874.同調圧力
2023.07.06
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
LGBTQの方々などを認めていくように世間の風潮が変わってきています。
むしろ、性的マイノリティの方などは、今回の機運によってご自身の嗜好をオープンに出来るのかもしれませんが、特別ではない普通の子達が、みんなと同じようにしたくない時、あるいは、みんなと同時に動きたくない時だってあるのではないかと思います。
九州ではまだまだ、コミュニティにおける同調圧力が強いんじゃないかと普段の診療をしていても感じます。
学校でも立ちましょう、と言われて、なんで「ヤー!」と言わなきゃ行けないのか、私自身が分かりません。集団行動が取れないと連帯責任など、まだまだ未熟な教師による、自己満足的な罰則が、個性豊かな生徒達を苦しめている機会は少なくないようです。
みんな違って良い訳ですから、あまり他者に同調を強いるにはいかがなものかと思っています。集団行動を悪意的に阻害する行動でないのであれば、自由意志を尊重してくれても良いんじゃないかなと思っています。
873.訪問看護連携
2023.07.05
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
先日、訪問看護ステーションから連携のご挨拶を頂きました。
当院では、実際に患者さんを訪問して生活を看て頂いたり、看護上のアドバイスを頂いたり、夜間対応の時はそちらで傾聴してもらったり助言してもらったりするのに、訪問看護ステーション様と連携を取っています。
医師と看護師は、見立てを共有したり、現場の声を反映してもらったりする上で相互に貴重なパートナーです。
今後も地域の訪問看護ステーションと関係を深め、皆様のお役に立てるよう務めて参ります。
872.バースデイライブ
2023.07.04
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
土曜の学会で横浜に来ていたものですから、2日日曜日は、オカリナの師匠大沢聡先生のバースデイライブ@六本木。六本松から六本木まで行くのはちょっと遠いですが、横浜からなら届くじゃないか、と思い、六本木のライブに行ってきました。
流石と言うべきかやはりというべきか、大沢一門の結束と愛の深さに感激。
山形、熊本、福岡(←松原以外に)、福井、京都、山梨・・・。もっといたかも。
カーネギーホールに乗ったみなさんが同窓会みたいに集合して。
ニューヨークにも六本木にも集合するってどんだけ熱いんだ。
行列も5-6番目くらいに並べたのですが、当然のように一番前で見てきました。そう、聞くと言うよりガン見してきたんですね。
コンサートホールと違ってライブハウスだったので、1-2m先にトッププレイヤーがいるわけです。息の吸い方、指回し、知りたい技術が盗めたかは分かりませんが、ホールで見るよりも遥かに近く、すごく勉強になりました。
嫌がられたのか3度も全国のみなさんの前で弄られましたけど。弄られるのも、まあ、特典?ってことで。
お誕生日なのに労働されている師匠に、山梨のお姉様からそそのかされて、Happy birth day to you!の合唱、のオカリナの出だしを吹きました。師匠のコンサートで自分より上手い人ばっかり聞いてる前で吹くのは恥ずかしいのですが、ライブハウスだし、サプライズだし、お姉様のご命令だし、ということで。
行って良かったと思えるライブ。やっぱりスーパースターは違うなぁと思うと共に、また帰ったらしっかり練習を積み重ねようと気持ちを新たにしました。
871.心身医学総会へ行ってきました
2023.07.03
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2週連続横浜になったのですが、第64回心身医学総会に出席して参りました。
やっぱり対面の学会は良いですね。
入局した手の若手と岩手医大の先生と飲みに行ったり、東邦大学の先生と旧交を温めたり、知り合いと知り合いをつなげてみたり。
スポーツのコーチング、精神科における下剤の使用、ボルチオキセチンの使用のポイントなど知りたい内容のセッションに出て勉強してきました。
また、皆様のお役に立てるよう務めて参ります。
870.Shared dicision making
2023.07.02
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
治療方針の決定の仕方というのも年々進歩しています。昔は白い巨塔などでは「ムンテラ」なんて言葉があり、ドイツ語のムント、テラピーの略で、医師が手術などの方針を説明して納得して頂くというような意味です。それが私が医師になる頃は、インフォームドコンセントと言われるようになり、ムンテラという言葉はよほどベテランの先生以外は使われなくなりました。インフォームドコンセントは、情報を出来るだけ正確に提供した上で、納得して頂いて患者さんに方針を決めて頂くことになります。患者中心という意味ではとても良いのですが、自分で決断するのが難しかったり、急に医学的な専門用語が沢山出てきたりするために、インフォームドコンセントと言われても当事者様ご自身には荷が重いことも多いようです。
最近では、Shared dicision makingという言葉になり、一緒に意志決定をして行く、ということになっているようです。うつ病等、メンタルヘルスの治療方針においてもShared dicision makingが大切になって来ているようです。
当院でも、時代の進歩に倣い、出来るだけデータやエビデンスを提供した上で、治療方針を決定していけるよう務めて参ります。
