1158.CHIME
2024.04.11
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
当事者が希望する人生に向けてのプロセスを示す「リカバリー」の概念は、1980年代から当事者たちから始まったと言います。リカバリーは現在次の三つに分けて理解されているようです。
1.パーソナル・リカバリー
2.臨床的リカバリー
3.社会的リカバリー
パーソナル・リカバリーとは、他者との関わりや将来像を含めて、本来のリカバリーの概念を引き継ぐものとされ、臨床的リカバリーは、症状の改善や認知・社会機能の工場など臨床家主導で目指すものといわれます。
社会的リカバリーは、衣食住、就労を表すようです。
Leamyらは、パーソナル・リカバリーを5つの要素からなると論じています。
1.Connectedness つながり
2.Hope ando optimism about the future 未来への希望と楽観
3.Identity 自分らしさ
4.Meaning in life 生きることの意味
5.Empowerment エンパワーメント
1.Connectednessは、他者からのサポート、ピアサポート、サポートグループなどで、コミュニティの一員であることや人間関係を指します。
2.Hope ando optimism about the future 未来への希望と楽観、は、リカバリーの可能性への確信を持つことや、変化への動機を持ち、希望に満ちた人間関係を構築すること、前向きな思考と成功の価値観を持ったり、夢や願望を持ったりすること。
3.Identity 自分らしさ、は、アイデンティティの肯定的な感覚の再構築・再定義を行い、スティグマの克服を行うものです。
4.Meaning in life 生きることの意味は、生活の質を高め、有意義な人生と社会的な役割を持つこと、精神疾患を経験した意味を理解し、自分の人生を再構築していき、有意義な人生と社会的目標を持ちながら、魂の充実という意味でのスピリチュアリティを持つこと。
5.Empowerment エンパワーメント、は、強みに焦点を当て、個人の責任において、人生のコントロールをして行くこと、と言えるようです。
回復の過程に、医師や看護師・心理師などのサポートが必要でしたら、お気軽にご相談頂ければと思います。