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869.病識

2023.07.01

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 ご自身を病気であると自覚する意識のことを病識と呼んでいます。
 精神を病んでおられる方の中には、この病識が弱かったり薄かったりする方もおられます。
 他者からの視線や臭い、音などが、現実の攻撃に感じられてしまったりして、被害妄想が拡大していきます。

 音などは、現実にうるさいこともありうるのですが、録音しても何も収録されていない場合は、ご本人様の幻聴と言うことも起こり得ます。被害妄想をベースとした、騒音や異臭を理由に、転居を求める方も一部おられます。病識がない場合は、精神の病気ではないかとお伝えしても、逆に自分の主張を受け容れられないと感じてしまうようで、何度も警察や市役所に相談されることがあるようです。

 病識が付きにくい病気だと、あまり予後も良くないのですが、それでも薬効は一部でもある方が治療的で、なるべく病識の弱い方にもお付き合いした上で、出来るだけ医療機関に継続的に掛かって頂いたり、お薬を定期的に内服して頂くように関係性も重要視しながら診療させて頂いております。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分