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26.潮の満ち引き

2021.03.07

26.潮の満ち引き

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。
 福岡市の六本松に2021年6月1日から心療内科のクリニックを開設させて頂きます、松原慎と申します。
 当院の近くには大きな川があります。樋井川と言います。西新と唐人町の間を抜けて博多湾に注いでいく川です。
 六本松地区は、樋井川の河口からおよそ1.5kmの所にあり、別府橋という橋が架かっています。
 当院はいわば、別府橋の麓といって良いでしょう。
 1.5kmもあるのに、潮の満ち引きの影響を受け、干潮時には顔を出している中洲もほぼ水没してしまいます。潮の干満は月による潮汐力によって生じると言われています。学校で習ったこととは言え、遠くのお月様からとても沢山の水が引っ張られているのはとても不思議な気がします。
 樋井川では、鴨の親子もよく見かけます。
 私も時々樋井川沿いに顔を出しては、潮の満ち引きや鴨をぼーっと見つめながら、そんな光景に癒やされています。

25.笑顔は連鎖する

2021.03.06

25.笑顔は連鎖する

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。
 福岡市の六本松に2021年6月1日から心療内科のクリニックを開設させて頂きます、松原慎と申します。
 長く関わった患者さんがいます。
 関わり始めた当初、それまでにずいぶん長く慢性期の療養棟におり、まだ自立した生活を営めない状態にありました。被害妄想も根強くまとまりのない方でした。
 担当することになり、少しずつ状況を整理していった所、時間は掛かりましたが、無事にグループホームに退院し、作業所に行かれました。決裂していたご家族とも、全員で会食に出掛けられるほどになりました。ご家族も、思い悩んで心療内科に掛かっておられたと言います。
 最後の面接にはご両親も来られ、非常に丁寧に御礼を仰せになりました。
 もうご家族の通院も必要なくなり、御本人はいくらかお小遣いを稼いで好きなものが買えるようになりました。御本人のまとまりもずいぶん良くなりました。職員や家族に常に感謝の言葉を述べるまでに成長されたその姿と、ご両親の笑顔を拝見し、回復されていることを確信しました。このお仕事をさせて頂いて本当に良かったと思う瞬間です。
 この方からはとても多くのことを学びました。
 一つ目に、慢性期の方でも諦めずに関わるとここまで回復しうると言うこと。物足りないと思う仕事でも~慢性期の仕事は急性期より強度や忙しさが低めなので~腐らず、しっかりとやるべきことを探索して、丁寧に仕事をすることもとても意味があると分かりました。
 二つ目に、笑顔は連鎖するということ。お一人の回復はその方ご自身だけのものではなく、関わるご家族や支援者全てを笑顔にしていくことを学びました。
 三つ目は、状況整理という地道な作業でも、脳の混乱は改善することを知りました。これはちょっとした驚きでした。
 四つ目は、被害妄想をお持ちでも、感謝の気持ちを持ち続けようという心理教育が極めて有効ということでした。慢性期になっても、思考のあり方を変えることが出来るし、変えたことによって周りが幸せになりました。
 五つ目は、信頼関係が強いとプラシーボ効果も強力だったことです。
 学ばせて頂いたことは他にも沢山あるのですが、ブログではこの辺にしておきましょう。とにかく、あらゆる水準の関わりでちょっとずつ結果を出していくと驚くほどの改善が見られたと言うことを申し上げたいのです。
 慢性と言われて、漫然とお薬をもらい続けることに疑問をお持ちになった方、一度当院を覗いて頂いてはいかがでしょう。

24.もう桜!?

2021.03.05

24.もう桜!?

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。
 福岡市の六本松に2021年6月1日から心療内科のクリニックを開設させて頂きます、松原慎と申します。
 昨日は、近所の医師会の先生方へのご挨拶廻りに行って参りました。
 ふと見ると、マンションの一角に桜が咲いているではありませんか!?  昨日梅の終わりを書いたばっかりなのに。
 ちなみに勤務している病院の桜はつぼみが日に日に大きくなっていますがまだ咲いていません。おそらくソメイヨシノはまだ福岡では早いのでしょう。調べてみると寒緋桜とか河津桜など、一口に桜と言ってもとても沢山の種類の桜があるようです。
 関心を持ち始めると、その「名前」を調べたり、亜種の相違を理解したり、性質を知ったりするようになり出します。
 そうやって小さな違いを気をつけて観察し、知識と融合していくと、年々自然を見る目も豊かになってきます。
 自然の多い病院に勤務してから、四季折々のことを感じることを心がけられるようになったのはとても良いかなと思います。六本松というやや都会で地域に貢献するようになってもその心は持ち続けたいと思っています。
 悩み傷ついた方を癒し続けるためにも、自分自身が普段から美しいものに心洗われるような感性を持ち続けられるようにして行きたいと考えています。

