1311.「1729」
2024.09.11
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
今は心療内科医、精神科医として微力ながらも地域医療への貢献に尽くしていますが、若い内は数学者になれたらと憧れていました。まあ、なろうとしなくて良かったなとは思いますが。
数学の世界には、オイラー、ガウス、リーマン、アーベルととんでもない天才がきら星のようにいますが、その人となりも含めて天才中の天才といえるのはインド人のラマヌジャンではないでしょうか。
夢を見ていたら正十七角形の作図法が思いついたなんていうガウスもたいがいな人ですが、ラマヌジャンはインドの神様~ナーマギリ女神というらしい~が公式を授けてくれるんだそうで、業績の1/3は、自分で発見したけれども既存のもの(既存の知識をオリジナルで発見していること自体が驚異的)、1/3は重要なもの、1/3は重要かどうかも含めて意味が分からないものなんだそうです。
ラマヌジャンはあまりの天才ぶりを英国のハーディ教授に見いだされてロンドンに招かれるのですが、水が合わなかったのか短命に終わってしまいます。病床のラマヌジャンをハーディが見舞うのですが、いつも来ていると話題に事欠いてしまったらしく、その日ハーディは面白い話題を思いつきませんでした。たまたま、来る前に見たナンバープレートが1729だったので、ラマヌジャンにこう話しました。
ねえ、今日見たナンバーが1729っていうとてもつまらない数だったよ、と。
ラマヌジャンは即座に反応して、「とても面白い数ですよ。1729は3乗の2つの和として2通りにあらわされる一番小さい数字です。」といったのだそうです。
1729=1の3乗+12の3乗=9の3乗+10の3乗
これはナンバープレートをもじって、数学マニアの間ではタクシー問題と呼ばれています。
まあ、数学者になるとこういう人に度肝を抜かれて自分の才能のなさを恥じなければならなさそうで、今は、趣味程度でこういうことが楽しめる方が良かったのかなと思っています。