1103.菩薩の心
2024.02.19
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
医者なんかやっていますと、自分はさておき、先輩にも後輩にも非常に優れた人材と知り合うことがあります。
その内の一人に、リスク管理も出来て、態度も発言も柔らかく、恩を感じればしっかり返し、筋は通せて、後輩も守るという人がいます。もちろん先輩への配慮も忘れません。それが無理する体ではなく、日々出てきていて、かと言ってご家庭でもちゃんと子どもさんと遊ぶ時間は作っている様子で、だから大きな会を任されたりするんだろうなぁなんて感心してみています。
私では、ここまで上手には立ち回ることが出来なかったでしょう。
そういう徳のある生き方というのは憧れるものです。
その方には足下にも及びませんけれど、その菩薩のような心を、少しでも持てたら良いなと思っています。
1102.平常運転
2024.02.18
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
最近は、パソコンは壊れるし、師匠の内の一人は体調不良だし、私個人はそんなに悪い状態じゃないのですが、落ち着きません。
しかし、機械はしょうがないのであるものでやるしかありませんし、他の方の調子なんかは心配した所で結果が変わるものでもありません。そういう時こそ前を向いて自分のやるべき日常に集中することが重要です。
夜更かしするより寝る、食べないよりは食べる、などなど。
帰宅する時に家に電話して家族が電話に出てくれるとか、夕飯の支度を少し手伝ってくれるとか、それだけのことでなんだかとても救われます。何気ない日常、家族との時間を大事にすることって結構大切なことなんだろうなと思います。
知り合いに、能力自体は天才、だけど家庭人としては結構ダメなんて人もいます。
そういう人が体調を崩していく様をみていると平常運転を行うこともまた一つの才能や努力とも言えます。
偉大なる平凡という稿でも同じようなことを申し上げましたが、落ち着かない時ほど平常運転の大切さを感じるわけです。
野菜を多めに採り、体も適度に鍛え、知的な友人と交わり、平常運転を続けていく。これもまた、良きことかなとしみじみ思います。
1101.オカリーナいずみ様にお越し頂きました。
2024.02.17
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
先日は、大沢聡先生の同門、オカリーナいずみ様にご来院頂きました。
若い方ですが私よりオカリナ歴は長く、大沢聡先生を福岡にお呼びする際も、力になってくれた方と聞きます。
私はどちらかと言えばクラシック寄りですが、いずみ様はジャズ寄りで、個性は全く違いますが、お互いに師匠を敬愛し、日々オカリナに励んでいます。彼女は夜のライブに出演されることが多いようです。
また、切磋琢磨して行けたらと思っています。
1100.弱さという強さ
2024.02.16
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
故日野原重明は、聖路加病院の院長だったり、音楽療法学会を牽引したりとバイタリティー溢れる方で、100歳になっても講演活動をされており、心療内科の黎明期を伝えるために池見先生とどういうやり取りがあったか、わざわざ福岡にいらして下さり、講演して頂いたこともあります。
100歳超えのスーパードクターですが、4階以下の階段は自力で上がるとか、ルールを決めていたと言います。
しかし、彼が長生きした理由は、身体が弱かったからではないかとも思われます。結核をやって徴兵が不適格になったという所があります。兵隊さんになるには、結核で肺の一部が潰れていた彼は弱かったと言えます。逆にその弱さがあったからこそ身体に気をつけて長生きしたのではないかと思っています。
私も良く、寝不足や業務過多になると口内炎を起こします。結構痛くて嫌なんですよね、アフタ性口内炎。
息子も最近なったので、体質が似たんだろうなと思います。
友人に肝臓が壊れるほど酒を飲む人がいるわけですが、同じ生活をしていたら私だったら、ヘルペスかアフタが必発でしょう。逆に言えば、そこまで行く前に身体が弱っているとアラームが鳴るわけです。それによってそれ以上の無理や不摂生をしなくなります。
弱さという強さ、自分が弱いことを自覚している方が長期的には強いのかもしれません。
1099.看護師さん
2024.02.15
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
胃カメラネタを別の角度から書いてみます。
看護師は、非常に多彩な看護業務を許されている国家資格で、総合病院に勤務などしていると、ローテーションによっていろんな科の看護をしています。医師は、修行出来るのはせいぜい一つか二つの科ですから、出来る看護師は出来る看護業務の幅が非常に広い特徴があります。
内視鏡クリニックでは、バイタルを図ってくれたり、麻酔の前処置をしてくれたりする訳ですが、内視鏡のしんどい時に背中を優しくさすってくれていたのが実は一番体験的には助かりました。
ドクターも丁寧に接してくれているのですが、両手が内視鏡の操作で塞がっていますし、むしろ術者は内視鏡を制御して頂く必要がありますしね。本当に上手に飲めていたのかは実際分からないわけですが、背中に触れていると、緊張して固まった背筋が筋弛緩法で徐々に緩んでいく様も感じ取ってくれていたはずで、喉が詰まると緊張するが被験者が一生懸命リラックスしようと心がけていたのは触れていたからこそ汲み取って頂けた面もあるのでしょう。
当院でも、勇気を出して電話してくれた方に丁寧に看護師や心理士が応対させて頂いておりますが、彼女たちの優しさや配慮に支えられてのクリニックだなぁと、改めて思いました。
