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36.民間催眠術とその救済

2021.03.17

36.民間催眠術とその救済

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。
 福岡市の六本松に2021年6月1日から心療内科のクリニックを開設させて頂きます、松原慎と申します。
 催眠術は割と簡単に修得できてしまう技術です。 それ故に、医師でも臨床心理士(公認心理師)でもない人が、マスメディアに露出してショー催眠を見せるのは、我々専門家にとっては頭痛の種です。
 ショー催眠の悪影響をいくつか挙げてみましょう。
1.催眠による対象者支配ばかりが強調される。
2.被験者の人権や気持ちに寄り添っていない
3.催眠療法すら支配的なものであるという誤解を広げる。
4.人が人を支配できるかのような文脈で語られるために、他者を支配したり操作したりするするためのツールという側面ばかり強調される。
5.催眠療法家が支配欲に満ちた傲慢な存在というイメージを視聴者に持たせがち。
6.支配するほどセラピーとは真逆になっていることが指摘されていない。
 など、一杯あります。
 民間催眠術師によって、間違った「診断」を下され、いたく傷ついた方を、医師として正しく診断し、癒やしも提供しました。御本人と病院倫理委員会の承諾を得て学会で発表もしています。非医師が診断を下すのは医師法違反ではないのだろうかと思うのですが・・・。残念ながらそういった輩は逮捕されずに著書まで出しているようです。
 じゃあ、医師や心理師がセラピーとして使う催眠は違うのか?という質問が当然出てくることでしょう。
 違います。
1.クライエントに支配的な治療を施して治るのは 「夜尿症(おねしょ)」「車酔い」だけです。専門家なら皆知っています。
2.催眠療法とはトランス状態を介して、御本人が何かに気づいたり、やっていけそうな感じを持てるよう援助するささやかな行為に過ぎません。支配するなんておこがましいことは、小さい子の夜尿症の治療以外では考えません。真の催眠療法家は、変性意識を通じて人間が起こせる、不思議な現象にどこまでも謙虚であるべきです。 ですので、院長が行う催眠は、トランス状態は体験して頂きつつ、体験者がどんなアイディアを持とうが自由、というスタンスです。
 せっかく自分の診療所を立ち上げるので、お客様には存分に変性意識と自分の気づきの素晴らしさを体験して頂けるようなプログラムを提供できないか、現在検討しています。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分