257.より良い排便習慣のために
2021.10.21
257.より良い排便習慣のために
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。 素敵なスタッフに囲まれて、日々、元気に営業しております。
今もそうかはわかりませんが、男子にとって、小中学校で大きい用を足すのは結構至難の業です。別にいじめたりはしなくても、「あいつ、うんこ行った」「うんこ行きよる」とか指を指されることが多いので、とても行きにくいのです。
大人になって医学を学んだ後、朝に排便をしておくことが、ガスの貯留等、体に良いことがわかり、朝とにかくトイレに座るように心がけてみました。大人になってからトイレットトレーニング出来るのかなと思っていたのですが、半年くらいで朝出るようになりました。
もちろん、野菜中心の食生活を心がけるなど、出す方だけではなく入れる方にも気を遣います。
ところで、肛門括約筋には2つあるのをご存じでしょうか。
内肛門括約筋と外肛門括約筋です。内側のものは、不随意であり、便が上から降りてくると排便しようと弛緩します。外の方は、トイレ以外で漏らさないようにきゅっと締めることが出来る、随意筋になります。
排便の際、多かれ少なかれいきみますね。声門の力も必要でしょう。
その際、一部の人は外肛門括約筋にも力を入れながらいきんでしまうことがあります。人間、随意に出来る筋肉を完全に随意に動かすのは意外に上手ではありません(筋肉が思う通りに動くのであればピアノを弾いたりサッカーのドリブルも用意になるはず)。外肛門括約筋にも力を入れていきむと、出口を閉めながら無理に出そうとするわけで、痔の原因にもなります。
上手な排便にも練習が要るのです。
いきむ際に必要なのは、腹圧はいきむけれども、外肛門括約筋には弛緩させる、と言うことです。むしろ、いきまなくても、外肛門括約筋を弛緩させて座っているだけで内肛門括約筋の排便に向かう弛緩でぽとぽとと出るという仕組みです。
いきみすぎは痔核を作る元になるので好ましくありません。外肛門括約筋の弛緩は重要です。当院では置いていませんが肛門科の病院には肛門内圧計を置いている施設もあり、そこで測定してもらいながらバイオフィードバックを受けると、どういう状態が弛緩なのかつかみやすくなるでしょう。
いずれにしても心療内科医からは、あらゆる筋肉が過緊張でない方が望ましいと思っています。スムーズな排便のためには、出口の弛緩を上手くやることを心がけて頂いてはいかがでしょう。