862.ワンクリック心性
2023.06.24
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
歳を取ると、昭和の人も平成の人も、今時の若い者は等と言い出します。
みんなその時その時に今時の若い者をやってきたはずなのですが。
今時の若い人達の心性として、ワンクリック心性というのがあるそうです。最近は便利な世の中になり、Amazonでも、今すぐ買うボタンをポチッとやるとどのクレジットを使うかとかどこに届けるかとかの確認もしないまま、いきなり買えることもあります。便利になった反面、欲求即実現しないと不満になることもあるようです。
これをワンクリック心性というようですが、具体的にはフラストレーション状態に弱い、つまりは堪え性がないということになるのでしょう。
先日は王座戦で、新しい戦法を披露した村田六段が藤井七冠を95%まで追い詰めて、後少しで勝ちだったのですが、将棋というのは恐ろしいもので、ほぼ勝ちを勝ちにすることが至難の頭脳スポーツです。5九金やら、6四銀やらAIも悩み込む鬼手を連発している内に、村田六段の勝利はするりと逃げてしまいました。
絶対敗勢の中でも、泣き言を言わず、顔にも出さず、虎視眈々と勝利を狙う藤井竜王名人は、最近では上司にしたいアスリートの2位(一位は大谷翔平選手、3位が羽生結弦選手)でした。彼らの魅力はワンクリック心性とは真逆の、アナログな努力の中に辛抱し、耐え忍び、努力を続ける所にあるのかもしれません。
ワンクリック心性でカリカリしているという時は、自然の中を散歩したり、ゆっくりお茶を飲んだりして、ご自身のテンポをゆっくり変えてみるのも良いかもしれません。