869.病識
2023.07.01
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
ご自身を病気であると自覚する意識のことを病識と呼んでいます。
精神を病んでおられる方の中には、この病識が弱かったり薄かったりする方もおられます。
他者からの視線や臭い、音などが、現実の攻撃に感じられてしまったりして、被害妄想が拡大していきます。
音などは、現実にうるさいこともありうるのですが、録音しても何も収録されていない場合は、ご本人様の幻聴と言うことも起こり得ます。被害妄想をベースとした、騒音や異臭を理由に、転居を求める方も一部おられます。病識がない場合は、精神の病気ではないかとお伝えしても、逆に自分の主張を受け容れられないと感じてしまうようで、何度も警察や市役所に相談されることがあるようです。
病識が付きにくい病気だと、あまり予後も良くないのですが、それでも薬効は一部でもある方が治療的で、なるべく病識の弱い方にもお付き合いした上で、出来るだけ医療機関に継続的に掛かって頂いたり、お薬を定期的に内服して頂くように関係性も重要視しながら診療させて頂いております。
868.記憶の蓋
2023.06.30
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
解離性障害などで、どうしても一部の記憶が取り戻せないという場合があるようです。
自分の姓を旧姓で認識していたりとか、職業も事故以前のものと認知していたりとか。
催眠の天才ミルトン・エリクソンは、贈り物が何だったのか忘れてしまった女性に対して、催眠で自動書字などを用いてあの手この手で記憶の再想起を手伝ったことを論文にしているようですが、大阪城攻略のように外堀を埋めたり、一見関係なさそうな所の断片を集めていくことは出来たようです。
とても嫌な思いや辛い思いがあり、記憶の蓋を開けたくない人には無理に開けようとせずに、現在の治療資源で適応的な行動を取れるような援助をしています。
そうすると、日常が徐々に機能するようになり、その結果として、思い出しても差し支えないことに関しては天岩戸ではありませんが、少しずつ蓋が開いていくようです。一応催眠療法なんて手段もあるにはあるのですが、当院では、心理的な記憶障害の場合は無理なことはせずに、生活を機能的にすることから援助させて頂いています。
867.R.I.D.
2023.06.29
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
当院は、若干のお子さんとお年寄り以外は、大半が働き盛りのビジネスパーソンがいらっしゃいます。男女比は1:1.6くらいなので女性が多いです。
20~40代の女性となりますと、妊娠希望や授乳中などの理由により、なかなかお薬を投与しにくい方もおられます。
それならそれなりに、ニーズに即して対応するだけなのですが、一つの指標としてR.D.I.というものがあります。
R.I.D.とは、相対的乳児投与量( Relative infant dose RID )というものです。新生児が、)という、新生児が1日に母乳を介して摂取する薬の用量と、その薬の母親の摂取量を比較した指標です。R.I.D.が10%以下ならほぼ安全といわれています。
R.I.D.=母乳を介した新生児の摂取量[mg/kg/day](=新生児の摂取量=母乳中濃度×哺乳量)/母親の摂取量[mg/kg/day]
で、計算されます。
気分安定薬であるリチウムなどはRID=12~30%と高いため内服中の授乳は推奨されていません。抗てんかん薬などは、RIDの低いものを選べば授乳は可能となっています。
当院ではこれらの指標も考慮しながら処方を考えさせて頂いております。
御心配な方はご相談頂ければと思います。
866.身調べ
2023.06.28
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
心療内科で用いられるセラピーの一つに内観療法というものがあります。
恩師の久保千春先生(第3代九大心療内科教授、元九大総長、現:中村学園大学学長)は内観医学会をリードされていました。
浄土真宗の行である身調べという方法を、吉本伊信が敷衍して始めたものと言われています。
内観療法では、自分自身が身近な人に、
・して頂いたこと
・お返しして差し上げたこと
・迷惑を掛けたこと
などについて毎日具体的に想起させて自己洞察を深めさせるものです。
内観療法を受ける合宿を提供している寺院もあるそうです。
心療内科医の後輩が実際に行ってみてとても良かったことを教えてくれました。なかなか1週間自分の時間を投入するのは独身でもないと難しいですが・・・。
当院では内観療法そのものはそれだけの労力も掛けられないので出来ないのですがその視点は大切にしており、内観をお勧めして寺院などでやってきてもらって良くなった方もおられました。
普段からも、自分の身調べはやっておく価値があるのではないかと思っています。
865.La necessità aguzza l’ingegno.
2023.06.27
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
窮すれば通ず、とも言いますが、直訳すると必要は才能を鋭敏にする、となります。
ピンチの時などに思わぬ思いつきのおかげで窮地を脱することが出来るというような意味で使われるようです。
必ずしも、ピンチの時に良いアイディアが出て来るかは分からない時もありますが、もし思いついたらそれは幸運なことですね。でも、一人で思いつかない時などは、ご相談頂ければ、一緒に考えさせた頂ければと思います。