくださいますようお願い申し上げます。
1356.したたしか
2026.03.20
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。
六本松地区で開業しております、まつばら心療内科の松原慎と申します。
私は心療内科医として、身体の状態も大切に目を向けています。
その中でも、意外に大切にしているのが「足」です。
足は、皆様の体を支え、踏みつけられても文句ひとつ言わず、一歩一歩、あゆみを運んでくれます。
「したたか」という言葉があります。
もともとは「下が確かである」ことから生まれた言葉で、土台がしっかりしているために堂々としている様子を表します。
近年では、タフな交渉者といったニュアンスでも使われているようです。
例えば、足の親趾が不調だと前に進みづらくなり、小趾が不調だと踏ん張ったり退いたりすることが難しくなります。
ぜひ、お風呂の際や寝る前に、一日支えてくれたご自身の「足」に、
「今日も支えてくれてありがとう」という気持ちを届けてみてはいかがでしょうか。
足へのねぎらいを大切にすることが、うつの治療の第一歩になるのかもしれません。
1355.心の百科事典
2026.03.19
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。
六本松地区で開業しております、まつばら心療内科の松原慎と申します。
不定期ではありますが続けておりますこのブログを、ありがたいことに「心の百科事典」のようにお使い下さる方もいらっしゃいます。
雑談も多いのですが、何か行き詰まった時にふと目を通していただいていることもあるようです。
「和顔愛語」という言葉が、恩師である松原秀樹先生の座右の銘でした。
当ブログでも過去にご紹介したことがあるかと思います。
今後もこのように、心に留めていただきたい言葉や考え方を取り上げてまいりますので、少しでもお役立ていただけましたら幸いです。