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756.人の悪口

2023.03.11

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 一流の人というのは人様の悪口を言わないもので、将棋の藤井聡太竜王であれ、野球の大谷翔平選手であれ、考え方や受け答えもとてもしっかりしています。家族や同僚が人の悪口を言うのに耐えかねる、という訴えは時々聞かれます。感心しない対象を批判することで自分の批判精神のストレスは緩和出来るかもしれません。
 しかし、得てして、誰かの批判をする時、その指摘を最も聞くべきなのは自分自身だったりするので不思議なものです。よく政治家の方などがブーメランなどと言われていますが、私自身の自戒も込めて、批判を口にする時は慎重にする必要があるのではないかと思います。
 どうして理解出来ないのかとか、なぜそこにこだわるのか、とか、自分のペースと異なるものにぶち当たった時、人間はとてもストレスを感じるようです。
 その時は、少し冷静になって一歩下がって、相手がその点を大切にしている理由はもう少しあるのかもしれないとか、こちらが十分理解出来ていないのかなとか、もう少し説明を加えたら良いのかな等、柔らかい発想を試みることが大切なのでしょう。
 人様の悪口を言ってしまうと、自分自身を貶めることになりますから、口から出す言葉を綺麗に出来るよう、普段から心がけて行くことが大切なのかもしれません。

755.梅から桜へ

2023.03.10

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 おひな様の節句も終わり、徐々に温かくなって参りました。
 休日、散歩していましたら、梅が随分散っており、桜のつぼみが大きくなってきています。
 いよいよ春が来るのだなぁと実感しています。知っている花を観察するのも、知らない花が咲いているのを見るのも楽しいものです。

 3月は去ると良い、卒業や退職、異動などで人が去って入れ替わっていく時期でもあります。

 会者定離とは言いますが、離れていく人にもそれまでのご縁に感謝したいと思います。その気持ちを持ち続けていれば新たな出会いも、良きものになると思うからです。

754.カワセミ

2023.03.09

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 カワセミという鳥は、目の覚めるような青が美しい、宝石のような鳥です。
 学問的にはブッポウソウ目カワセミ科カワセミ属なのだそうです。
 カワセミは宝石のような鳥と言われますが、その理由は構造色にあるようです。その青さは色素の青ではなく、羽毛にある微細構造により、光の具合で青く見えるためで、角度や見え方によって様々な色にも見えるため宝石、と称されるのでしょう。喉と耳の辺りが白く、胸と腹と眼の前後は橙色で足は赤であるためそのコントラストがまた一層、その美しさを際立たせています。
 翼開長25センチで20~40gほどなので、携帯電話の重さを考えれば、流石に鳥だけあって、とても軽いことがよく分かります。餌は水辺から水中に飛び込んで、魚や水生昆虫を捕らえて食べます。
 獲物を狙う時に水辺でその美しい姿に我々が出会うことが多いような印象です。

 先日は、鬱だった方が、周りを見るようにしたらカワセミが目に入ってきた、と仰っていました。

 それをきっかけにどんどん良くなって行かれました。
 狭窄化していた視野がふと開き、カワセミのような美しい物が目に飛び込んでくる時、文字通り光が差してくるのかもしれません。

753.自分にやさしく

2023.03.08

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 ワールドベースボールクラシックでは日本チームの活躍が期待されています。
 大リーグ挑戦の架け橋となった野茂英雄投手は、トルネード投法で2度のノーヒットノーランなどを記録した素晴らしい投手です。現在日本のリーダー的存在であるダルビッシュ有選手は、野茂氏から教えを受けた時に、気持ちの切り替えを聞いた時、「そんなのしょうがないやん」と返されて楽になったと言います。
 打たれたこと、抑えられなかったことは、悔やんでも仕方がないと言うことでしょう。
 自分に優しく出来たことが野茂氏の強さではないかとのことでした。

 責任感があることは良いことなのかもしれませんが、ついつい私達は出来ていないことに目を付けて自分を責めがちです。

 もちろん、修正が必要なことはあるでしょうが、過剰に落ち込んでいてもパフォーマンスは上がりません。

 そういう時は、自分に優しくし続けることが長く活躍できるコツではないかというのです。
 私も、少しでも永く地域貢献出来るよう、自分にもやさしくしながら、日々の努力を重ねようと思います。

