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235.心因性発熱

2021.09.29

235.心因性発熱

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
 私の専門が何かと言えば催眠、解離、PTSD、IBSなどになるわけですが、心療内科医のたしなみとして、一応心因性発熱があるのは承知していました。
 病棟でご指導頂いた岡孝和先生(現・国際医療福祉大学心療内科教授)がその道の権威として有名で、豊富な実績をお持ちのことは存じていました。
 先日立て続けに、心因性発熱とおぼしき方が訪ねてこられてちょっと驚きました。
 こういう時に頼りになるのは先輩の知見です。
 岡先生の受け売りになりますが、心因性発熱はストレスのための交感神経優位で起こるため、サイトカインで起きる発熱とは機序が違うこと。そのため一般的な消炎鎮痛剤での解熱は見込めないということです。
 もちろん、原疾患が何か、内科的に追求する必要がありますが、心療内科にわざわざ来られる方々は甲状腺を含めて精査を終えてきてくれたりします。
 コロナ禍なので微熱の人はちょっと難しいかなと思いつつ、拝見してみました。
 岡先生のお勧め処方はタンドスピロンと補中益気湯となります。  タンドスピロンはこういう時以外あまり使うことがなかったのですが、非常に有効でした。
 やはり、たしなみとして承知していた症例も自験例が増えてくると感覚がつかめてくるものです。
 少しでも地域の方に貢献できますと幸いです。
 なお、血液検査は当院でも可能ですが結果は翌日以降になりますし画像診断は出来ないので、内科での精査終了後にご相談頂くと話が早いかと思います。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分