1277.双曲割引
2024.08.08
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
双曲割引という言葉があるようです。
これは、遠い将来の時間当たり割引率が、近い将来の時間当たりの割引率より低下するような特性をもつ時間割引率のことを言うようです。
これが前回お話しした、夏休みの宿題を後回しにしてしまうことに関係します。
それでは大阪大学社会経済研究所で池田らが行った研究を紹介しましょう。
約60名の被験者に対して、以下の質問をしました。
Q1:どちらを選びますか
A:2日後に3万5000円を受け取る。
B:9日後に3万5200円を受け取る。
Q2:どちらを選びますか
A:3ヶ月後に3万5000円を受け取る。
B:3ヶ月後に3万5200円を受け取る。
質問1の割引率は45%だが、質問2の割引率は16%であり、Q1の直近の1週間待つことの割引率の方が遙かに高いです。
平均的には近い将来の時間割引が遠い将来の時間割引率より高くなります。
3ヶ月待って200円増しという選択をした時、実際に3ヶ月経過した時に200円増しでは割に合わないと公開することがあり得る訳です。
人間の時間割引の特徴は非整合的であり、堅実な人だとカードを持ち歩かないようにしたり、限度額制限を厳しめにするなどの工夫をしているかもしれません。
そうはいってもなかなか自分の行動って制御できないものですから、私もブログを遅延させないように自分をだましだましやらないと・・・。
出典:池田・大竹・筒井2005
大竹文雄著:競争と公平感