752.Win-Win-Win

2023.03.07

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 仕事をすれば、ストレスはつきものです。
 労働の労力や時間を対価に給与という金銭を頂いてくる訳ですから、その多くはやっていて楽しいことではないかもしれません。好きなことを仕事に出来た幸運な人達もいますが、スポーツ選手でも、頭脳競技者でも競技には勝ち負けや重圧があります。それらのプレッシャーやファンからの期待もストレスになるでしょう。

 相手方があり、自社があるとき、双方に利益のある考え方をWin-Winと言います。
 外交などでも使われる用語で、双方が交流による利点を享受していくことが重要となります。

 さて、仕事をしている時、相手の会社も自社も利益があった時、その当事者であった、自分自身はやり甲斐や達成感を十分感じられているでしょうか?もし、ここに満足感がないと、その仕事を続けて行くには困難があるかもしれません。逆に、充実感があるのであれば、喜んでその仕事を継続できます。
 このように、仕事をする際は、相手方、自社の利益だけでなく、ご自分自身も幸せであるかもバロメーターになります。
 Win-Win-Winで考えるというのはそのような考え方の提案です。

 ご自身のお仕事が、Win-Win-Winに出来るよう、仕事との向き合い方を前向きに捉えてみられてはいかがでしょう。

751.ありのままの自分

2023.03.06

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 パートナーや配偶者は、良い関係を継続することが理想的です。しかし、パートナーから自分の欠点について直されるように注意されることもあるでしょう。
 社会人として絶対に直した方が良いレベルのものであればそれは受け容れた方が自身のためにも得策ですが、好みの問題であって直さなくても良さそうなレベルのものになってくると直したものか一考の余地があります。
 後者のケースだとそこまでして相手に合わせていくのか、と言うことになりますが、この辺が生活や文化の差違になるわけです。後者のケースの場合、習慣を変えない方が自分らしいのであれば、その相手とのお付き合いから考え直しても良いでしょう。
 ありのままの自分を受け容れてくれる相手との交流を続ける方が楽ですし、生産的だからです。

 みなさんは、親しい人の前でありのままの自分でいられますか?

750.性急

2023.03.05

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 人によっては、一旦刺激に反応すると、すぐに解決しないとどうしても気が済まない、という方がおられるようです。
 双極性障害や人格障害でも見られますが、病的な水準でない場合、一般の方もそういうことがある場合があります。

 客観的には、そんなに緊急性が高いと思えなかったり、興奮しているなら一旦冷静にクールダウンしてから話し合う方が生産的だと思うのですが、その優先順位を一位だと主張する方もあります。そういう状態を私共は、性急的になっていると陳述しています。

 人が性急的になっている時、衝突せず、敵対的ではない親和的な雰囲気で話し合いをする必要がありますし、興奮は冷ますことが大切です。穏やかな調子で困りごとについて、何がポイントか聞いて行くことになります。ざっくり大枠で言えば性急的になっている場合は、性急的な人の方がそんをすることが多いと考えられます。短兵急に、その場しのぎになってしまう結果を得たがるのが原因と思われます。

 家族の場合は、だんだん学習させていく必要がありますが、他人の場合は、自分が辟易するほど性急的な人とは少し距離を取ることも大切かもしれません。そういう場合は、はっきり伝えるとまた興奮することもあるので、以前別の原稿で書いたようにsilently walk outで立ち去るのが良いように思います。ご参考になればと思います。

749.そこを何とか

2023.03.04

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 どなたの書いた本で読んだのか忘れてしまったのですが、「そこを何とか」と拝み倒すお願いは聞かない方が良いし、それを言う人とは付き合わない方が良い、と書いてあったと思います。

 これはなるほどとも思いましたし、私も本当にそう思うので、以後自分でも心がけています。

 そこを何とか、が出て来る時は、スケジュールや金額が既に目一杯だと言う定時を当方が行っている時です。それに対して交渉相手がどうにかなりませんか?とごり押ししている時にそこを何とかが発生する訳です。
 既に無理だと言っているのに引き下がってくれないのでそもそも、相手に提示済みの条件を飲んでもらうか、こちらが無理をするかと言うことになります。

