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1304.プチ鬱を許容する

2024.09.04

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。

 双極性障害の治療で最も良い状態は、上がりすぎでも下がりすぎでもなく、ニュートラルな状態で社会適応することです。
 怒りっぽさもなく淡々と仕事が出来れば周りは安心することでしょう。

 双極性障害の患者さんとお話ししていていつも話し合いになるのは、プチ躁状態が1番乗っていて気持ちが良いのだがそこに治療目標を合わせられないかという要求なのですが、残念ながらちょっと躁状態というのは本人は気持ちよくても周りは振り回されて迷惑している状態です。ワンマン社長などに良くある話で、従業員が次々に止めていくけど、社長だからしょうがないと思われている、というような所でしょう。

 プチ鬱状態だと、買い物に行っても何かって良いか思いつかないとか夕飯のメニューを思い浮かべられないなどと仰ることがあっても怒り出したり、反論したりはせず、人との衝突はまだ起こっていません。

 ニュートラルがベストですが、プチ鬱の状態はある程度許容されて良いと思っており、気づいたら早めに職場にアサーティブに負荷軽減を申し出て、お酒などは飲まずに早くたっぷり寝ることが重要でしょう。

1303.くまもん

2024.09.03

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 熊本駅に着くと、くまモンの首が晒してあります。
 人気スポットらしく、写真を撮っている観光客が後を絶ちません。

 くまモンは行政が打ち出したゆるキャラですが、ひこにゃん等有名どころのトップの方に入ると言ってもいいでしょう。私の孝行のあった四日市市は、伊勢湾の積乱雲が大入道の伝説を生み、大入道の話からゆるキャラがこにゅうどう君というのになったのですが人気投票の職員への強要問題などがあり、あまり好印象が広まらなかったようで残念なことです。1番任期だったひこにゃんも裁判沙汰になって下火になってしまいました。
 デザイナーの権利や利益を守ることと長く愛されるキャラクターづくりの間には、綿密な計画性が必要でした。

 くまモンの成功はキャラクター使用料を取らずに、競合する商品同士でも利用可能としたところのようです。設定も綿密に行い、2体同時には出さないとか、中の人なんかいない、とか、熊ではなく男の子だ(熊本に熊はいないので)、等の設定があります。

 全県的に愛され、広まるようになったくまモンの戦略には、数多くの失敗と対比されて学ぶべきところがあると言うことでしょう。

1302.ワイルドベリーコンサート

2024.09.02

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 9月1日は糸島市末永の田園喫茶ワイルドベリー様にてオカリナとピアノによるコンサートをさせて頂きました。

 800回以上コンサートを主催して、新聞にも掲載されたワイルドベリー。オーナーの水野さんは元福大の教授で芸術や文化への造詣が深く、土蔵では絵の展示もされています。ここは古い庄屋さんの古民家などを買い取ったものらしく、石畳の喫茶店にはドイツのピアノベーゼンドルファーが鎮座しています。いつも45席の客席が足らず50名以上がコンサートに訪れて下さり、ピアニスト共々お客様には感謝しています。

 次回のご案内は11月10日となっています。その後は、1月12日、4月6日、7月20日と先々まで予約を頂戴しました。

 今後のコンサートについてもどうぞよろしくお願いいたします。

1301.成瀬悟策先生100年

2024.09.01

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 台風で臨床動作学会も開催出来なかったようですが、成瀬悟策先生生誕100年のシンポジウムは開催されました。
 私はその後、演奏の本番もあったので長居は出来なかったのですが、久しぶりの動作学会、懐かしいメンツがいたり、私は心理リハビリテーション学会には入っておらず、今回両学会の合同企画という性格上、心リハ系の方も多かったのか、なじまない顔も多々あり・・・。

 成瀬悟策先生と言えば古くは催眠の大家、後半は臨床動作法の提唱者として知られています。私も志賀島のご自宅に直接伺って動作法の指導を何度か受けさせて頂いたものです。

 今となっては懐かしい思い出です。

1300.デュオたんと

2024.08.31

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 8月31日にはくまもとオカリナッセというオカリナのイベントに出演してまいりました。スペシャルゲストは、奈良県を中心に全国でご活躍のデュオたんとこと森下知子さんと大島忠則さんでした。

 とてもお二人ともとても素晴らしい技術と音楽性を持っていて、大変勉強になりましたし、お二人のことがとても好きになりました。

 今後もよりすぐれた奏者たちからの学びを深めたいと思います。

1299.雨の日は餃子を

2024.08.30

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 先日の雨の日、家族が餃子の皮を買ってきたので、久しぶりに手作り餃子を頂きました。研修医の頃、指導医の先生に、雨の日は子供と餃子を作るといいと聞いたのを思い出しました。

 餃子は、キャベツやニラを刻んだり、にんにくを刻んだりおろしたり、ひき肉を混ぜたり、いろいろな工程がありますし、皮を閉じて餃子の形にする、所までに楽しみがあります。

 餃子は日本の誇るB級グルメといってよいと思われます。原点は中華といいますが、もともとは食べ残しの処理法的な扱いだったそうで、美味しい御馳走という認識で食べるようにしたのは日本文化だったように記憶しています。

 餃子を作るのは学びの多い作業です。欲張ってたくさん盛り過ぎると閉じることができません。平たい円状の皮の上に、いくばくかの具を載せる。それは、糊付けする余白をあらかじめ計算に入れておくこと、3次元としての立体認識、などがあるからです。欲張りすぎてもうまくいかないたとえにもなります。

