735.嘘を交えて相談すること
2023.02.18
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
時々、相談の時に、嘘を言われる方も見受けられます。
何かご都合が悪いのか、恥ずかしいのか分かりませんが、専門家のところに相談に来てもなおも隠したいことがあるということは、後ろ暗いことがあるのでしょう。一々暴いたりはしないのですが、本気で信用されていないとなると、助言もその覚悟に応じたものを提供することになります。
散りばめられた嘘の中には、部分的な真実が見え隠れすることがあり、ある程度の時間拝聴していますと、ドーナツのように、色んな話題で避けられている空洞のようなものが却って浮き彫りになって来ます。そこに一番の嘘があるのだろうなということは、証拠がなくてもお話の内容でだいたい分かるものなのです。かくかくしかじかと語られる割に、例えば、性の話題は出ないとなると、実はそこが一番隠したい所なのかなと言うのが分かってしまうことがあります。
私共には守秘義務があり、業務上の医療チームとしては共有はしても、院外に漏らすことはありませんので、お悩みやご相談の際は、話せる範囲で正直に向き合って頂くのが、実は最も治癒への近道かと考えています。
734.自分で自分を評価する
2023.02.17
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
自分を過大評価しすぎて、客観的な実力が伴わない場合、道化のようになってしまい、世間から笑われると言うこともありますが、逆に自分の価値が先進的すぎたり、時代が自分についてこなくて、なかなか正当に評価されないと言うこともあるでしょう。
どちらが良いのでしょうか。
ケンタッキー・フライドチキンのカーネルサンダースも自分のフライドチキンのおいしさを方々に売り込んでも誰も取り合ってくれなかったといいます。今でのそのレシピは門外不出であるとか。
漫談の面白い綾小路きみまろさんも、全然売れなくても、無料で自分のお話のカセットテープを配り歩いていたと言います。
誰も評価してくれなくても美味しいんだ、面白いんだ、と信じていたからですね。
今や日本でも大きな医療グループの創設者、徳田虎雄氏も、日本に100軒病院を建てる、という信念で、銀行の評価も「人物しかない」という状態でも成功した訳ですから、信念の強さというのはバカにならないでしょう。
シュリーマンもトロイの遺跡はあるんだと信じて、商売や語学、そして発掘に打ち込んだと言います。
無理解な上司や同僚が評価してくれていなくても、必ずなす、なせる、と信じて動き続けると、突破できることがあります。そのような時自分を評価できるのは自分だけです。
人から批判をされて心が揺らぎそうな時も、自分で自分を評価するのだ、と思っておくことが自分の軸を作っていくと思います。みなさんが、心身に芯を持って生活なさるよう、お力添えが出来るように心がけております。
733.年寄り笑うな
2023.02.16
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
永六輔さんの大往生で読んだと思うのですが、
若者笑うな、来た道だもの
年寄り笑うな、行く道だもの
というようなフレーズがあったように思います。
元をたどると、
「子供叱るな来た道だもの 年寄り笑うな行く道だもの」というそうです。
「道」というタイトルの詩なのか、この先は、
「来た道 行く道 二人旅 これから通る今日の道 通り直しのできぬ道」だそうです。
浄土真宗の妙好人(特定の固有名詞ではなく、信心深い信者の意味)の言葉だそうです。老いを受け容れたり、出来なくなることが増えてくることも、諦めたり、人に気兼ねなく頼んだりと人生の後半には後半の課題があると思います。そのような新しい自分の有り様を受け容れ、任せたりお願いすることも素直に出来るようになるには、少し助けも必要かもしれません。
私共も、老いの課題と向き合う方とも、診療の中で伴走させて頂きたいと考え、日々努めております。
732.プロ編入
2023.02.15
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
将棋のアマチュア競合、小山怜央さんが、2月13日、横山友紀四段に勝利し、プロ編入試験に合格しました。奨励会を経ないで、現行制度のプロ編入試験を合格したのは小山さんが初めてです。過去にはA級までいった元真剣師花村元治九段なんて方もいます。付け出し五段という破格の待遇でしたから、当時からA級に入れる器を見抜かれたのでしょう。
小山さんはフリークラスに入ります。規定上の成績を上げれば順位戦に入って戦うことになります。
