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28.スポーツと精神障害

2021.03.09

28.スポーツと精神障害

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。
 福岡市の六本松に2021年6月1日から心療内科のクリニックを開設させて頂きます、松原慎と申します。
 私は福間病院で、一貫してデイケア活動に関与させてもらうことが出来ました。
 元々、若手の医師が、デイケア活動における意義や、患者さんが診察室以外で見せる行動や表情から多くを学んでもらうためにある枠組みだったのですが、法律の病棟配置改変など色々基準を守らなければならない関係の時に若手に限らなくなった時期がありました。もう若手という年齢でもないのですが、デイケアの監督の意義性を高く感じていたため、上司にお願いしてデイケア活動管理に入れて頂いていました。
 統合失調症と申しますと、名の通り、統合が失調していたりして、ある人は、「私は大学教授で、ここの病棟医長をしています」と仰りながら、「○○さん、お薬ですよ」と看護師に声を掛けられると素直に「はーい」と応じられます。こういう時に「私は病棟医長だ、薬など飲まん!」と一貫性がある人はそれはそれで内服して頂くまでにスタッフも努力を重ねる訳なのですが別の話。要は、相矛盾した基準が同居していたり支離滅裂なことも少なくありません。
 しかし、最近は薬物療法の進歩もあり、早期治療で薬効あらたかな方は、会社勤めを継続される方すらいます。
 経験が少ない頃、デイケアは驚きの場でした。ソフトボールでは、患者さん同士で、ゲッツー(ダブルプレー、二重殺)が取れるのです。統合の失調どころか、阿吽の連係プレーが出来ることを目の当たりにして、まだ理解の浅かった自分は軽い衝撃を受けました。それがデイケア活動に興味を持ったきっかけでした。
 その後はフットサルの活動に入らせてもらいました。フットサルは運動強度が最強なので、これに耐えられる人は就労していくことが多いのも特徴でした。ワンツーパスなどはダブルプレーよりも思考スピードが求められます。
 幻聴が入りっぱなしで、ずっとニヤニヤしていた人、世界中が敵だと怖がって、足の趾を折るまで保護を拒否して暴れた人らが、快復後はキレキレのドリブルやワンツーパスを披露して、最後は就職や復学されていく様は感動したものです。
 全てがそうとも言えませんが、現代の医学においては精神障害をお持ちでも、かなりの回復が期待できることがあります。
 当院では、当院の施設のサイズに応じてにはなりますが、まずは色んなご相談に乗らせて頂ければと思っています。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分