 そうこうしている内に、餃子は完成し、完食して終わりました。

 みなさまも、雨の日は餃子大会、いかがでしょう。

1298.アルゼンチン

2024.08.29

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 最近のNHKラジオのスペイン語講座は、南米がテーマであり、アルゼンチン独特の言い回しや、チリへの旅が取り扱われています。

 ラジオ講座とは別に、優秀者に選ばれればアルゼンチンに行ける企画、というのがあるらしい、と知り合いから聞いたのですが、歳を取ったのかあまり心が躍りませんでした。

 何しろ、地球の裏側ですから飛行機も限られていますし、片道24時間程度っていうのはきつい旅です。クリニックを休診すれば、お客様にもスタッフにも迷惑をかけます。行先も自由ではなくて、ミッションをする必要もあり帰国後報告もする義務がある…。とか考えると気が重いから気が乗らないと思ってしまいました。
 若い時のような躍動感で物事をとらえられないなぁと自分が老け込んだ気になりました。十分現実検討能力がついたとも言えますが。

 皆さんは成長とともに価値観や落ち着きが変わったと感じることはありますか?

1297.台風

2024.08.28

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 台風10号の接近に伴い、29・30日を臨時休診とさせて頂きました。予約制をとっていることもあり、当日のスタッフの出勤や公共交通機関の運行、学校の休校措置等が読めないためでもありますがご理解いただければと思います。

1296.肯定的

2024.08.27

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 先日、仲間と一緒に恩師の業績を掘り下げる打合せをしていました。
 その中で、師匠は常に患者さんに肯定的だった、という話が出た時に、我が身を振り返って反省しました。

 どうしても、お酒を止めて頂きたいとか、こちらから医療上のお願いをしたい場合、病気の性質上、否認したり強がったりする人もおられるわけですが、止めてもらうのがベストなのは明白ながらそう一筋縄に行くはずはないからです。そういう時に、師匠のように常に温かい目線で患者さんを診ることが出来ていたか、というのは、常に振り返らざるを得ません。

 以前よりは、様々なお悩みやご相談に、寛容に関与出来るようになったとは言え、まだまだ恩師のようには行かないなぁと我が身を振り返りつつ、師から頂いた温かさは、また現場の患者さんにお届け出来るよう、気を引き締め直して頑張りたいと思います。

1295.プラスティネーション

2024.08.26

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 私は医学部卒なので3年生の時に、献体頂いたご遺体を、同級生と解剖実習をさせて頂いた経験があります。
 以前働いていた病院でも、身寄りのない精神病の方も、健康な判断力のある方が生前に、死後は大学病院に献体したい、と希望されたことがあり、そういった場合はそういうことを取り仕切る団体があり、そこに生前に登録をしておくと、病死された後に、献体として保管されるようになっているようです。そういう動きがあってご遺体が集められているのを医師になってから具体的に知った気がします。

 献体される場合は、逆に、火葬などは、解剖実習等を終えた後の処理として大学等が責任を持って行うことになるため、特に経済的に葬儀の費用にも困る方にはある意味、しかるべきところが適切に処理してくれる上に、学問にも寄与できるというシステムになっており、死後のご自分のご遺体に特段のこだわりがない人には有用な制度かもしれません。

 プラスティネーションというのはご遺体から水分・脂肪分・油分を抜いて、固定する方法で、ドイツ・ハイデルベルク大学のグンター・フォン・ハーゲンスにより、1978年に生み出されました。ハーゲンスは特許を取得し、プラスティネーション協会を取り仕切っているようです。親の出自は本人とは関係ないとは言え、ハーゲンスの親はナチスに傾倒して、警察に所属してユダヤ人の移送やユルゲン・シュトロープ指揮下ワルシャワ・ゲットー蜂起鎮圧戦に参加していたと言います。

 日本でも1990年代に人体の不思議展という展示が行われたのですが、紆余曲折があり、その後はハーゲンスとは別の団体との契約で展示が継続されました。Wikiによればその後プラスティネーションを模倣した中国の団体が後を引き継いで展示はある程度行われたようですが、プラスティネーションは非常に高価であることや、また、ご遺体の生前の善意の意思表明が不明瞭という問題を指摘する声が上がったようです。というのも、死亡後かなり素早く固定する必要があるようで、日本のようにご遺体の尊厳を法制化した死体解剖保存法などがあると、大学の解剖や法医の教官でもない限り、そんなに簡単に保存や加工は出来ませんし、自然死をした日本のご遺体が、「素早く」大学の解剖学教官のもとに到着する可能性はかなり珍しいと思われるからです。

 特に、ご遺体は中国で拷問死した人達ではないのか、という疑念は晴れたとは言えないようです。

 京都府保険医協会の告発により、その後、現在までこの類の展示はありません。

 細胞や組織を、そのままの状態で固定する技術や、固定したことにより様々なスライスを知ることが出来ることは学術的な興味を満たす意味はあるのだと思います。ただ、最近書いているような、物事の「オープン性」に欠けるものであれば、やはりご遺体の尊厳に対して後ろ暗い扱い方をしたのではないか、という疑念が生じてしまいますし、高額の標本を用いて、「金儲け」をしていると批判に、何らかの回答を与える必要もあるでしょう。

 コンプライアンスがだんだん厳しくなってきている現在の世の中で、様々ななされるべき配慮が検証されていけば良いのかなと思います。また、プラスティネーションも十分な量が出来ていれば~展示をしたわけですから十分量はあるはず~で今度はそれをコンピューターCG化するなどにより、今後はそういったきわどいことをしなくても、学びにつなげることは出来ていくでしょうから、そろそろ、こういったことは厳しく検証され、下火になっていくのかもしれません。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分