先般、女流の里見香奈さんが鳴り物入りで受験し、ちょっと試験官がタフすぎるのかなとも思いましたが、里見さんが突破できなかった試験を突破した小山さんは流石としか言いようがありません。
岩手県からは初の棋士のようですから、彼がどのように成長していくのか注目して見守りたいと思います。
夢を諦めずにかなえていく話題は、いつ聞いても嬉しいものです。
731.チョコレート
2023.02.14
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
世間様ではバレンタイン・デーなどと称しまして、チョコレートのプレゼントが流行る日のようです。
チョコレートはやっぱり甘くて美味しいので、虫歯や高血糖に注意しながらも少量を楽しんでみたいものです。
チョコレートは血糖値を上げるため、低血糖などで疲れている時にはありがたいものです。
落ち込みがちとか、頑張ったのにねぎらいが少ないとか、元気を出したい時。
これらは心理学的にも少し自分を「甘やかしたい」時でもあります。何でもありで甘やかしまくって実力が低下してはいけませんが、頑張った日は、少しくらい甘い物を召し上がってみても良いと思うのです。
常に戦っているような状態の人は手元にチョコレートなどを置いてみても良いかもしれません。
730.孤独
2023.02.13
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
私の好きなA.ピアソラの作品の中に、「孤独の歳月」という曲があります。
ものすごくしんみりした曲なのですが、そういう気分の時にはうってつけです。一度お聴き頂ければと思います。
さて、孤独、ですが、ひとりぼっちになると寂しいと感じる方は少なくないようです。孤独から免れたいばかりに、あまりよろしくない異性と出遭ってしまったりなんて話も聞きますし、孤独との向き合い方が良くないと、二次三次の被害が出ることもあります。
寂しい、孤独だ、と思い詰めると、周りが敵に見えてきたり、被害妄想にさいなまれてしまうことすらあるようです。
そんな時、どのように考えたら良いでしょうか?
サッカーの元日本代表、本田圭佑選手は、自身のツイッターで、「孤独」、について興味深い考え方を述べています。
孤独、というのは、自分と向き合える大切な時間。
というのです。
なるほどな、と思います。
やるべきノルマや義務が沢山あると、それに終われて、なかなか落ち着いて自分の改善点を深掘りしたり、潜在的なテーマを熟考出来ないものです。そういうことにじっくりと時間を使ってみようと言うことです。
孤独感にさいなまれていじけそうになった時、本田選手のように、「孤独」を自分自身と向き合うように大切な時間に変えてみても良いかもしれません。
729.逆境
2023.02.12
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
急に時代の流れが変わったり、戦争が発生したり、大地震等の災害が起きたりして、順調だったものが突然逆境に変わってしまうことがあります。上手くいかないことが続くと、悔恨、不満、だけでなく、将来への不安緊張が高まり、ネガティヴ思考に陥りやすくなります。ネガティヴ思考が連続すると、やがてうつ病のような症状が出始めます。
うつにはまり込むと大変です。
私の好きな将棋界では、先崎九段という羽生世代の元A級棋士が「うつ病九段」なんて著書を著し、ドラマ化もされました。
頭脳明晰な先崎さんが頭が回転しなくなっていく様を主演の方が上手に演じておられて感心したものです。
さて、私達は、逆境に陥った時、どう考えたら良いのでしょうか。
逆境こそチャンス、というのは多くの成功者が言っていることです。
タフな条件下での創意工夫が後の成功につながるという訳です。
逆境だからこそ、現状の無駄をスリム化し、効率化を進めたり、不具合を克服する努力をする。それを乗り越えたからこそ得られたものというのは大きな財産になり、自身の実力も上がっていることでしょう。
進めていく方が良いものである時、逆境こそチャンス、と考えて挑んでみられてはいかがでしょう。
728.連戦連敗
2023.02.11
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
建築家の安藤忠雄さんの著書に連戦連敗という本があります。
あまり建築のことは存じ上げないのですが、有名な方なのでみなさんもお名前くらいはご覧になったことがあるかもしれません。
有名で東大でも教鞭を執られた方であれば、さぞ順風満帆な人生だろうなどと想像してみると、実は連戦連敗の人生だったということです。成功者に数えられる方が、連戦連敗とはどういうことなのでしょう?
