ブログ

158.生きてそこにいてくれるだけで

2021.07.15

158.生きてそこにいてくれるだけで

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。 6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
 親の世代の方々は、お子さんが生まれた時に、「おぎゃあ」と言ってくれただけで至福の喜びを感じておられたかもしれません。
 ただただ、無事に生まれ落ちてくれたこの、天使のような存在に、命へのリスペクトを持たれた方も多いでしょう。
 這えば立て、立てば歩けの親心、と申しますが、ハイハイが出来たら、立って当然、たっちが出来たら歩いて当然、みたいな所はないでしょうか。
 人間の成長は、見ていて楽しいものです。
 例えば、同じ哺乳類であっても、馬や鹿であれば、生まれてすぐに走れないと、肉食獣のライオンの餌になる危険性があります。
 そういう保存的な本能の点から見ても、這えば立て、立てば歩けの親心、はむしろ当然と言えます。
 しかし、多様性が認められる世にあり、こうでなければならないとレールを敷くこと自体に、どれほどの意味があるのでしょうか。
 むしろ、後輩や部下が言うことを聞かないのは当たり前の前提に立って、彼ら彼女らの提案に耳を傾けてみるのも臨床家の仕事かもしれません。
 ですので、今、実臨床に出るに当たり、その方の語りが始まる際に、「生きてそこにいて話してくれるだけで」と真摯に感じようと努めております。
 みなさまは、命の大切さをどんな形でお感じになりますか。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分