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188.盂蘭盆会

2021.08.14

188.盂蘭盆会

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
 お盆ですね。
 お盆は盂蘭盆会というものだそうです。目連尊者が餓鬼道に落ちた母親を助けるために、安居を終えた比丘尼達に飲食・寝床を提供したところ、その喜びが餓鬼道に伝わって母親が救われたといういわれと祖霊をまつる風習、親孝行の観点などが混ざって出来た行事のようです。この飲食の提供などを形にしたのがお中元のようです。だからお中元はお盆までに、と言われるんですね・・・。知りませんでした。
 でもこれ、目連尊者に神通力がなかったら、目連のお母さん、その後2000年餓鬼道だったんでしょうかね。それも怖い話です。
 目連の母親は、目連にとってはとても良い人に映ったけれども、世間的には餓鬼道に落ちてしかるべき行状だったことが伝えられます。親といえども誤ることはしょっちゅうある、ということでしょうか。私自身親になっても人間が出来たわけではないと思っています。
 目連のエピソードに思いを馳せながら、自分もその都度、改められることは改められるよう振り返ってみたいと思いました。

187.機嫌良く過ごしてみる

2021.08.13

187.機嫌良く過ごしてみる

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
 コロナ禍も長いですし、五輪も終わり、感染者もまた増え、福岡では再度の緊急事態宣言。友人と飲みに行くことも出来ず、フラストレーションはたまりがちです。もちろん、そういう方のご相談もお受けしていますが、私も一人の人間。イタリア旅行も近所の居酒屋も軽々に行けないとなりますと、気分が下がることもございます。家は散らかっていますし、片付けるとなるとまた、ため息も出ます。
 そんな中、ちょっと良いこと思いつきました。
 どうせ過ごすなら機嫌良く過ごしてみよう、と思いつきました。
 イヤホンを耳に掛け、YouTubeで名作落語を聞いてみることにしたのです。恥ずかしながら、テレビでは、噺家の方を視ますが、バラエティだったり、笑点だったりで、まともな落語は高座に行ったこともなければまれにEテレでそれもチャンネル回してて偶然視る程度でした。
 志ん朝師匠の落語が出てきたので、適当に聞き流して片付けをしてみることにしました。
 すごくはかどったというわけでもないのですが、時々クスクス笑いながらお片付けが進みました。
 それにしても噺家の方というのはおしゃべりが上手ですね。流れるようですし、声色、テンポも意のままです。第一聞いていて不快なトーンもなく、意地の悪いことは仰いません。これが長らく芸として成り立つゆえんなのでしょう。ボディーワーカーとしても、彼らの軽妙な声や語りにとても興味がわきます。
 皆さんも、ちょっと暗い時、ちょっとイライラする時などに軽妙な落語など聞いてみてはいかがでしょう。落語をぜひにと推奨するわけでもありませんが、どうせ過ごすなら機嫌良く過ごしてみよう、と心がけることは悪くないんじゃないかなと思っています。

186.歯を大切に

2021.08.12

186.歯を大切に

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
 医師になってからは、年に4回以上、必ず歯医者さんに行くことにしています。
 いざという時に痛んだりしたら、クリニックも簡単には休めませんからね。
 歯科で衛生士さんに歯石取りをしてもらうととても気持ちが良いです。それに、数日すると歯茎も引き締まってきて、出血しにくくなります。年々、生え際や歯間の磨き方も上手になってきました。何事も向上心が大切ですね。磨ききれない時は時々フロスで歯間の掃除もしておいた方が良いです。
 歯も、前歯以外はあまり他人に見えない場所ですし、親でもない限りわざわざ開けて歯ブラシしてやることもないかと思います。
 歯のメンテナンスを怠っている時は、他人に見えない場所のメンテナンスをいい加減にし始めた証です。
 忙しすぎるとか、ゆっくり自分と向き合えていないとか、それだけの気力がないとか。
 心療内科で診察するとき、ざっくり歯も診ています。
 歯医者さんほど詳細にはわからないのですが、臭う場合、前歯も虫歯になっている場合、などは他人の目を気にしなくなっているわけなので、セルフネグレクトとなります。特に虫歯になるまで放っておいたとなると慢性化しています。セルフネグレクトと言いましたが、親からもちゃんと磨いてもらったことがない人もあるかもしれません。
 養育者や自分自身がどれだけ歯を大切にしているか、そういうことも自己効力感にまつわる情報として拝見しています。

