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345.実力を発揮するためのメンタリティ

2022.01.15

345.実力を発揮するためのメンタリティ

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。日々元気に営業しております。

 成人式も終わると世の中はそろそろ共通テストでしょうか。

 今週末は多くの受験生にとって正念場ですね。

 実力そのものは1日でどうこう出来ないので、今日はメンタルの持って行き方でご参考になればと思って書いてみます。

 予め、自律訓練法などが習得出来ていればより良いのですが、今日の今日、という場合は、強気にメンタリティを保つことです。「やれるんだ、出来るはず」と自らに声を掛け続けていれば思い出しにくかったこともどこかでふっと思い出せるかもしれません。

 これは、スポーツにおいても、例えばサッカーで不利だとしても「ジャイアントキリングするんだ!」と思って試合に臨むのと、「どうせ負けるだろう」と思って入るのでは内容も結果も変わってきます。頭脳スポーツと言える将棋でも、思い切りよくのびのびと指そう、とインタビューで述べた時はテレビ棋戦を見ていても、勝ちやすい印象です。

 後は、緊張している時は出来るだけ力を抜くことが良いです。具体的にどうして良いか分からない場合は、肩を思い切りぎゅーっと上げて、ストンと抜きます。過緊張にさせると筋肉は緩むしかありません。緊張しやすく弛緩が苦手な人は、一旦過緊張に振って、そこからであれば力を抜くことが出来ます。精神的な緊張をとるのは難しいのですが、筋弛緩は物理的に起こせます。過緊張から弛緩というのは、緊張しやすい人でも可能な脱力法です。お試し頂ければと思います。

 緊張する!と思うと余計に緊張しますが、メンタル的には「興奮している」と言い聞かせて置き換えることが出来ます。過緊張からの筋弛緩法を施行して、自分は興奮しているんだ、と意気高揚させても良いかもしれません。

 ご参考になれば幸いです。

344.自分を癒やすのは自分

2022.01.14

344.自分を癒やすのは自分

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 以前、本田圭佑選手がACミランに移籍する際、リトル本田の声を聴いた、という台詞があり、流行ったことがあるように思います。

 自分がそこに行きたいか、そこに居たいか、はリトル自分の声を聴いてみたいものです。

 リトル自分、は、心療内科や精神科にご相談にいらっしゃる方の中には、健全に機能しておられない方が多いような印象です。リトル自分は、虐げられたり、叱られたり、反省中だったり、自己嫌悪中だったりしないでしょうか。

 そういう場合、親が父性や母性を発揮してくれていないこともあるため、親にお願いして優しくしてもらうと言う方法が機能しないことも大半ですし、既に親は亡くなってしまい、おられない方もいます。
 親と機能不全や疎遠になっても、出来ることは、自分の中の優しさや温かさを発揮することです。

 一人二役で、山田花子さんであれば、山田お姉さんとリトル花子ちゃんに分けます。

 抱き枕等をリトル花子ちゃんに見立てて、「花子ちゃんは今日もよく頑張ってるね。お姉さんは知ってるよ。よしよし」等、自分をねぎらいます。

 脳内でやるより、触覚や体温を感じる方がよりこのシミュレーションは上手く行くようです。

 ご相談頂いた時は、看護師、心理師と共に、お客様の支えになるよう努めていますが、クリニック以外のご自宅などで常に自分を癒やして行くには、こんな方法も良いのではないかと思っています。

 疲れてしまっている方、くじけてしまっている方、少しお試し頂いてはいかがでしょう。

343.三つの合い言葉(「魔法の言葉」)

2022.01.13

343.三つの合い言葉(「魔法の言葉」)

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 施設の児童間暴力などに対して安全委員会などの措置を講じる活動をしておられる田嶌誠一先生(九州大学名誉教授)の論文によりますと、暴力を振るわないようにするための魔法の言葉というのがあるそうです。

 それは、

1.叩かない、口で言う
2.やさしく言う
3.相手が悪くても叩かない

 というものです。

 暴力禁止の明確な提示とともに、指導者・職員ともこの3つをそらんじて言えるようにしておく、というものです。
 田嶌先生は、「暴力やトラブル対応にあたって周囲の複数の大人が同じフレーズで同じことを言うことで、子どもたちにとっては社会的体験となる。」と述べておられます。

 施設内暴力だけならず、子どもが言うことを聞いてくれないと手が出てしまうことがありますし、我々も注意する必要があるかもしれませんね。

精神療法第47巻第5号、p600

342.三船十段

2022.01.12

342.三船十段

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 柔よく剛を制する、と言う言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。
 多くの方がご存じなのではないかと思います。柔道の基本で、柔軟なことは、剛直なものを制すると言うようなことでしょうか。

