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576.エモーショナルブランティング

2022.09.02

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。日々元気に営業しております。

 エモーショナルブランティングをググると、エモーショナル・「ブランディング」に変換されてしまいます。この、今回主題でない方の「ブランディング」は人々の感情に訴えかけてブランド化する戦略のようですが、全く関係ないものです。

 エモーショナルブランティングとは、英語にすると、Emotional bluntingです。ブランド化とは異なり、bluntingというのは鈍化したり麻痺したりすることを意味します。先日投稿したアンヘドニアに似ていますが、感情が麻痺または平坦化し、感情的に無関心になったり、感情的な反応が低下している状態を指します。

 疲れてきたり鬱っぽくなって来たりすると、素敵なものに触れても感動が薄れるばかりか、怒るべき時にも怒れない(怒らない)とか、テンションが下がっている状態を指します。怒りん坊よりは怒らない方が良いのかもしれませんが喜びやうれしさも減少してしまうため、あまり良くない状態とも言えます。アンヘドニアがポジティブな感情に対する反応の低下について説明する用語なのに対し、エモーショナルブランティングになりますと、怒るべき時に怒らない、悲しむべき時に悲しまない等、ネガティブ系の反応すら低下している概念となり、アンヘドニアよりもう少し広い範囲で捉えているようです。

 いずれにしても、感情疲労を起こしていることは明らかであり、セロトニンやノルアドレナリンの低下も疑われます。適切な薬物療法に加え具体的な生活指導を含めた精神療法が必要となると思います。

 笑うも怒るも感情の平坦化が起こってきたと思い当たられる方は、ご相談頂いてはいかがでしょう。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分