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505.過剰な完璧主義を止めよう

2022.06.23

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。日々元気に営業しております。

 完璧主義が、素晴らしい結果につながる内は良いでしょうが、自己批判だったり、自己卑下だったり、自分を貶める方向に働き出すのは、正直推奨できません。それらの反省は、前向きな気持ちや努力と一緒であれば良いのですが、鬱の原因になるようであれば、立ち止まって再考して頂きたい所です。

 完璧に出来ない自分をダメだとか、自分に厳しく当たりすぎて鬱になるような完璧主義を、過剰な完璧主義と呼ぶことにします。

 適応障害や鬱でお悩みの方に、ぜひ、お勧めさせて頂きたいのは過剰な完璧主義を止めよう、と言うことです。

 じゃあ、具体的に、どう止めるのかということですが。100ある段階に対して、1,2しか進めなかった、と落ち込むより、千里の道も一歩から、まずは、1,2進んだ、という風に自らをコンプリメントすることが大切ではないでしょうか。
 3,4の段階については、1,2が出来てからしっかりやれば良い訳ですから、ある程度進んだら、まずはそれを良し、とする癖を付けていくことになります。

 過剰な完璧主義に陥る人は親や指導者から恒常的に批判にさらされ、それが当たり前になっている人が多いようです。
 脳の学習は報酬系であることを考えると、必要なのは自己批判よりは自己肯定です。技術的な反省がある場合は、一旦そこまで頑張ったことを褒めてから、技術的な反省を行い、解決や成長を添えて前に進みます。

 このようにして、過剰な完璧主義を止め、一歩ずつ前に進むように出来ると、前向きな気持ちが持てるようになるのではないかと思います。

504.しないといけない

2022.06.22

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。日々元気に営業しております。

 しないといけない、という言葉が口癖になっている方はおられませんか。
 鬱や適応障害のご相談を頂く場合、多くの方が「しないといけない」と口裏を合わせているかのように仰せになります。しないといけない、を口癖にしていると、いけない自分になってしまいます。これは暗示の効果であり、言葉が力を持つという意味において言霊かもしれません。

 やればいいわけだから、する必要がある、よし、やろう!で良いはずなのに、しないといけない、となぜ自分を二度も否定しないといけないのでしょうか?
 そんな必要はないはずです。

 やるべきだから、やりたいから、やろう。やった。

 それで十分です。

 よしやろう、よくやった、と捉えることは、しないといけないと考えるより随分前向きです。

 しないといけない、という言葉には、しないといけないのだが本音ではやりたくないのだが、しないといけないのでしぶしぶながらやる、などとグズグズした心性が内包されています。やるべきだったらサッとやる、それが大事です。

 しないといけない、は鬱の始まりとも言えます。

 しないといけないが口癖の方がおられたら、する必要がある、よし、やろう、と脳内言語から変えて頂いてはいかがでしょう。

503.1日3枠

2022.06.21

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 当院では1日3名までの新患枠を設けています。

 おかげさまで、その枠も毎日のように埋まっています。
 東は博多、西は糸島、南部は市外の大野城や春日、筑紫野からもお越し頂いています。

 驚くべきことにメンタルクリニックの新患は本当に予約が取れないようです。
 当院が、3名受け入れられることはいくつかの工夫があります。
 まず、看護師や心理スタッフが予診を取ることにより、効率的に病歴聴取を行っています。これによって医師が診察中にも予診聴取などで時間を効率的に配分できます。また、枠を死守しており、再来の方には新患枠の時間帯は避けて頂く等、ご協力頂いています。
 インターネット予約なんてものがありますが、それぞれが好きな所を予約してしまうと、実際問題、時間配分が上手く行かなくなることがあります。じっくりお話を聞くべき方には、カウンセリングまたは、最後の枠などをご案内し、丁寧に拝見するようにし、軽快傾向で、あっさり帰りたい人は朝一にいらして頂くなど配分を行っています。一見アナログなようでも病状をある程度把握したスタッフが効率よく拝見出来るお時間をご案内させて頂いています。その方が実際的には待ち時間を減らすことが出来ますし、しっかり聞いて欲しい人にはそのような対応も出来ます。

 毎日のように新患の方がいらっしゃり、どの方も10軒くらい断られたと言われることから、新患枠をしっかり設けて皆様に対応することには社会事業としての意義があると最近は確信しています。

 これからも頑張って務めて参りますので今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

502.自分のトリセツ

2022.06.20

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 昨日ご紹介した、福岡臨床心理オフィスから、「じぶんトリセツノート」という冊子を頂戴しました。
 外来に置いておきますので待ち時間などにご活用頂ければと思っています。気前の良いことに、同オフィス様にご紹介しなくても当院の患者さんに使ってもらって良いし、足りなくなったらまた下さるとのこと。器がでかいです。

 じぶんトリセツノートは、生活リズム、自分の長短、スマホ時間、身体の不調の出やすい部位、経験したことのあるスポーツ、メンテナンスの工夫、趣味や芸術活動、こころの不調サイン、対処法、得意分野、職場に求めたい合理的配慮、価値観、注意事項などきめ細かく記載することが出来ます。これを記入するだけで、色んな気づきが得られ、ちょっとしたカウンセリングになりそうです。当院でも活用していく予定です。

 みなさんも、これを機に、ご自身のトリセツ、見直して頂いてはいかがでしょう。

501.福岡臨床心理オフィス 調先生にお越し頂きました。

2022.06.19

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 研究室の先輩でもある臨床心理士、福岡臨床心理オフィスの調恵子先生にお越し頂きました。
 院内のご見学もして頂き、当院の診察室、検査室、相談室などをご高覧頂きました。

