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709.受益者

2023.01.14

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 師匠の一人に、故松原秀樹先生がいます。日赤広島看護大学の教授をされた先生で、自律訓練法の自律訓練学会を立ち上げた一人でもあります。福岡臨床心理研究会でも講師をお務め頂きました。その時、教えて頂いたのは、受益者尊重。

 これは、対象となる方を、患者でも、来談者でもなく、受益者と呼んでいる所に、秀樹先生の臨床家としての覚悟が見て取れます。プロとしてお目に掛かる以上、何らかの利益を提供せずには帰せないというわけです。簡単な言葉に言い換えますと、秀樹先生は、相談に来られた方に必ず「お土産」を差し上げるように心がけていたと言います。別に菓子折を上げるわけではないのですが、治療指針の光になる物、自分を肯定してもらうことなど、受益者の方が相談して良かったと思えるものを何か提供する、というのがお土産、という言葉の意図になります。この研修は私にとって一つの大きな収穫になっており、受診して頂いた方には必ず何か来て良かったというものを提供できるように心がけています。
 秀樹先生の教えが、少しでも受益者様の皆様のもとに届きますように。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分