 無理をするというのは具体的には、先約をお断りするなり、時間外に枠を設けて設定するなりの無理をすることになります。先約を断ったり移動するとその分、先約先からの信用を失います。例え快く応じてくれた時でも一つ借りを作る訳なので、次回、先約先からの無理を一つ聞くなりして、借りを返す必要が出てきてしまいます。その歪みの処理について、そこを何とか、とお願いする人が処理してくれる訳ではありません。
 そこを何とか、というならば、規定の三倍を支払うなど特急料金を支払ってくれるなら時間外労働の可能と思われますが、得てしてそういう相手に限ってそういう配慮が行き届きません。そこを何とか、に応じて良いのは特急料金や特別料金があれば、それに見合う物だと判断できる時だけでしょう。

 そこを何とか、をやるのが議員さんなり権力者だと事態は最悪です。不満を持っても聞くしかないし不満顔も出来ません。

 そこを何とか、という人はその背後の数多の調整については知らぬ顔の半兵衛な訳です。そもそもそこを配慮できる人であればそこを何とかなんて言いません。

 そこを何とか、と言ってくる相手は、その場で断るか、それを最後に縁を切って良いと思われます。

748.土を頂く

2023.03.03

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 晋の文公、重耳と言えば、傑出した覇者であることが知られています。この諡(おくりな)は、文が再考とされており、武が2番目くらいになります。ダメな王様だと霊王とか、ひどい諡を付けられますから。

 しかしこの文公、君主になったのはなんと62歳という所謂定年後です。

 長兄が自殺に追い込まれ、弟に先に就位され、と、それまで、君主の継承権があるというだけで、様々な国を流浪していた訳ですから、なかなか大した人なのでしょう。

 その重耳が、ある時、ある国に入って食事を恵んでもらえないかと無心した所、土地の農民に器に盛った土を出されたそうです。
 お腹のすいた時に土を喰わせようってくらい、土民にバカにされたわけですから、流石の名君、重耳も、この時ばかりはカッとしつつもこらえたそうです。所が後に大臣になる腹心がすごいリフレーミングをしました。

「主よ、これは、吉兆ですぞ」

 農民に土盛りのご飯?を差し出されたことの何が吉兆だと言うのでしょう?

「この国に入って最初に出遭った農民が、この土地をくれたのです。この土地はいずれ主の物となりましょう」

 62歳まで放浪に付き合う家臣も、なかなか出来た人なのです。そして、それが暗示だったのか、後に覇者となった時、その土地は文公の支配下になったのだそうです。

 君主の継承権でもない限りなかなかこんな大逆転はないかもしれませんが、相手の悪意に見えたことも、その先の天命なのかもしれない、という風に見ていくと、不思議なことに、長大な時間の流れの中では吉兆と捉えることが出来るのかもしれません。
 
 それを、悪意だけで傷ついたり、カッとして相手をやっつけたりせず、辛抱しながら、その底辺にわずかに光る天命を見いだせたならば、どんな逆境も力に変えられるのでしょう。その辛抱と徳の積み方こそが、文公を戦国春秋一の名君にした力だったのかもしれません。我々も怒ったり拗ねたりしそうな時、文公の何万分の一くらいは、こらえてみた方が良いのかもしれません。

747.メラビアンの法則

2023.03.02

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 メラビアンとは、米国の心理学者、アルバート・メラビアンです。好意・反感などの態度や感情のコミュニケーションを扱う実験から、人に好印象を与える会話のヒントとして広がった考え方です。
 対人コミュニケーションには3つの要素があるそうです。すなわち、

・言語Verbal
・聴覚Vocal
・視覚Visual

です。
 言語とは、話の内容や言葉の意味であり、聴覚は、声の大きさ・口調・話すスピードなどです。視覚というのは、見かけ、姿勢、表情や視線の動き、ジェスチャー等です。

 相手の感情や態度を判断する情報は、言葉が7%、聴覚が38%、視覚情報が55%だったそうです。3つのVを取って、3Vの法則とも言うそうです。

 だからといって見かけだけ良ければ良いかと言うことはなく、これらの全てを用いて良質なコミュニケーションを取ることが望ましいと言われています。

 治療的面接においても、これらのことも意識しながら、よりみなさまのお役に立てるよう、務めて参ります。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分