 福岡臨床心理オフィスは、東京カウンセリングセンターや官公庁とも連携しており、福岡県・市の職員や教員の方などは、5回まで無料でカウンセリングを受けることが出来ます(それらの母体から経費が支払われるシステムをお使いです)。

 当院でも大きな会社の人で、診療は当院、カウンセリングは同オフィスというケースもありました。
 必要があれば、当院では公認心理師に対する連携指示書をお書きすることも出来ます(別途有料)。

 このように地域の関連施設と連携を深め、皆様に安心してお掛かり頂けるクリニックになるよう努めております。

500.祝500回

2022.06.18

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 つらつらと書いてきたブログですが、500回です。よく続いたものです。こうなったら1000回も目指してみましょう。
 お花や鳥の話題なども取り上げてはいますが、基本的にメンタルヘルスにお役立て頂ければという感じで緩くやって参りましたが、いかがでしたでしょうか。

 ありきたりですが、キリ番として振り返っておきたいのは、「継続は力なり」でしょうか。

 また頑張って参ります。

499.性機能障害

2022.06.17

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 うつ状態というのはセロトニンやノルアドレナリンの不足が原因と言われており、そのために、抗うつ薬はセロトニンやノルアドレナリンを十分にさせるものが使われます。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)などがこれに当たります。古い三環系、四環系なども結局はこの辺に効いて効果があると言われています。

 ところが、SSRIなどは、副作用として性機能障害を起こすことがあります。副作用と言っても永続的なものではなく、中止すれば回復する類いのものなので、あまり過敏に心配しないで頂きたいとは思います。
 男性で言えば勃起障害、射精障害(遅延)、女性で言えばオルガズム障害などです。

 性の悩みについては言いにくいことが多いでしょうが、生活していく上では必要なことです。男性の患者さんであれば私も男性ですので気軽にご相談頂ければ良いですし、女性の方は女性看護師の方にそっと伝えて頂いても良いかもしれません。

 また、別に高プロラクチン血症という副作用も起こることがあります。これも可逆的な副作用で中止すれば戻るものですが、月経遅延や乳汁分泌(母乳が出る)などが起こります。高プロラクチン血症はドーパミン系のスルピリドやアリピプラゾールなどで起こり得ますし、症例として何例か経験があるので、時々起こり得る副作用です。

 いずれにしても、性の機能に異常が出た場合は、お薬によるものも疑う必要がありますので、恥ずかしがらずにすぐにお知らせ頂ければ、内服薬を変更するなど適切な対処が出来ると思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

498.煙突掃除

2022.06.16

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 日本の家屋で煙突がある所は、実際にはあまり多くないのではないかと思います。
 日本で煙突というとどうしても工場や火葬場などが該当しそうなイメージです。

 煙突も長く使っていると煤が着いたり、長年の汚れが、通気を悪くするようです。

 気づかない汚れを大掃除するなどのメンテナンスが必要になることがあるでしょう。
 自分にとって、当たり前にしていたことでも、心身医学的には無理している場合もあります。そういう場合、煙突掃除ではないけれど、ご自分の心も煙突掃除が必要になるかもしれません。

 ご自身の煙突掃除が必要だなぁとお感じの方がおられたら、ご相談頂ければと思います。

497.ガス

2022.06.15

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 当院では過敏性腸症候群の治療も承っています。と言っても大腸内視鏡などの設備はないので、消化器科である程度見てもらったけれどストレスが原因だろうと言われた方から拝見しています。
 下痢型、便秘型、混合型などありますが、ガスが気になる方もあるようです。

 おならとなるガスは99%は呑気された空気で、メタンガスなど腸内で生産されるガスは1%もないと言われています。

 飲食に伴う嚥下によって飲み込まれた空気がそれらのガスの正体と言うことになります。
 胃が空気で一杯であれば適宜ゲップで出したり、ガスも上手くトイレ等で排出できれば良いことになります。呑気症と言って空気をやたら飲むのは、古来から固唾をのむと言われるように、不安や緊張状態で起こるようです。

 そういう場合は、抗不安薬や、イライラや不安に奏効する漢方薬を用いたり、あるいは自律訓練法や動作法など、自らリラクゼーションが可能な技法を提供させて頂いております。

 ガスに関してお悩みの方については上記の方法などを組み合わせてご提案させて頂いています。

496.喜怒哀楽のずれ

2022.06.14

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 素直な感情表出と、社会適応はしばしば異なるものです。
 腹が立ったからと言って社会で感情を顕わにすることは出来ません。

 赤ちゃんのように何でも表現できれば良いのでしょうが、怒りの表出は、相手を怖がらせたり、萎縮させたり、逆に恨みを買ったりしますので、愛想笑いをしたり、怒りではなく涙で表現したり、表出方法を変化させて適応することがあります。

 相手との関係を破壊的にしないという面では喜怒哀楽をずらすことは一見成功しているかもしれませんが、自身の感情が素直に表出できたかという観点からは、結構危険な方法とも言えます。別の方法でガス抜き出来ていれば良いのですが。こういうガス抜きを心理療法では、ヴェンチレーション(風通しの意味)と言ったりもします。

 我慢したまま喜怒哀楽のずれをため込んでいくと、心身症になりやすくなります。

 怒っているはずなのに泣いてしまう、笑ってしまう。悲しいはずなのに怒ってしまう。など、喜怒哀楽がずれているんじゃないかと思われた方、一度ご相談頂いてはいかがでしょう。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分