1202.無倦
2024.05.25
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
先日の豊島将之九段の色紙の揮毫は、無倦、でした。
倦くことなく、棋理を追求し続ける。
豊島九段と言えば、いつかタイトルをとる大棋士になると目されながら、なかなか取れず、対人の研究会を辞めてしまって、自分でAIと向き合ったり、飛車を振ったりスタイルを変えながら頑張ってきました。そして、最高位の竜王・名人となった4人目の棋士です。それまでは、羽生善治九段(十九世名人)、谷川浩司十七世名人、森内俊之九段(十八世名人)と名だたる名人が獲得してきた称号。ただ、あまりにも強い藤井聡太名人の時代に、今後豊島九段が永世名人を獲得できるかは、今後の彼の努力に掛かっていると言えましょう。
その絶頂期に彗星のごとく現れた藤井聡太四段(当時)。彼とタイトルを争う時に自分もトッププロの力を維持しておきたい旨、発言されていましたが、倦くことなく探求して最高位の名人戦に帰ってきました。最近の豊島九段は藤井聡太名人に分が悪く、かなり負け越していますが、ほぼ完璧な藤井名人に土をつけられるとすれば彼ではないかとも言われています。判官びいきではありませんが、そんな豊島九段の無倦には、なかなか厳しい勝負の世界でそれでも諦めずに頂点を目指し続ける豊島九段の覚悟を見た気がします。
両者の最高水準の勝負を今後も期待しています。