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1388.吾、唯、足るを知る

2026.04.19

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業しております、まつばら心療内科の松原慎と申します。

 これは京都の龍安寺の石庭にあります、知足の蹲踞(つくばい)というものに、真ん中の四角を「口」の字に見立てて四方に他の部首を書いた形になっています。
 原典は、仏教の『遺教経(ゆいきょうぎょう)』にある「知足のものは貧しといえども富めり、不知足のものは富めりといえども貧し」という言葉だそうです。

 まだ足りない、まだ足りない、と自分を叱咤し続けると、食事が過剰になったり、睡眠時間を削って労働したりすることがあります。
 
 現代の睡眠医学では睡眠不足は、高血圧、肥満、糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めてしまうことが広く知られています。自分の成長のために謙虚であることと、いつまで経っても到達点に満足せずに、足りない足りない、と言い続けるのは、謙虚も通り越して、知識欲も食欲も餓鬼道に陥っていないでしょうか。

 私の専門とする催眠療法では、摂食障害の中でも過食型にエビデンスがあるとされています。過食のモードに入る時に軽い変性意識状態(トランス状態)になるからでしょう。食べながら悪性のトランスから出られなくなっているのかもしれません。

 衣食住に本当に困っている方は行政や福祉にご相談頂ければと思いますが、現代日本でそこまで生活の緊急性が高い方はそれほど多くはないかと思います。手に入れても手に入れても、足りないと言い続けてしまうことがもしあれば、今日の吾、唯、足るを知る、いわゆる「知足」を少し思い出して頂けたらいかがでしょう。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分