65.独立記念日
2021.04.15
65.独立記念日
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。
福岡市の六本松に2021年6月1日から心療内科のクリニックを開設させて頂きます、松原慎と申します。
結婚して円満な生活が送れるのはとても幸せなことですが、夫婦というのは不思議なもので、なかなかそう行かないこともあるようです。
ずいぶん前に非常勤先で診させて頂いた女性がいました。
ある大都市圏から、地方都市に逃れてきた方で、旦那さんからの酷い扱いから逃げてきたのでした。健康保険も使うと居場所がばれるからと自費で受診されていました。
その頃、私もまだまだ若手の頃でした。しかし、自分の診療が、自費診療を受けるに値するものでないといけない、という緊張感があったのを覚えています。彼女は、身を持ち崩すこともなく、手堅いアルバイトで、一日の終わりにあちこちのコンセントを抜きながら、倹約して暮らしていました。
ずいぶん、NLP(神経言語プログラミング)の技法を使用してトラウマケアを行った所、次回の夢では、かなり好転している報告があり、徐々に配偶者への恐怖感が取れていきました。大分気持ちの面でも自立した頃、夫と連絡が取れたことがあり、夫の方から離婚の申し出があり~どうやら「離婚したらお前も困るだろう?」という意地悪な気持ちで離婚を申し出たらしいのですが、彼女にとっては渡りに船。「ありがとうございます。私もそうしようと思ってました」とあっさり捺印して離婚が成立。
受診してきた彼女は、「この日を、私の独立記念日にしようと思います」と晴れやかに仰いました。その後まもなく終診となりました。
離婚記念日を独立記念日にしよう、とセラピストがリフレーミングするのはこの場合、業界で言う、「嫌らしさ」がつきまといます。つまり、セラピストが意図的に改善方向に無理に誘導すると言うことです。
ご自分で決断して、ご自分で独立記念日と名付けられました。主治医に言い換えられて言い含められたのでは真の独立ではないですものね。
その方が今はどこで何をされているか分かりませんが・・・。お役に立てて良かったと思っています。自費に値する治療、に緊張感を持って臨んだ中、女性の自立に一助を提供出来たのは良かったです。
当院では、離婚を推奨するわけでもありませんし、婚姻の継続を推奨するわけでもありません。お客様のご相談なさりたい方向に寄り添って、専門家としてベストと思われることについて一緒に考えさせて頂く姿勢です。弁護士事務所ではないので法的なアドバイスは出来ませんが、悩みや不安等心のご相談は何でもご相談頂ければと思います。