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581.親の暴言と脳

2022.09.07

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。日々元気に営業しております。

 福井大学に日本の脳研究を牽引する友田明美先生という研究者がいます。

 英語の論文も沢山書いておられ、NHKのプロフェッショナルなどにもご出演された方です。
 日本語では「いやされない傷~児童虐待と傷ついていく脳」診断と治療社なども上梓されています。

 それによると、暴力や性的虐待は全く受けていないが、小児期に暴言虐待を受けていたという若年成人においては、左半球の上側頭回灰白質の容積が14.1%も有意に増加していたのだそうです。すなわち、左聴覚野(22野)が大きくなっていました。

 直接殴ったり叩いたりする暴力でなくても、子供の脳には影響が出るようです。

 そういう状態からサバイバーになった方も、あるいは、自分まで子供に苛烈な言葉を使ってしまって、連鎖しているとお感じの方も、ご相談頂ければと思います。

 抗うつ薬の使用もしますし、自己効力感が改善するよう精神療法も致します。
 ご検討いただければ幸いです。

文献:いやされない傷 p82、図26
Tomoda A,et al.Exposure to parental verval abuse is associated with increased gray matter volume in superior tempporal gyrus. Neuroimage 2011;54 Suppl 1:S280-286.

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分