1098.胃カメラ
2024.02.14
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
いい歳になって、初めて胃カメラを受けてきました。
昔は、直視鏡なんて言いまして、サーカスの呑剣士が、喉のキシロカイン麻酔もなしに、喉~食道~胃と剣を通してみせる訳です。その要領で直視鏡は直接胃の中を覗くわけですが、ねじ曲げられないので、真っ直ぐ下の粘膜しか見えないわけです。
呑剣士でなくても、あるいは、光ファイバーの技術で、噴門部(振り返って胃の入り口)も十二指腸も見られるようになったのはとてもありがたいことです。
胃カメラはありがたいありがたい、と思って飲むものだ、と自分に言い聞かせて臨んだ訳です。
喉の麻酔はキシロカインゼリーというのをしばらく喉に馴染ませます。これがお薬の味が苦いんですね。イチゴ味とかないのかなと妻にこぼしたら、ないやろ、と一蹴されてしまいました。イチゴ味があれば、受けると思うんですがねぇ。
それでも喉は反射の世界なので、時々おえおえします。
案外苦しかったなぁと思いました。
筋弛緩法や動作法の知識があるので、自分が緊張しているのが分かりましたから、都度都度背筋や腕の筋肉を脱力させていきました。ドクターは上手に内視鏡をして下さったと思いますし、看護師さんからも上手に飲めていたと言って頂き、終わってみればどうと言うことはなかったのですが、やっぱり涙も出ましたし、次回は鎮静を掛けてもらうか、要検討です。
ちなみに、結果は大きな異常なしでしたのでご安心下さい。
1097.断れる関係
2024.02.13
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
私は、寂しん坊ですから、仲の良い人とご飯を食べたり、お酒を飲むことが好きです。ですので、勉強会の後などちょこっとお店に行くなんて言うのは割とある方です。
ただそこで一つだけ決めているのは、参加を決して強要しないということです。逆に、安心して断れるようにしています。
そういうこともあってか後輩の方もお弟子さんも、今日は帰ります、とあっさり帰る人も多いです。
毎回毎回遅くまで付き合わされるようだと集まり自体に来たくなくなってしまっては本末転倒というもの。
気兼ねなく断れる関係、というものの方が、健全なのではないかと考えています。
1096.とすね療法
2024.02.12
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
内観療法に自律訓練法、動作療法、催眠療法、行動療法、精神分析、交流分析、ブリーフセラピー。色々学んできましたが、とすね療法は知らなかったので、何だそりゃ?と思って本を読んでみました。
睡眠医学の権威、スタンフォード大学睡眠医学センターの河合真先生によれば、
とりあえず
すいみんやく(睡眠薬)で
ねむる(眠る)
療法
の頭を取って、と、す、ね療法なんだそうです。
精神疾患を改善させるためには、睡眠の確保が必須と言われています。一般に精神科医が、「睡眠薬を使って良いから眠って心のエネルギーを貯めましょう」と申しますが、まさにこのことと言えるでしょう。
私の方も最初の1ヶ月はベッドで寝たまんまでも良いくらいと睡眠を推奨しています。
鬱の治療が上手く行くには
①「とすね療法」でとりあえず眠る
②原因となる精神疾患の治療が抗うつ薬や抗精神病薬で上手く行く
という2つの要素が必要です。
もちろんこれで万全でもないですし、途中途中で、経過中の原疾患の再評価や治療の再構築を行う必要がありますが、とりあえず眠る、というのは大事なことなのだと思います。
(出典:睡眠専門医がまじめに考える睡眠薬の本:河合真著、丸善出版)
1095.タウン誌Sunday様に掲載して頂きました
2024.02.11
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
先日タウン誌Sundayの2.3日号に教えてドクターの所に掲載して頂きました。
過敏性腸症候群も良いかなと思いつつ、当院の独自の話は解離性障害かなという話をした所、ライターの方が随分関心を持って下さって記事になりました。
配布エリアが南区以南と、中央区の開業にしてはちょっと微妙なポジションではあるのですが、案外当院には春日市・大野城市・筑紫野市からもお出でになるので、お役に立てれば幸いです。
1094.痩せすぎモデル禁止法
2024.02.10
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
欧米では平均的な女性のBMI(body mass index:体重を身長(m)の2乗で除したもの)が25を超えてはいるものの、モデルの平均は、17.6だったという話もあります。
痩せすぎモデルは死亡例も報告され、摂食障害への悪影響があることから、2006年にイタリア政府がBMI18.5以下のモデルの露出を規制したのを皮切りに、スペイン、アメリカ、イスラエルなどでは同様の措置が執られています。2015年にはフランスで痩せすぎモデル禁止法が成立、英国でも、ロンドン交通局が非健康的な身体像の広告規制を打ち出しました。デンマークは業界内規制を作ったようです。
日本では、まだ法制化が遅れており、身長と体重の好評から言えばBMI14~16のモデルはまだ活躍していると言われています。
九州大学の心療内科では摂食障害センターがあり、摂食障害の相談の中枢として、各地の医療機関と連携しながら摂食障害と取り組んでおり、当院でも難治性の摂食障害はそちらにご紹介するなどして、対応しています。
太りすぎも良くありませんが痩せすぎも良くなく、健康を維持出来るよう取り組んでいきたいものです。