 それを体現したような動画があります。モノクロなのですが、三船十段の掛かり稽古です。本名は三船久蔵と言うそうです。

 ブルドーザーのような大男が力業で組み合っている現代の柔道を見て、何だかレスリングみたいだと思われている方も少なくないかもしれません。しかし、三船十段は、159cmの小兵で、大男達に次々と挑まれるのですが、投げられそうになると、ふわりと交わしたり、突然クラゲのようにまとわりついたりして、猛者達は、一向に三船十段を投げることが出来ません。
 挑戦者達も段位を持ち、おそらく地元では指導者なのではないかとおぼしき人達なのですが、連続して挑んでいくのにバッタバッタと投げ飛ばされたり転がされたりしており、当の三船十段は、全員倒してけろっとしている訳です。

 投げられる!と思うと、恐怖感もあり身体は固まりますが固まっていると投げやすいようです。死体のように脱力してしまうと重くて投げられたものではありません。三船十段いつでも随意に身体の力を抜くことが可能なようです。

 これが達人、名人の域なのだなと思います。

 私も、自分が引き受けなければ、治して差し上げなければ、と思うのは良いのですが、力んでしまうことがあります。まだまだ三船十段の域には伸びしろが沢山あるのですが、あのような感じになれたらなぁと思います。

三船十段の掛かり稽古はこちら

341.ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番

2022.01.11

341.ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番

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 ラフマニノフと言えば、この曲ですよね。第3番もあるし、前奏曲Op.3-2鐘、とか、交響曲第2番、ヴォカリーズなどもありますが、ピアノ協奏曲第2番が最も有名です。

 ところで、この曲が催眠療法によって書かれたことはご存じでしょうか。

 時々CDのノートに記載されています。

 ラフマニノフと言えば、第二次大戦頃に亡くなっており、かろうじて録音も残されておりラフマニノフ、プレイズ、ラフマニノフなどがCD化されているため、最近のイメージもありますが、この曲が書かれたのは19世紀のことです。
 

 ロシアは貴族はフランス語をたしなむなどしていましたし、サルペトリエール派と言われる催眠の学派(他方はリエボー、ベルネイムらのナンシー派)はシャルコーが開祖です。
 ジャン・マルタン・シャルコーは、ダンテの神曲をイタリア語で、シェイクスピアを英語で諳んじ、ロシア皇帝の侍医も務めた人です。語学だけでなく、シャルコー関節やシャルコーマリートゥース病など現代でも残る病気を発見した老年神経学の権威でした。

 ダーリというロシア人の医師が1888年にモスクワ大学を卒業し、シャルコーに学んだと言います。シャルコーの没年は1893年(明治26年)ですから、ダーリがシャルコーから学んだのはおそらく本当と考えて良いでしょう。

 ラフマニノフは1895年に交響曲第1番を完成させた物の、不評で、それに悩んでいたと言います。1900年頃、ダーリがラフマニノフを催眠治療し、ラフマニノフはこの曲を書いたと言います。

 私は催眠療法を学ぶ前の中高生の頃に、CDのライナーノートを読んで、そのことを知りました。藤本正雄氏の催眠術入門を読んだのが小学生の頃でしたが、ラフマニノフが催眠で治療されてこの素晴らしい曲を書いた、と言うのが、催眠療法を学ぶ伏線になったかもしれません。

340.社会との距離

2022.01.10

340.社会との距離

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 オカリナの師匠大沢聡先生に、コンクールやオーディションを受けたい相談をしたことがあります。
 その時に言われたのは、タイトル取ったらどうするのか考えていますか?という問いでした。

 その力を社会にどう還元するのか、そこまで考えておかないと獲れないよ、と。

 案の定、コンクールに出た時は箸にも棒にもかかりませんでした。まあ、真剣に練習した、という面では収穫はありましたが。

 以来、そのことは常に考えていて、精神保健指定医を頂戴した時も、出来る限り行政の要請に応じて、指定医診察に出掛けるようにしていました。おかげで、各地の警察署や刑務所、他の精神科病院にも伺えました。措置入院という人を強制的に入院させるのが妥当かどうかの判断をしなければならず、社会的責任はすごく重いのですが、それさえこなしてしまえれば、警察署や他の病院でも丁重に迎え入れてくれるので、良い体験でもありました。
 オカリナの先生はそこまで考えて仰ったかは分かりませんが、私の中ではタイトルや資格は、社会にお返しする責任があると以来思うようになりました。

 自分の目の前の目標が分かりづらい時は、自分の能力が発揮出来ているか、喜んでその仕事を出来ているか、そして、そのことが社会貢献になっているか、を見直してみてはいかがでしょうか。

339.赤ちゃんが泣くのは

2022.01.09

339.赤ちゃんが泣くのは

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 ゴリラ学という学問があるようです。
 京大の霊長類研究所はゴリラなどを何年も観察してきました。