23.梅の終わり

2021.03.04

23.梅の終わり

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。
 六本松に2021年6月1日から心療内科のクリニックを開設させて頂きます、松原慎と申します。
 四季を感じると、いつの間にか咲き誇っていた梅がほとんど散りました。
 ほとんど散った中で、少々のんびり屋さんの花を見つけました。
 梅もこれから葉っぱが生えてくるはずです。
 次は桜でしょうか。よく見ていると、桜のつぼみも膨らんできています。春を感じますね。
 3月という季節柄もあれば、開業準備中と言うこともあり、多くの方との出会いと別れがあります。
 出会いの喜び、別れのさみしさをそれぞれ感じながら、いずれもお互いに意味あったのではと思って大切に感じることにしています。

22.さげもん

2021.03.03

22.さげもん

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。
 六本松に2021年6月1日から心療内科のクリニックを開設させて頂きます、松原慎と申します。
 柳川市などでは、さげもん、と呼ばれるつるし飾りがあります。
 いわゆるお雛様の地域庶民版なのでしょうか。
 柳川藩の奥女中が伝承した女子のたしなみとも言い、一方でひな壇を用意できない家庭でも初節句を祝えるように布団や帯の端切れで作ったとも言われます。
 どんなに貧しくとも、お祝いをしてあげたいとか、創意工夫で楽しむことが出来る、という庶民の知恵とたくましさ、そして温かさを感じさせるお話と思います。
 まだまだ遅れている日本の男女平等。
 女性が女性として生まれてきて良かった、と思える世の中に一歩でも近づいてくれたらと思います。
 当院では、ストレスをお抱えの女性にも貢献できるよう、心理療法・カウンセリング等ご準備して参ります。開院の暁にはぜひ覗いてみて下さい。
 3月3日、女の子のおられる皆様のお宅ではどのようにお祝いなさっているのでしょうか。

21.卒業式

2021.03.02

21.卒業式

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。
 六本松に2021年6月1日から心療内科のクリニックを開設させて頂きます、松原慎と申します。
 3月1日は卒業式という方もいらっしゃったのではないでしょうか。
 卒業式というものは、幼稚園であれ大学であれ、様々な感情を一緒に感じるものです。
 そこまで到達した喜びであり、それまで共にあった師や仲間との別れの瞬間でもあります
 喜ばしさ、切なさ、達成感、出来なかった悔しさ、後悔、青春期等その時期ならではの思い出、色んなものが当事者にもあるだろうし、見守る人にもあります。
 誰もがみなさん、子は子の、親は親の、それぞれのステージで頑張っているのだと思います。
 区切りの日、というのは、良きにせよ悪しきにせよ、自身の積み重ねてきた信頼関係や努力の結果です。そして、努力が足りなかったり、良くない致し方をしたことがあっても、過去については変えることは出来ません。
 良きものはさらに伸ばして工夫を重ね、良くない致し方は、気づいた今日から改めて改善していくことになります。
 人生、考えてみればそういう積み重ねかもしれません。
 当院では、良きものは伸ばせるように、反省したい点は、一緒に考えて善後策をご相談出来るように、お客様のご相談に寄り添って参りたいと考えています。病気かもというご相談から、人生の迷いの善後策まで、当院では安心してご相談下さい。院長自ら全力で伺って、光を見つけたいと思います。

20.開院まで後3ヶ月

2021.03.01

20.開院まで後3ヶ月

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。
 六本松に2021年6月1日から心療内科のクリニックを開設させて頂きます、松原慎と申します。
 3月になりました。
 開院まで後3ヶ月です。
 準備のためにやるべきことが山積しており、日々忙しく過ごしています。
 今苦心している一つはスタッフ集めでしょうか。
 ぼちぼちと応募して下さる方もおられます。
 それぞれの事情も踏まえつつ和気藹々とやっていける職場になればと思っています。
 心療内科で働きたいと思われている方は、当HPの求人案内をご覧頂ければと思います。

