1123.ハイヒールの踵
2024.03.10
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
ハイヒールの踵ってピンポイントに体重が載っていますよね。
満員電車などで電車が揺れた際に、踏まれた方は大変です。
足の甲に穴が開くんじゃないかと言うくらい痛く感じるわけです。でも、思わずよろけた方は悪意はないし、「あら、ごめんなさい」ということになります。ちょっとよろけただけですし、わざとじゃないですからね。
この例えば、暴力を振るった側と振るわれた側の受け止め方が全く違うことの例えになります。
つまり、手を出した方はちょっとかわいがっただけ、と思っても、出された方は、ものすごく怖かった、死ぬかと思った位に感じることがあるわけです。DV等はこのように異なる感性で記録されて行き、離婚の際の問題になっても調停員さんはかなり異なる距離感でこの事象についての陳述を聞くことになります。
自分にトラウマを与えた対象の人も、そこまで考えていなくて言っていたり、おこなっていたりします。
よく患者さんに申し上げているのは、そういうものはハイヒールの踵と言いまして、与えた側と与えられた側でずいぶん認識が違う物、と言うことです。いつまでも、「こっちはこんなにきつかったのに」とのにのに、が始まるといつまで経っても解決していかないので、傷付きは傷付きで医師や心理師など専門家にお話し頂いた上で、善後策を検討していければと思います。