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1358.尾骨

2026.03.22

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。
六本松地区で開業しております、まつばら心療内科の松原慎と申します。

 私は、心療内科医としてボディートークという身体技法を大切に使用しています。
大阪を中心に主に西日本で指導をされている、音楽家・ボディーワーカーの増田明先生(同協会会長)と、副会長の城石明喜子先生に師事しています。

 その中に、尾骨の扱い方というものがあります。

 尾骨は仙骨の下にある骨で、一般には尾てい骨(尾骶骨)とも呼ばれますが、解剖学的には尾骨です。本稿では正式名称である尾骨で通させていただきます。

 一般に、犬など尾のある動物は、機嫌が良ければ尻尾が立ち、しょんぼりすれば尻尾を巻くなど、感情の発露として分かりやすく現れます。

 心療内科に来られる方の中には、DVや被害などにより怖い思いをされた方も少なくありません。先日も暴力被害を受けた方がいらっしゃいましたが、家族や看護師の陪席など安心できる環境を整えた上で、尾骨を診察しました。

 そのような場合、尾骨には圧痛が強くなっていることが多く見られます。

 人間には犬のような長い尻尾はありませんが、退化した形で尾骨が残っています。言い換えれば、人間も怖い思いをすると「尻尾を巻く」ような状態になるのです。
 

 そこで、尾骨周囲を丁寧にほぐしていきます。単にやさしく触れるだけでなく、「怖かったですね。でももう大丈夫ですよ」と心に寄り添いながら、体にも丁寧に働きかけていきます。その結果として、恐怖で固まっていた全身の緊張が緩んでいくことがあります。
 もちろん、EMDRなどの左右交互刺激による治療や、バタフライハグなども有効です。これらを併用することもありますが、今回のようにボディートークによる体へのアプローチは即効性を感じる場面も少なくありません。
 

 必要に応じて抗うつ薬や漢方なども併用しますが、まずは全人的に、心にも体にも寄り添う診察があってこそ、その後の治療がより一層、活きてくるのではないかと考えています。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分