185.テゾーロ

2021.08.11

185.テゾーロ

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
 私は将棋は全然強くないのですが、観るのは好きで、今飛ぶ鳥を落とす勢いの藤井聡太王位・棋聖の試合などは頻繁にチェックしています。最近では、王位にかけて「お~い、お茶杯」なんて言います。新聞社だけでなく、飲料やお菓子の会社からもスポンサードされるのは将棋界にとって良いことです。
 ところで、イタリア語では、ちょっと呼ぶときに、「テゾーロ」とか「テゾーロ・ミオ」なんて呼ぶそうです。
 日本語のお~い、とは違うのでしょうか。
 テゾーロの意味は、宝物、ということのようです。テゾーロ・ミオは私の宝物、という意味ですね。
 ちょっと呼ぶときに、ねえ、宝物、なんて、イタリアの言葉は粋ですね。

 人と接するときに、テゾーロ、という気持ちを持ってこれからもお目に掛かって参りたいものです。

184.ヒゲダンスのススメ

2021.08.10

184.ヒゲダンスのススメ

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 六本松という地域が若い街だからか、お若い方にご受診頂くことが多いようです。
 今年お亡くなりになった志村けんさんのドリフを観ていた私なんかは、今の若い人たちからみて随分歳を取ったように思うのですが、それでも案外ヒゲダンス知ってる?と聞くとご存じの方も多くて逆にびっくりします。
 それにしても、不調を抱える方の肩こりの多いこと!
 筋肉のはずなのに机みたいに硬い方の人がたくさん来られます。
 一点筋弛緩法などでほぐせるのですが、私の方も疲れるので、ヒゲダンスをお勧めしています。
 ヒゲダンスは、やや膝を曲げて柔らかくし、肘はまっすぐ、掌を真下に向けて手首を前腕から90度返します。
 そして、リズムに合わせて肩甲骨を上下させます。  やって頂くと、大体肩こりの人、上手に出来ません。
 何でヒゲダンスなのか?
 楽しんでやれるのと、1分間に100回くらい肩甲骨を上下できます。それくらいやるとカチカチの肩も和らぐのではないかと思います。
 心療内科に来たのに先生と一緒にヒゲダンスをして帰った、なんてことがあるかもしれません(既にたくさんそういう診察をしてしまいましたが)。でも、真面目な話、ヒゲダンス、お勧めしています。

183.脳内言語を改革しよう

2021.08.09

183.脳内言語を改革しよう

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
 よほど頭の回転が速い人がどうしているかは知りませんが、普通の人は自分の思考は、頭の中で言葉を使って考えているのではないかと思います。
 あれもしなきゃ、これもしなきゃ、等、脳内で反響している言葉は口癖を反映するようです。
 となると、普段から、言葉遣いが丁寧であることは大切なことかもしれません。
 前稿で、すみませんからありがとうへ、と言うキャンペーンを書きましたが、それも大事なことです。
 あれもしなきゃ、これもしなきゃ、というのはそこにしなきゃ「いけない」が入っています。自分に対して、いけない、いけない、と言っていることになるわけです。
 しなければならないことは、「する必要がある」「よしやろう」と言い換えて何か、大きな間違いがあるかと言えば、そんなことはないんではないかと思います。
 ですので、私は、自分の脳内言語を「しなきゃ」から「する必要がある」等肯定文に置き換える努力をしています。脳内言語が肯定的だと普段から肯定的に相手に接するようになります。生きるのが楽になります。
 自分に「いけない」を言いがちな方には、必要がある、すると良い、よしやろう、等肯定的な言い回しに出来るよう、脳内言語の改革を提案させて頂いております。

182.すみませんからありがとうへ

2021.08.08

182.すみませんからありがとうへ

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 やたら謝る方がおられます。鬱になる方に多いようです。特に日本人はすみませんを言い慣れている方が多いような印象があります。
 それが円滑なコミュニケーションになっているのであれば美徳でしょうが、鬱の一因になっているのであれば、一度立ち止まって再考したいところです。
 そんな方々にささやかにご提案申し上げているのは、「すみませんからありがとうへ」です。
 「ありがとう」と言われれば「どういたしまして」と悪い気はしませんが、「すみません」と謝られると「いえいえ、そんな、良いですよ」となんと、相手を否定しながらフォローすることから始まります。頭を下げて衝突を避ける意味はあるかもしれませんが、「すみません」ということは、大切な相手から開口一番、自分に対する否定語を言わせてしまっている言葉になっています。
 そうすると自己否定から鬱になる場合、どんどん鬱っぽくなってしまいます。
 開業してからも、「すみませんからありがとうへ」変えてみてはいかがでしょう、とたくさんの方に申し上げて参りました。もちろん、謝るべき時にまでありがとうでは変調ですが、ありがとう、の方がベターなケースの方が多いような気がしています。
 すみませんが多すぎたかな?と思い当たる方、ありがとう、を増やしてみられてはいかがでしょう。

181.楽しみは何ですか?