19.ビギナーズラックを呼び込むコツ

2021.02.28

19.ビギナーズラックを呼び込むコツ

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。
 六本松に2021年6月1日から心療内科のクリニックを開設させて頂きます、松原慎と申します。
 世に、ビギナーズラックという言葉があります。
 その分野のことをまだ熟知していない人が、幸運にも素晴らしい結果に巡り会えた時に使われることが多いようです。
 どこまでがビギナーでどこから中堅でどこからベテラン、というのはなかなかわかりにくい所があるかもしれません。
 さすがに私もビギナーではなくなったと思うのですが、ビギナーズラック(?)には今でも恵まれます。
 そういうビギナーズラック?と言えるかは微妙な、仕事上のラッキーは、実は呼び込むコツがあります。
 ラッキーなことは幸運の積み重ねであり、運はポイント制だという人がいます。
 電車でおばあちゃんに席を譲って差し上げたり、横断歩道を渡りたい子供のために停車したりなど、ちょっとした親切が運を上げますし、意地悪すると下がります。
 ビギナーズラックをベテランになっても呼び込むことはとてもシンプルです。
 誠心誠意仕事をすることです。
 クライエントのためを第1とし、誠心誠意仕事をした場合、それを最後の徳俵として、患者さんが自殺を思いとどまってくれたり、事故が軽度ですんだりというラッキーに恵まれます。ラッキーパンチに頼っていてはプロと言えないかもしれませんが、自分の力量を越えることは、臨床をしていると時にあります。そういう時も安全な方向に物事が進む幸運は、普段の精励に掛かっていると言えるでしょう。
 なかなかすぐに報われないと思っておられる方も、誠意は運のポイントを上げている、とお考え頂いてはいかがでしょう。

18.のにのに病からの解放

2021.02.27

18.のにのに病からの解放

 当院のブログをご覧下さいましてありがとうございます。
 六本松に2021年6月1日から心療内科のクリニックを開設させて頂きます、松原慎と申します。
 医学的に「のにのに病」という病気があるわけではありません。ブログの小話としてお聞き頂ければと思います。  悩みの相談にいらっしゃる方に、このように話される方がいます。
「私はこんなに尽くしてきたのに」
「あれこれ手を回したのに」
「すごく気を遣ったのに」
「私は努力してきたのに」
「のに」の後には何があるのでしょう。
 それは、相手は自分の期待ほど、見返りをくれない、とか、同等程度に働いてくれない、ということでしょうか。
 このように、お話しの端々に「・・・のに」が多い方を、「のにのに病」と例えております。
 そもそも、自分が頑張っているから、相手はそれを認めるべきだ、とか、見返りをするべきだとか、同等程度に働くべきだ、という考えが根底にあるのではないでしょうか。
 相手もそうやって応えるべきな「のに」そうしてくれない、という意味のようにも聞こえます。
「のにのに病」になると怒りや孤独感でとてもつらい毎日になるようです。
 ところで、ご自身の努力を素直に認めるとして、相手がそれに応える準備や能力があるかは、その相手の状態や都合、その方との関係性によることがあります。どう反応するかは相手の自由という前提があるのではないかと思います、私達はしばしばそれを忘れがちです。
 こんなに頑張っているのに、という前に、ご自分の頑張りを一旦認めましょう。「よく頑張ってるね、自分」。  その上で、周囲や相手はどう反応しても自由である、ということも認められると、健康になれるようです。その場合は、「何かご事情があるのでしょう」「ご自身のタイミングがあるのでしょう」と思えれば少し楽です。そして、その自分自身の頑張りは、相手の反応を求めてではなく、自分がそうしたいから自分の責任でそれをやるのだ、としっかり自立した考えで実行することです。自分で自分のやりたいことを責任持ってやるのであって、周囲は付いて来ればラッキー、付いてこなくても邪魔しなければありがたい、くらいで、ちょうど良いのではないでしょうか。
 のにのに病に陥っているかも、と思われた方は、このブログを少し参考にして頂いてはいかがでしょうか。

17.解決から始める

2021.02.26

17.解決から始める

 六本松に2021年6月1日から心療内科のクリニックを開設させて頂きます、松原慎と申します。
 論理的に考えることに慣れている人や、理系の方は、なぜ?と問い続ける能力をお持ちです。
 自然科学や哲学の分野では、なぜ?と疑問を持ち続けることはとても大切なことです。
 ところが、鬱の患者さんや、セラピーといった場面では逆効果になることが多いようです。
 私は次のような話を良くさせて頂きます。
 山火事が起こった原因はタバコの不始末でした。
 もちろん、再発防止などセキュリティを考えるためには一度原因究明しておくことは大事です。
 しかし、タバコの不始末が分かった所ではげ山が戻るわけではなく、大切なのは植林を始めとする山のケアです。
 林業家ではないので専門的なことは分かりませんが・・・。
 つまり、なぜ?を追求するより先に、どのように解決するのが良いのかを考えた方がセラピーにおいては効果的なことがあります。
 失敗した時や鬱っぽい時に、なぜこのような失敗をしたのか、と言い出すと、準備不足、勉強不足、場慣れ不足など沢山原因が出てきて、失敗という結果が固定化されてしまうのです。そういうときはむしろ、これから何をしていくかを考えた方が気持ちが楽なことがあります。私ども言葉で解決志向などと呼んでいます。
 当院では解決志向の考え方を取り入れて心理療法をして参ります。
 皆様も日々の生活にちょっとだけ解決志向を取り入れられてはいかがでしょう。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分