312.ポリヴェーガル理論
2021.12.13
312.ポリヴェーガル理論
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。素敵なスタッフが加わり、元気に営業しております。
臨床催眠学会の研修会と大会に出て参りました。
佐川陽子先生より、最近、トラウマ診療において重要な概念とされているポリヴェーガル理論の御講義を2日に渡って拝聴させて頂きました。
もともと、交感神経ー副交感神経が二元論的な対立概念として理解されていました。トラウマ反応は、闘争・逃走、と言うことです。しかし、この説明だと、トラウマ反応での凍りつきや解離の説明がうまく出来ませんでした。ポリヴェーガル理論(多重迷走神経理論)は、背側迷走神経・心拍変動の神経生理学的メカニズムを研究していたスティーブン・ポージェス博士が提唱したもので、系統発生的、解剖学的・生理学的に異なる 2 種類の迷走神経の存在を見出し、多重迷走神経理論が誕生 1994 年の精神生理学会大会で発表されました。
この理論は、トラウマの研究者から注目され、ピーター・ラヴィーンやベッセル・ヴァンデアコーク、パッド・オグデンなどトラウマ臨床家達との交流や出版などを通してその有用性の認識が広まって行きました。
理論自体が難解だったので聞いたからと言ってすぐに現場に応用出来るかは私の力では難しそうですが、最新の理論にアップデートしながら、みなさまのトラウマに向き合っていきたいと考えています。