建築の世界ではコンペ(コンペティション)と言って、設計を競技することがあるようです。
ほとんどが上手くいかず都市などについては提案すら聞いてもらえないことがあるのだと言います。
安藤さんは連戦連敗した時、どう考えていたのでしょうか?
コンペに落ちても、アイディアは残る、と言います。
脳が汗をかくほど絞りに絞って考えたことは、他の機会でも生きるのだそうです。
私自身コンサートなどをやってみますと、反省すべき点を沢山見つけます。でも、一度極限まで自分を追い込んでこそ分かることがあると感じます。コンペティションも同様なのでしょう。世界で勝ち抜くためにアイディアを出し切ることによって、たとえ連戦連敗しても、考えたり耐えたりする能力は上がり、アイディアも出やすくなるのかもしれません。
連戦連敗したとしても、しっかり考えて準備し、次の取り組みにも再考の準備をすること。それに尽きるのではないでしょうか。
727.家庭内村八分
2023.02.10
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
村八分なんて言葉があります。
交わりを断って絶交する様を言いますが、何が八部かと言いますと二部は付き合うという意味もあります。
その二部は、火事と葬式です。
火事は延焼すると他家にも迷惑が掛かりますし、死に関しても協力はする、と言うことでしょう。
肉親は、常にサポーティブな関係を維持しているとは限りません。虐待者だったり、お金の無心をしてきたり、八つ当たりしてきたりと、色んな事情で肉親と緊張や対立関係が発生することがあります。タフな相手とは距離を置くのが一番とは言え、相手が肉親になるとそうも行かない場合があります。
そういう場合は、もし可能であれば家庭内村八分、という考え方をお勧めしています。
親ならば生んでくれたことは感謝するがそれ以外、火事と葬式以外は付き合わない。メールやLINEもしない。金銭的なやり取りもしない。一旦そう決めると、無駄に交流して摩擦や衝突を起こすことはありませんから、自分に対して加害的な肉親に対しては、家庭内村八分という形で距離を取ってみても良いかもしれません。
726.井目風鈴(せいもくふうりん)
2023.02.09
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
私は、将棋はある程度指すのですが、囲碁になるとからっきしです。一応ルールが分からないことはない、というレベルです。師匠の久保先生も高段者で、亡き父も晩年は囲碁に凝っていましたし、母方の祖父は結構強かったはずです。
その祖父に、小学生の頃一度だけ囲碁を教わったことがあります。
井目風鈴という手合いでした。9つの星に全部黒石を置かせてもらい、さらにその斜め外に4カ所置く訳です。これをものすごいハンデとして井目風鈴(星目風鈴とも書くらしいです)と言うようです。
定石を全然知らないのと、地を取ると言う考え方がまだ分からないので、それでも負けてしまったように思いますが、もう随分昔のことのような気がします。
大学生になって、一度だけ伯父の家に身を寄せていた祖父を訪ね、風呂で背中を流したのは良い思い出でした。その後、しばらくして亡くなってしまったと思います。思い切って伯父宅へ行ってみて良かったと思っています。
そういうエピソードがあったために、ド素人の私でも井目風鈴という言葉だけは存じております。
みなさんは、祖父母のどなたかに遊んでもらった思い出はありますか?