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165.米の世話

2021.07.22

165.米の世話

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。 6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
 過食嘔吐等の悩みのご相談の方もいらっしゃいます。
 私の田舎は、大学を出ている人は医者と教師くらいしか見当たらず、周りはほとんど農家でした。
 その小学校で自慢にしていたのが「学習田」という田んぼでした。もち米を育てて、収穫し、収穫祭では餅つきをするという年間のイベントでした。藁は、縄をなってしめ縄にしたり縄跳びにしたり。
 私は農家をリスペクトしています。だからこそ、農業は厳しくて自分は出来ないと思っていました。ですので、どうして農家になるつもりもない自分もこんなことをしなければならないのか、と子供心に不満でした。
 6年間も田んぼをするというのはよっぽど珍しいのか、自分もそうだったと言われたことはありません(当然同窓生は除く)。
 学習田は農家の厚意でで学校に貸してもらいました。
 籾播きから始まります。苗床をちゃんと作る。苗床の苗は、田植え機用の水だけで栽培した苗と違い、とても太いしっかりした茎をしています。
 白い綱に、赤い点のしるしに田植えをする。
 蛭に吸われながら、田の草取り。取った草は、捨てずに、踏みつけて田んぼの底に沈めてしまい、肥料にすると教えられました。高学年は水の管理を当番で朝晩する。夏になると稲の花が咲きます。稲も花が咲くのです。そんなこと、知りませんでしたから、なるほど実がなるということは受粉が必要なのか、と改めて感動した覚えがあります。稲の花は一瞬しか咲きません。お天気お姉さんが写真で見せてくれることがあっても、自分で田んぼで稲の花を見た人は今どき少ないかもしれません。
 実ると稲刈り。鋸鎌でざくざくと。手を切らないように稲のつかみ方も習います。左手で稲をつかみ、小指より下の方で稲を刈ります。足踏み脱穀機で脱穀。
 藁は竹に干す。
 干した藁たちは、縄をなって縄跳び大会。そのままでは縄をなえませんので、藁を叩いてほぐします。正月にはしめ縄にする。
 もち米なので収穫祭では、餅つきをして食べる。
 本当のお百姓さんのように88の苦労をしたかはわかりませんが、米作りって大変だと身をもって思います。
 食べ物を吐いてしまうのはとても悲しいこと。
 そういう人こそ、農作物を育ててみてもらいたいなぁ…と思います。
 学習田に行かされる時に、大人になったらこの経験がかけがいのないものになるから、と教師たちが言うのを恨みがましく聞いていましたけれど、悔しいですが得難い体験だったことは事実のようです。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分