 山極寿一先生の著書はいずれも興味深い物ばかりです。

 霊長類の赤ちゃんを見てみますと、子どもが母親の乳を飲んで育つ期間は、人間が1年半ほどで、オランウータンは7年、チンパンジーは5年、ゴリラは4年です。
 しかも、ずっと抱っこしっぱなしです。

 人間の赤ちゃんは、ベビーベッドに寝かせておくことが出来ますが、オランウータンに至っては7年ぶらさがりっぱなしというのは、母親としては気が狂うんじゃないかという長さですね。

 人間は、食物連鎖の頂点に立ち、安全な家屋を用意出来るようになりました。原始時代は洞穴だったかもしれませんが・・・。そこで、赤ちゃんを置いておけるようにもなりました。

 本来、声をあげて自分の位置を知らせる行為は捕食される立場の動物としては危険極まりない行為です。

 肉食獣が跋扈しているところでそれをやると命がなくなってしまいます。鹿や馬の仔が無駄に泣かないことはそれに起因しているでしょう。

 人間の赤ちゃんが泣いて知らせるのは、まず、安全な環境が確保されていることが前提になってはったつしていること、そして、その上で、母親に限らず誰かを呼ぶ行為、ということです。おむつを替えるのは父親や祖父母でも良いですし、人工乳なら、他人でも与えられます。人間は安全を確保した上で、赤ちゃんをみんなで看ていこうというシステムになっています。それゆえ、保育園とか幼稚園で保育士や幼稚園教諭の方にお世話をお願いし、親は日中他の活動をすることも可能になりました。

 赤ちゃんが泣くのは、人間は社会で子育てをする動物、ということを示していると思われます。

 ワンオペ育児に疲れた方も、そういうことを念頭に置いて頂いて、上手に社会のシステムを使って頂ければと思います。

338.七草

2022.01.08

338.七草

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 7日経って七草がゆを頂きました。

せり   :せり科の多年草/競り勝つ
なずな  :アブラナ科の越年草/なでてけがれを払う
ごぎょう :キク科の越年草/仏の「御形」の意味
はこべら :ナデシコ科の越年草/繁栄がはびこる
ほとけのざ:キク科の越年草
すずな  :「鈴菜」と書く、カブの古い呼び名/神を呼ぶ鈴
すずしろ :「清白」と書く、大根の古い呼び名/けがれのない白

のようですが、地方により多少バリエーションもあるようです。

・・・と神仏習合で、いろんな願いが入っているようですね。
 胃に優しい物を食べて体調を整えられたらと思います。

337.ぼやきの効能

2022.01.07

337.ぼやきの効能

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 野球で有名な故・野村克也監督は、ぼやくことで有名でした。

 監督は、首になるまでは、チームにおいて絶対的な権力者です。

 命じたり指示することが出来ますし、従わない選手を試合に出さないとか二軍に落とすことも出来るでしょう。

 関係が良好な内は良いでしょうが、反発したりし始めると難しい物がありますし、人間はそもそも命令されると内心反発してしまう生き物です。ですので官公庁のポスターなどは、○○しましょう、等誘いかけの形式が多いですよね。

 そういう中で、言葉を示唆する、という方法があります。
 いろんな示唆の仕方がありますが、直接命令しないでぼやくわけです。

 家庭内でも指示出しが多いご夫婦などにぼやきを提案してみた所、意中の家電を買ってもらえたケースがあったようです。もちろんたっぷり言葉と笑顔等沢山報いたそうですが・・・。

 対立せずに、意図を汲んでもらいたい時、ぼやいてみるのも一つの手かもしれませんね。

336.逆算して考える

2022.01.06

336.逆算して考える

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 最近時々書いている、ピアニストの反田恭平さんですが、将来、音楽の学校を創りたいのだそうです。ショパンコンクールはその逆算の一つなんだとか。同じような話は、日本代表の本田圭佑選手もそう言っていたように思います。高いゴールを目標に持ち、そこへ向かってあらゆる努力を継続する。

 彼らを尊敬する気持ちはあるのですが、翻って自分を見てみると、何かに逆算しながら高めていくのは私には難しいようにも思います。

 自分のセラピーや知識が高まったり深まったりするとどこまで行くのか、まるで見当が付かないからです。

 正直開業するかどうかについても昔はあまり考えていませんでした。病院で働く内に、自分は外来は割と向いているのではないかと思い始めてから考え出したように思います。

 しかし、逆算して考えていないからと言って劣っているわけではありませんから、積み上げ式にコツコツとやっていく場合は、どこまで行くかは逆算は難しいかもしれませんね。

 私自身には本田選手や反田さんのような逆算するような目標は設定出来ていないのですが、日々、人間心理や心身相関への理解を深めようと、毎月研究会に参加したり、勉強は続けており、これからもコツコツと学び、みなさまへの臨床に還元して参ろうと思います。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分