2021.08.07

181.楽しみは何ですか?

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 悩みについて一通りお伺いした後、その方の趣味などを教えて頂くことがあります。
 趣味、習い事、部活、好きなスポーツ、好きな音楽、の一部か全てを教えて頂きます。
 それが私のあまり詳しくないものでも、善し悪しは判断しません。
 その、好きなことを出来ていない状態、忘れている状態は、鬱になっているか鬱のために出来なくなっているかでしょう。
 それらをやれるようになったら、やりたいと思えるようになれば、回復しているかもしれません。
 また、忘れていた好きなことを思い出したことで回復に向かうかもしれません。
 治療の資源を「リソース(=資源と同義)」と呼んでいますが、リソースを教えて頂いておくと、回復のヒントとなることがあります。
 みなさんの楽しみは、何ですか?

180.SAD PERSONS scaleについて

2021.08.06

180.SAD PERSONS scaleについて

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 精神科入院の絶対適応を決めるという、PattersonによるSAD PERSONS scaleについてご紹介します。
Sex:男性であること
Age:高齢者、もしくは思春期
Depression:うつ病の存在
Previous attempt:自殺企図の既往
Ethanol:アルコール乱用の存在
Rational thinking loss:合理的な思考の障害(精神病症状や極度の心理的視野狭窄)
Social support deficit:社会的支援の欠如
Organized plan:具体的な自殺の計画
No spouse:配偶者がいない
Sickness:身体疾患に罹患していること
 7項目以上に該当する場合は、非常にリスクが高く、精神科入院の絶対適応とされています。
(Patterson et al.,(1983) Evaluation of suicidal patients: the SAD PERSONS scale. Psychosomatics, 24:343-345)

179.下膳から始めてみよう

2021.08.05

179.下膳から始めてみよう

 ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。6月より六本松地区で開業しましたまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
 看護師も心理士もどちらかと言えば女性の方が多い職業なので、今も昔も職場にはママさんがいることが多いです。
 小さい子がいたり、子だくさんの時は、子育ても大変なご様子。
 我が家も共働きゆえ、子供にどこまで家事を覚えてもらうのかは親にとって死活問題でした。
 学習は報酬系で成り立ちますから、罰は与えず、褒めていくのが望ましいと言われています。
 そうすると、必ずうまくいくお手伝いを段階的に与えるのが良いわけです。
 経験値のない子供に汁物の配膳を任せるのは危険です。でも、いずれやって欲しいことではあります。
 そういうわけで、歩き出した二歳児にお願いしたいお手伝いには下膳から始めてはと思っています。
 食べ終わった器はこぼすことがありません。大体小さい内は、食器もプラスチック製だったりしますので、落としても大丈夫なことも多いです。
 何か手伝いたくてたまらなくなってきた頃に、命令口調ではなく、「質問」の形で、「ねえ、食べ終わったお茶碗、台所に運んでくれるかな?」等投げかけます。出来たら思い切り褒めます。落としてもその辺はうるさく言いません。とにかく、素直に応じたことを褒める、能動的に手伝ったことを褒める、運べたことを褒める。
 何度もやると、自信がついてきます。自信がついたら、お箸などこぼすのに関係のないものを運ばせても良いでしょう。これが最初の配膳。後は、空の取り皿等。丈夫なものや割れても諦められるものを任せます。
 それが出来たらご飯等、中身のあるもので汁でないもの。最後が汁物です。
 段階的に褒めていけば、配膳と下膳をしてくれる人が誕生します。最初褒めまくる手間はありますが、後々自分から動いてくれるようになったありがたさには変えられません。もちろん、大きくなってからも、手伝った分にはちゃんとありがとうを言うことを忘れずに。
 私は子供の頃、やって当たり前、みたいな態度を取られた時即座に消去が起こり、その手伝いはしなくなったように思います。報酬系、というだけでなく、たとえ子供であっても敬意を持ってお礼を言う。そうすればお互いに気分良く助け合うことが出来ます。
 お子さんが何か手伝いを覚えてくれたら良いのに、とお考えのご家庭、まずは下膳をお願いすることから始めてみられてはいかがでしょう。

地下鉄七隈線「六本松駅」徒歩5分