1239.心療内科って要らないの?
2024.07.01
ブログを読んで下さるみなさま、いつもありがとうございます。六本松地区で開業していますまつばら心療内科の松原慎と申します。
学会に出てみて、とても偉い先生が第一線から退かれていたのを知りました。
ところが、国際診断基準の委員会に入っていたり、大臣から表彰されたような先生の後釜が、一番弟子の先生に上手く引き渡されずに、他科の兼任で責任者が決まっていたり、ひどい場合は、別の大学ですが心療内科の講座がまるっと廃止されたところがあります。
確かに、医療点数が高くないために、病院経営的に心療内科がお荷物になっているというしんどい事実はあるのですが、じゃあ誰が摂食障害やIBS、慢性疼痛など、他科の先生が手を焼きまくって放り出す患者さん達から逃げずに心理社会的背景から洗い出して寄り添っていく手間の掛かる医療をやるんだ、と聞きたくなります。
医療経済的に病院経営の立場から見た時に心療内科の仕事は、カレーの福神漬けみたいに添え物扱いにされているんじゃないかという気がしますが、全人的に患者を診る科がそんな風に扱われて良いのだろうかと懸念を覚えます。私はより守備範囲広くお役に立ちたいと思い、精神科の指定医・専門医も取得しましたが、患者さんに寄り添うマインドは心療内科上がりだからと思っています。心療内科は必要な科だと思うのです。
認めて頂くために我々も、上層部も頑張らなきゃいけないのは当然なのですが、心療内科が出来て、累代、60年近く頑張ってきてこれではなかなかさみしいものがあると思います。世の中の人にも、官僚にも、その必要性が理解されるとありがたいのですが。